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【本初子午線】あれ? 実際にはグリニッジ子午線じゃなくなってるんですね 知ってました?

< 実際にはっていう いつもながらの日本的曖昧さ もう止めにしたらイイんでないかい? >

そもそも「本初子午線」っていう言い方自体、今の日本で、そのままじゃ通じないんじゃないの?


って思うんですけどねえ。どうなんでしょ。
読めない人も少なくないかもですよ。


「ほんしょしごせん」って読むんですが、戦前の日本語っていう印象さえ持ってしまいます。
そうやって読めたからといって、そのままで意味を理解できるかっていいますと、それもなかなか難しいんじゃないでしょうか。


「本初」っていうのは、最初のとか、本になるっていう意味ですけど、今、死語でしょ。

 

 

 


でもって「子午線」ですけど、芝居好きの人であれば1回は聞いたことがあるかもしれない「子午線の祀り」っていう有名な舞台がありますよね。


初演は1979年だそうですから、既に半世紀の実績を持つ「木下順二(1914~2006)」作品。
「夕鶴」と並ぶ代表作ですね。


いろんな所で何回も上演されていますが、2017年には「2世野村萬斎(1966~)」の新演出で上演されて、いくつかの賞を受賞しています。


主人公は、平知盛ですね。碇知盛です。


日の出の勢いの源義経と対峙させて、壇ノ浦で滅びゆく平家一門を、宇宙的視点っていいますか、登場人物たちの地球上での役割というものを浮かび上がらせる、祀り上げるっていうのが主題なんでしょうね。


「子午線」は地球の縦の線、経線のことです。


日付変更線とか、時差。生活の中ではそういうことを意識する時ぐらいしか思い浮かべないかもですけどね。


「子午」っていうのは干支の「ね・うま」のことですね。


アナログ時計の12時。一番上が「子(ね)」
そして一番下の6時が「午(うま)」っていうことなわけです。

 

「子午」っていう字を見て「ね・うま」っていうのが、真っ先に頭に浮かぶ人って、そんなにいないと思いますけどね。


舞台のタイトルとして「子午線」っていえば、なんとなく地球の歴史を背負っている感を演出できるようなところもあるのかもしれませんが、芝居でもないのに経線のことを「本初子午線」って表現しているのって、どうもね、時代錯誤なんじゃないかって気がしますです。


経線の中の「本初」ってことですから「本初子午線」は「経度0度0分0秒」のことなんですよね。


って聞くと、昭和の頃に義務教育を終えていた世代は、だいたい、こう言うと思います。


「ああ、あれでしょ。イギリスのグリニッジ天文台の」


ですよね。そう教わりましたですよね。
でもですね、1980年ごろからの世界標準はグリニッジ子午線じゃなくって、「IERS基準子午線」


ええ~!? ってなりますよね。聞いたことないですよ「IERS基準子午線」なんて。


要するに、宇宙からの地球観測ができるようになって、GPSだとかの精度も上がって、地上観点からのグリニッジ子午線を修正したのが「IERS基準子午線」ってことみたいです。


「国際地球回転・基準系事業( International Earth Rotation and Reference Systems Service)」っていう団体があって、そこが維持管理しているのが、世界標準の「IERS基準子午線」「国際基準子午線(International Reference Meridian)」なんですね。


グリニッジ子午線より東に102メートルほどズレているんだそうです。


世界的には「IRM」って言うのかもですね。


「Meridian」っていう単語をいまだに「子午線」って訳しているみたいですけど、「0経度線」とか、十二支から離れた訳にした方が、みんな理解しやすいと思いますけどね。


なんでいつまでも「子午線」っていう言い方にこだわっているのかっていうことを探ってみますとですね、法令で定められているからみたいです。


法令って言ってもですね、明治19年の勅令なんですよ。


勅令っていったら、天皇が直接発する命令ですからね、おいそれとは変更できないっていう空気感が永田町を中心にして、あるんでしょうね。


勅令は、


「明治十九年勅令第五十一号 英国グリニッチ天文台子午儀ノ中心ヲ経過スル子午線ヲ以テ経度ノ本初子午線トス」
「明治二十一年一月一日ヨリ東経百三十五度ノ子午線ノ時ヲ以テ本邦一般ノ標準時ト定ム」


っていう文言です。


この勅令は今でも効力を持続しているらしいんですね。


どういう経緯で、明治天皇が「本初子午線」を定めることになったのか分かりませんが、「本初子午線」っていう文言だけじゃなくって、もしかすると「グリニッチ天文台」に結びついた、当時の世界標準にも拘泥している可能性もありますね。


令和天皇に相談して、今の時代にあった文言に変更していただけばイイんじゃないでしょうかね。


21世紀の人ですからね、令和天皇は。祖先を敬う気持ちには強いものがあると思いますけれども、ちゃんと現代人としての判断はなさるんじゃないでしょうか。


明治19年1886年の勅令に縛られているんだとしたら、思考停止も甚だしいってところでしょう。
100年以上前ですよ。

 

 

 


勅令で言及されている「東経135度」っていう地球上の位置は、時間的に「IERS基準子午線」より9時間前っていうことになります。


地球の円周360度は24時間で1周しますんで、360 ÷ 24 = 15度で1時間。
「IERS基準子午線」から135度の開きがあるってことになりますね。


ま、102メートルっていうズレはあるものの、「グリニッジ子午線」からもほぼ同様なんだし、明治天皇の勅令に従ったままでも、実質的な悪影響はないでしょ、っていうことなのかもしれませんけれど、21世紀の宇宙時代に、19世紀の単位をそのまま適用しているジャンルなんて、他にないんじゃないでしょうか。


そんなんじゃ「はやぶさ2」はコントロール出来ませんよね。


このあたりにもデジタル文化に全然ついて行ってない、科学の現実からは遠く離れてしまっている日本っていう姿の原因が潜んでいるのかもしれません。


ま、「IERS基準子午線」に合わせてちょっとズラしますよ、っていうことになると、反対意見も出てくるのかもしれませんけどね。


東経135度の位置にあるっていうことで、日本の標準時は、兵庫県明石市に定められているんですよね。


赤道で計測すれば経度の1度は111キロメートル余り。
北半球の日本の明石市とイギリスのグリニッジのすぐ脇の場所を比べれば、それより短くなるとはいうものの、日本標準時を変更しなきゃならないほどの差はないでしょ。
だいたいでイイんだよ、経度なんて。
っていうことなんでしょうかね。


日本は小さい国なんだから、明石市の時間に47都道府県が合わせていれば、問題ナシ。
時差なんてない国なんだから、それでイイの。


っていうご意見もございましょうが、世の中の精度っていうのは段違いに上がっているですよ。


実はですね、日本の標準時っていうのは、明石市で決められているんじゃないんでした。


2004年に独立行政法人通信総合研究所と通信・放送機構を統合して設立された「国立研究開発法人情報通信研究機構NICT)」っていうのがありまして、「 National Institute of Information and Communications Technology」っていうらしいんですけど、ここが日本標準時を発信しているんであります。


東京都小金井市に本部を置いて、全国8か所に研究拠点、2か所に標準電波送信所を持っている、総務省所管の国立研究開発法人です。


標準時に関しての、この、実は、っていうことはプラス方向の、実は、ってことでしょかねえ。

 

 

 


ネットワーク社会ですからね、世界的に時間っていうのは、少なくともコンピュータ、サーバレベルでピッタシ一致していないと、いろいろ不都合が起きちゃいますからね。
株取引なんて、今や人がやっているのかコンピュータがやっているのか判らないなんて揶揄されるような世界です。


早い者勝ちの競争世界で、コンピュータの時間がばらばらだったら、取り引きがまともに成立するわけないですもんね。


18台の原子時計を使って、「IERS基準子午線」を基にした「協定世界時」からピッタシ9時間、先を進んでいる時刻を「日本標準時」として発信し続けているんですね。


NICTに、子午線の話をすると、そこは今のままでそっとしておいてねえ、ってことなのかもです。知らんけど。


子午線っていう言葉は、もう祀ってあげてよろしいんじゃないでしょうか。

 

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