< 外来種だから駆除するっていうんじゃなくって いろいろ作業障害を起こすから なんでしょねえ >
植物の種類とか分類とか、調べ始めてもすんなり理解できるものじゃないですね。
なんなんだろうこれ? っていうのが、なかなか駆除できないっていうことで話題になっている「ナガエツルノゲイトウ」って植物。
2020年ごろから急に目立ってきたっていうナガエツルノゲイトウなんですが、水の上でも陸地でも、とにかくすさまじい繁殖力で、水面や地面を覆いつくしてしまうらしいです。
米作りの現場が差し迫った脅威にさらされているっていうことなんですね。
田んぼに水を引く水門にからまってしまって、詰まらせる。
成長途中の稲を倒してしまう。
駆除作業を大々的に行っても、ちぎれた茎が地面に、あるいは水面に落ちてしまうと、そこから再生する。
駆除して山と積み上げたナガエツルノゲイトウが、茶色く枯れたかに見えたのに、2日、3日すると、積み上げた山が青々と復活する。
とにかく驚異的な再生力で、農林水産省も特定外来生物に指定していて「ナガエツルノゲイトウ駆除マニュアル」なんていう情報を発信しています。
オカミの駆除マニュアルっていってもですね、こうすれば簡単に、っていう方法があるわけじゃないんですね。
とにかく引き抜いたナガエツルノゲイトウを、千切れた破片も含めて、土や水のなかに取り残さないようにしましょう、ってぐらいの方法しかないみたいです。
放置していて川に繁茂しちゃうと、小さな船は航行に支障をきたしてしまうっていうぐらいのやっかいもの。
しかしまあ、不思議なものですよねえ。
2020年ごろ、もちろん地域によってはもうちょっと前から「侵略」されつつあった所もあるんでしょうけれど、急激に増えて、一気に問題なる。
地球が植物の星であることは地球に生命が出てきてから間違いのないところだとしても、今なお続くそのプリミティブな生命力には、ただただ驚くばかりです。
ナガエツルノゲイトウも歴史的な植物なのかもしれませんが、ある時、何かをきっかけとして、臨界点を越えて繁茂する。
南米が原産らしいナガエツルノゲイトウ、世界中で問題となっているみたいです。
でもまたこれも、変だなって思うところです。
例えば日本の農業に対して障害となるほどの害を及ぼすナガエツルノゲイトウが、南米のその原産地で、今現在どういう生態になっているのか。
日本の農産業には障害になっているのに、その原産地では問題はないのか。
あるいは、その原産地では農業を諦めてしまっているのか。
まさか止めてしまったってことはないんでしょうから、そこではどういう対処をしたのか。
でなければ、飛行機で、船で、世界中に広まって、その着地した先で、その土地に合わせて生態変化して、原産地より快適な環境になったので急激に侵略活動を強化したのか。
ナガエツルノゲイトウ。漢字表記は「長柄蔓野鶏頭」
ケイトウ「鶏頭」っていう植物は聞いたことがあります。
ニワトリのトサカに似た赤い花を咲かせることから鶏頭っていう名前なんだそうですね。
アジア、アフリカの熱帯地方が原産だそうで、日本には奈良時代に中国を経由して入って来たってされている、ヒユ科の一年生植物。
観賞用として栽培されているってことで、ケイトウは地球侵略をたくらんでいる植物ではなさそうですね。
ノゲイトウ「野鶏頭」
アジア、インドの熱帯地方に自生しているヒユ科の一年草。
草丈は1メートルぐらいにもなって目立つ植物ですが、どうなんでしょうね、栽培されていた鶏頭が自然の中に広がって行ったから、野の鶏頭ってことで野鶏頭!?
じゃないんでしょうけどね。
同じヒユ科ってだけで、草丈も、そもそも花の形状が全然違いますもんね。
でもなんで同じ名前を付けられているんでしょうか。
で、この流れで探っていくと、ツルノゲイトウ「蔓野鶏頭」っていう植物もありそうに思ったんですけど、探せませんでした。
茎が蔓の性質を持った野鶏頭。そんでもって、その蔓の長いのが長柄蔓、ナガエツルノゲイトウ。
かと思ったんですけど、ちょろっと調べた範囲では、全然関係なさそうでした。
ナガエツルノゲイトウは、同じヒユ科に分類されてはいますが、多年草。
1年草であれば地球侵略ってなかなか難しいってことにんるんでしょうけれど、多年草ですと、ホンキで地球侵略、出来ちゃうかもですよね。
物理的に引っこ抜いて駆除するっていう方法が手っ取り早い、とはいうものの、それだと根が残っていたり、千切れた茎が落ちてしまったりして、取り去るスピードより再生する方がはやかったりして、うまくいかないそうなんですよね。
ナガエツルノゲイトウが繁茂している場所を遮光シートで覆って光合成を阻止。
それで枯らすっていう方法をとっている地域もあるそうですけど、その手間と費用は莫大なものになるので、農業被害にさらされている土地では、自治体、国に援助を申し出ているんだそうです。
アメリカの一部地域では、「アザミウマ」っていう、体長1ミリメートルにもならないような小さな昆虫をナガエツルノゲイトウが繁茂している場所に放して、言ってみれば「天敵」によって駆除しているそうです。
茎に穴をあけて、中の要素を吸い取る昆虫。
でもまあ、アザミウマでナガエツルノゲイトウが駆除されたっていう実績があがっているようでもなさそうです。
でも地球侵略に対して、1ミリメートルにも満たない小さな昆虫が闘ってくれているんだとしたら、それはそれでアリガトウですし、ご苦労様ではあります。
こういう天敵方法って、そのアザミウマが増えちゃって、何か別の問題になっていたりしないんでしょうかね。
特定外来植物、ナガエツルノゲイトウ。
バイオマスとかに利用できると、供給力が強くてイイんですけどね。
都市部ではあまり見かけない植物なんでしょうけれど、水辺、農地、田んぼが近くにある環境の人は、案外普通に見かけている、地球侵略者、かもしれないですよ。