< ここ数十年 新社会人になった時点で既にポンコツっていう人 増えて来ているのかもですねえ >
2023年5月、とあるtweetが話題になりました。
<「無断欠勤しない」と「遅刻しない」は希少スキルなのでそこを求める時点で最賃の倍以上は払えよという気持ちがある。>
っていう内容でしたね。
「最賃」っていうのは、最低賃金のことかと思われます。
まあね、これはtweetであって、会社に直接要求しているっていうことじゃないんで、軽い気持ち、酒を呑みながらの愚痴、みたいなもんなんでしょうけど、このtweetに3万近い「いいね」が寄せられたっていうことが話題になったんでした。
つぶやき、tweetの内容そのものが、鼻で笑って済ませられるようなものだったとしても、それに対してのリアクションが大きかったこと。「いいね」をする人が、tweetした人と同様に軽いノリであったとしても、こういう意識は問題なんじゃないか、ってことなんでしょうね。
仕事って、大好きで邁進できているシアワセな人もいますけど、仕事ヤだなあっていう人も少なくないのが世の中ですよね。
仕事はまあまあ好きだと思うし、会社へ行けばそれなりに頑張るんだけど、通勤が、どうにもイヤっていう人も多いんじゃないでしょうか。
都市部では会社、事務所が飽和状態で、痛勤電車を避けて車でってなっても、やっぱり朝から渋滞です。理不尽を感じるほどギュウギュウに押されることはないにしても、全く動かない道路事情っていうのは苦痛ですよね。
電車でも車でも、通勤の苦痛っていうのは変わりません。
自転車通勤っていうのも、しばらく前から増えて来てはいますけど、会社は認めていないっていうのが多いらしいんですよね。
そりゃそうだろうとは思います。
朝の通勤で渋滞している都市部の道路は、みんなが焦ってますからね、バイク、スクーターと並んで車の脇をすり抜けて、自転車で走るのは危険って見做されるでしょうね。
会社の総務部って、そういう仕事だったりするわけですからね、認められなくたって無理もないです。
そういう危険な渋滞を潜り抜けるか、不快なギュウギュウ電車を我慢して、遅刻せずに会社に出勤しているのは「希少スキル」だっていうことをね、言ってみたくなるのはとってもよく分かる気もします。
「無断欠勤」についてはどうでしょう。
これは、やっちゃイカンでしょねえ。
ウソでも「腹が痛くって」とか、「宇宙人にさらわれている最中なんで、脱出するまで」とか、ちゃんと連絡を入れてから休むのが社会人としての常識じゃないでしょうかね。
マナーじゃなくって常識。
常識的な行動は「スキル」じゃないでしょねえ。
遅刻をしないっていうのも、やっぱり「スキル」っていうのとは違うでしょ。
スキルっていう言葉を、単に能力って訳している文書も見受けますけれども、誰にでも出来ちゃうことをやれますよっていう能力をスキルとは言いませんよね。
どういう経験をして、どういう学習をして、そのうえで獲得した技術力を伴った能力がスキルなんじゃないでしょうか。
こういうことを言うと、いや、tweetで言っているスキルっていうのは、ヒューマンスキルのことでしょ、っていう意見が出てきそうです。
人間関係を良好に、円滑に保っていける能力っていうような意味で使われているのがヒューマンスキル。
そういう意味でいえば、「無断欠勤しない」「遅刻しない」っていうことは、ヒューマンスキルだっていうことも可能なように思えます。
職場の仲間に対して迷惑をかけないっていう意味で、人間関係をギクシャクさせませんもんね。
ただ、一般的に考えれば、ヒューマンスキルっていうのは、マネジメント能力の比重がかなり高いものになると思います。
対人関係として、相手に、いかにスムースに仕事をしてもらえるように内容を伝えるか、モチベーションを高く保ってもらえるようにコミュニケーションするか。
ヒューマンスキルっていうのはかなり優れた能力で、ヒューマンスキルが高い人なんて、社会の中にそんなにたくさんいる存在じゃないですよね。
ってことでですね、「無断欠勤しない」「遅刻しない」っていうだけだと、ヒューマンスキルっていう範疇に入らないと思います。
話題になった「希少スキル」tweetをした人は、自分は無断欠勤とかしないし、遅刻もしないのに、ヘーキで遅刻してくるヤツと待遇が同じっていうのは、オッカシイでしょ! っていう気持ちがあるんでしょうね。
上からはヤイヤイ言われるしねえ。
そうした怒りの感情が「最賃の倍以上」っていう言葉になって表れたんだと思いますけど、言ってしまえばそれって、ヒューマンスキルが低いってことなんじゃないでしょうか。
スキルっていう言葉の使い方もおかしいですし、なんで給料っていう言い方じゃなくって最低賃金っていう言葉を持ち出してきているのか、ちょっとね、理解できない部分が大きいです。
この「希少スキル」tweetと、そのリアクションに対する見解として「世代間格差」みたいな意見が出されていますけれど、これもまたどうなんでしょうね。
格差っていう対象が、いわゆる「Z世代」って言われる年代だとして、個人的には、むしろ優秀な男女がいる世代だって認識しているんですけどね。
それにこの「希少スキル」tweetがZ世代からの発信だって決まっているかどうかも分かりませんしね。
そもそも、世代間格差だっていう結論には、何かを解決しようとする意識がカラッキシ無いように感じます。
ポンコツな大人っていうのは、どの世代にもいますよね。
日本企業の凋落ぶりは、モラトリアム段階の男女にも感じられているでしょうし、会社に対しての帰属意識を持つのが当たり前っていうのは、とっくに崩れている概念だと思います。
資本主義社会の行き詰まりだとか言われ出して、もうかなりの時間が経過していますよね。
世界も、日本も変わってきているわけでしょうから、新たな概念を、どの世代の男女も取得していかないといけない世の中になっているんじゃないでしょうか。
それを若い世代だけの現象として理解しようとするのは、ヒューマンスキル、低いでしょねえ。
SNSっていう、これまでに存在していなかったコミュニケーションツールが出てきて、自分のスキルアップとして使えている人もいますけど、そうじゃない人の方が多いのが現状ですよね。
海外の事情は知りませんけど、少なくとも日本は。
SNSはその使い方、使われ方として、今は過渡期なんだと思うんですよね。
今回の「希少スキル」tweetは、ドナルドさんと同様のポンコツtweetに感じられます。
ただ、そういうポンコツtweetをさせてしまうのは、その所属している会社の、直接の上司であるとかが、やっぱりポンコツだからじゃないですかね。
遅刻するな! 無断欠勤するな! って感情に任せてキビシイ言葉を投げつけているだけで、働く環境を魅力的にするような努力ってことに労力をかけようとしていない。
無断欠勤や遅刻に対する罰則を、周りの人間に対して明示出来ていない。
周りに迷惑をかけるな、としか言わないとしたら、やっぱりね、ヒューマンスキル、低いでしょねえ。
遅刻ばっかりして来る人を育て上げるっていう意識もあるんでしょうけれど、そういう人がいることは周りの人間も認識しているんで、「希少スキル」tweetをする人みたいに、自分は損をしているって感じちゃう人が出てくることも意識した対処が出来ていないっていうことになっちゃいますもんね。
おそらく、中間管理職。
ただね、Z世代って、優秀な人はかなりレベルが高いんですけど、アンポンタン、ポンコツが目立つのも事実ではあります。
有名大学の4年間で、すっかり脳みそをカラにしちゃったんですか、っていうような社会認識しか出来ていない男女がいることも事実なんですよね。
たくさん経験しておりまして、かなり根深い問題なのかもなあって思うこともあります。
受験技術はあっても、記憶系の評価でしかなくって、自分で考えることをして来ていないポンコツが一定数いるのは事実だと思います。
なんでそういうポンコツが目立つかって言うと、それがSNSの、現段階での正体なのかもしれません。
「希少スキル」tweetみたいに、アンポンタンなつぶやきに、ポンコツリアクションが集まるっていうことで、ニュースにも取り上げられますし、それを知った上の世代のポンコツが、世代をまとめて批判するっていう、ポンコツ合戦!
個人の問題、ではあるんですけどね、教育機関の責任ってかなり大きいんじゃないでしょうか。
教職員、個々人の負担がオーバーフローしているって、そんな国、ダメでしょねえ。
なんとか、その辺にメスを入れて欲しい気がします。
若いときはね、朝は眠いんです。体力はあるけれど痛勤電車はやっぱりイヤなんです。
蒲団から離れるのがグズグズ遅くなって、思わず知らず遅刻しちゃうんです。
でもですね、職場に魅力があれば、帰属意識とは別に、トンデモな理由を考えて言い訳して、遅刻の罰則を受け入れながら出社してきますよ。
「空飛ぶ円盤から、やっと脱出してきました!」とかね。
そして、やがて、遅刻しなようになります。なりますって。職場に魅力があればね。
偶然なのかもしれませんが、知っている沖縄出身の若い子たち6人、それぞればらばらの職場で知り合っていますけど、誰も遅刻なんてしませんでしたよ。
ウチナー時間とかじゃないです。
郷に入っては、ってやつがちゃんと出来るってことですね。
そうじゃない人たち。どうしても遅刻しちゃう人たち。
遅刻をしないっていのはスキルじゃないですけど、遅刻のトンデモ言い訳を考えるのは、充分にスキルになり得るんじゃないでしょうか。
それもまた大事だと思います。