ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

酒呑みの食いしん坊、メタボはイヤだけどガマンは嫌い。

【酒に別腸あり】という先人のあーだこーだに どーのこーのとクダをまく

<文字落語 甘いものは別腹、ンまい酒は別腸 の一席>

自粛生活の中、お酒をちゃんと楽しんでますか。家呑みがスタンダードになっているかと思いますが、楽しみを忘れないように工夫しながら生活していきたいと思うきょうこの頃。

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酒についての噺なんでございますが、


どこの誰とは申しませんが、見た目といいますか体系といいますかね、奥さんの方はマルに近づきつつあって、ふくよかでございますね。


旦那の方はっていいますと、棒に近づいております。とにかくひょろっと細い。最近ますます縦棒みたいになってきている。まあ、元気なようですけれどもね。


そんな夫婦の噺なんです。マルちゃんと棒さんですね。

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仲はイイんです。仲良く暮らしております。
一緒になって、もうずいぶんになりまして、二人とも40代になっておりますけれども、共働きってやつなんですね。


まあ、どこにでも居られます。こうしたカップル。当たり前にケンカもしますが、一緒に泣いたり笑ったり、息が合っているというんでしょうね。


夫婦そろって食べるの大好き、呑むの大好き。
都合さえつけばあちこちのダイニングバーなんてトコで呑み食いするのが二人の楽しみなんでございましてね、このあたりが夫婦仲良くのヒケツ、なんてことも申しますが。


ンまいの不味いの、わあわあパアパア言ってはおりますけれども、食べ放題、飲み放題の店を探すことに命をかけている、ってぐらいにね、他人の噂も含めまして情報収集に怠りない。大変なもんです。


あっちの街、こっちの村へ足を運びましてね、結果、どうにか見つけたお気に入りのお店が、酒のメニューに強い「ダイニングバーうきうき」とスイーツメニューに強い「リストランテバールにこにこ」という2軒のお店でありまして、近頃はどっちかに二人そろって出かけていく姿がよくみかけられます。


なんですかね、どうも最近はダイニングだとか、バールだなんぞと言いますね。小料理屋さんとか、赤ちょうちんとか、どっか行っちゃいました、ってわけじゃないんですがね。

世の中の移り変わりは十年一日なんてえことを申してね。日本も変わりましたが、落語は変りませんね。落語的な生活ってものはね、今の日本人にも受け継がれているようなんでありまして。


マルちゃんと棒さんの噺であります。はい。


マルちゃんはとにかく甘いものが好き。
スイーツ、デザート、食べ放題がサイコー、というタイプ。
スイーツとデザートってのは、どう違うんだか、ってのは置いときまして。


棒さんの方はそんな食べものっていうより、酒のアテとしてンまいものがあればそれでオッケー、呑み放題があればバンバンザイ。

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こんなタイプの二人だもんですから、この2軒に落ちくまでにイロイロとね、ございましたんですが、それはまた別の機会といたしまして、今夜、二人がやってまいりましたのは「ダイニングバーうきうき」の方です。


ここのマスターがパティシエとかいう人なんだそうでして、ときどきやっているのがミニスイーツ食べ放題。メーリングリストで回ってきた情報で知りまして、いち早く、開店早々に二人で駆け付けた次第でございますよ。


マルちゃんはもう、パスタなんかをササっとあっという間に平らげまして、今はカルピスサワーを呑みながら特性ショートケーキだとかプチモンブランだとかをずらりと並べて、少しずつ、ニコニコとフォークで突いております。


棒さんの方はと申しますと、目の前のチーズ盛り合わせを眺めながらチビチビやっておりますね。あんまり食べません。
目の前でマルちゃんがパクパクいくのを見ておりますと、なんだか自分の腹も膨れてくるような気がしてきてしまう、という、そういうタイプなんでございます。


「ダイニングバーうきうき」はビールもありますが蒸溜酒がウリの店でございましてね、特にウイスキー、焼酎に力を入れているんです。
呑み放題メニューが魅力なんですが、棒さんは呑み放題メニューにはない、別のウイスキーをロックで、香りを楽しみながら満足気にやっております。


「あんたさあ、なに呑んでんの。さっきからちっとも進んでないじゃないの、チーズ」


なにせマルちゃんは、もう一皿やっつけちゃってますからね、パスタ。ちっとも進まない棒さんのペースにイラっと来ているんですね。いつものことではあります。


「うるさいなあ。スコッチってのは、こうしてゆっくりやるもんなんだよ」
「やっぱり違うの?」
「あったりまえよ。呑み放題の酒とは違うんだよ、こりゃア」
「なんてやつ?」
ボウモア。こないだ来た時は切れてたヤツなんだよ」
「みんなから棒だ棒だって言われてるあんたに合ってそうな名前だね」
「なにが」
「だってボーなんとかって」
ボウモアボウモア。棒っ切れじゃねえや」
「なんだってイイのよウイスキーの名前なんて。さっさとチーズ食べないと、あたし平らげちゃうわよ」
「ブアカヤロウ! これはな、日本の楠の木チップで燻製した特別なやつなんだぞ。お前みたいにペロッとやられちまったらもったいねえんだよ」
「なあにリキんでんだか。どうせ判りゃしないくせに」
「なんだとオ」


だいたいいつもこんな会話をしながら数時間ねばるんですからね、よく飽きもせず続くもんだと思いますが。ヤイヤイ言うだけでもって、ケンカにはならないようなんですね。


「あんたの呑み方見てると、よくまあそんなに入るもんだと感心するね。呑み放題にチェンジしてからだけど」
「まあな。こうやって香りの判るうち、味わいを楽しんでるうちはゆっくり。酔いが回ってくれば、あとはデロデロになるまでまっしぐらってことだ」
「その細っこい身体のどこに入っていくんだろうね」
「そりゃお前の別腹ってやつとは違うんだけど、ま、別の腸ってヤツだよ」
「腸に別ってのがあんの?」

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マルちゃんが言うのも無理はありませんね。別腹っていうのはよく耳にしますが、別腸なんてのは聞いたことがない。


ところがこれはですね、棒さんの口から出まかせってやつじゃあございませんで、中国の故事ってもんがちゃんとあるんでございます。
昔の中国ってのは、なかなか大したもんなんでございましてね。


十世紀といいますから、今から千年以上も前ですね。


ある国の王様の開いた酒宴で、ある小柄な臣下がぐいぐい大杯を空けている。そのくせちっとも酔った様子を見せない。こんな風な人、居ますね。昔から居るってことですね。
いくら呑んでも酔った様子を見せない。


感心するといいますか、驚いた王様がその小柄な臣下に訊ねますと、そのちっちゃな男、礼儀を正して答えたそうです。


「はい、酒に別腸ありと申します」


これが有名になりまして伝わっているんです。


棒さんがどこでこの話を仕入れたのか分かりませんが、昔の中国の人ってのはエライもんですね。酒が腸で吸収されるってのをちゃんと知ってた。千年以上前からね。

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今は、21世紀の今ではですね、酒ってのは身体の中に入りますと、胃と腸で吸収されるってのが分かっていますね、今は。


なにせコロナワクチンだって、アッという間に開発しちゃう、医学の発達した世の中ですからね。早いトコ信頼できるワクチンが供給されるといいですけどね。


酒の話でした。


でもって、アルコールってのは身体の中に入ってから1時間から2時間ぐらいですっかり吸収されちゃうらしいんですね。


もったいないから、もうちょっとゆっくり吸収してくれ、なんて言ったってダメです。
人間の身体ってもんがそうなってる。嫌がったってしょうがない。吸収されちゃう。


胃で2割ぐらい、あとの8割は腸で吸収する。んでもって腸での吸収の方が速いんだそうですよ。取り入れちゃうスピードね。


腹の中が空っぽな状態で酒を呑むと、胃で吸収される分が少なくなっちゃうそうですよ。いきなりほとんどの量が腸にいっちゃって、ササっと吸収される。腸でね。
そうしますと血中のアルコール濃度が急激にあがって、悪酔いしちゃう。ってこういう仕組み。


はは~ん、なるほどってな感じですよね。


なもんで、大酒呑みの棒さんなんかは、ちゃんと別の腸を用意してるってわけなんでしょうね。
すぐにアルコールを吸収しちゃう普通の腸とは違う、酒用の腸。
棒さんがどこまで分かっているのかは追及の仕様がありませんが、これは厚生労働省さんの言っていることですから、間違いはございませんよ、だいたいのところはですね。


「なんだって酒の話に厚生労働省なんてオッカナイのが出てくんのさ」
「あん? 厚生労働省だア? 誰もそんなこと言っちゃいねえよ。ちっとも呑んでねえおまえのほうが酔っぱらっちまったんじゃねえのか。ケーキ食って酔っぱらってりゃ世話ねえや。別腹ってのもたいしたことねえってことだな」
「あんたにあたしの別腹の何が分かるって?」
「全部分かってるさ。まずおまえの胃袋がパスタでいっぱいになって、別の胃袋がケーキで酔っぱらってるってことだよ。オレの腸の話とは比較になんねえな」
「なに言ってんだか。まだ呑みが足らないんだね。胃袋だ腸だ厚生労働省だって、いくら偉そうに言ったって、しょせんあたしにゃお見通しなんだけどね」
「なにがお見通しだって?」
「胃袋も腸も、しょせんあたしの腹の中ってことじゃないのさ」

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棒さんの腸もマルちゃんの腹の中ってことになってしまったようですが、相性の良さってのは、そういうことなのかもしれませんですね。
世の中には別の腸が何本もあるツワモノも居るようですね、ウワバミってやつですね。


口じゃなくって腸で味わうなんてエバッテる人も居たりなんかして、そんなバケモノみたいな酒呑みでも、しょせんは女房の腹の中に納まっているのがよろしいというお話でございました。


ああ、この二人、仲ア良いんですよ。ホントに。


おあとがよろしいようで。

 

<マルちゃん棒さんシリーズ>

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