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【空き家問題】限界マンション 限界団地 限界集落 日本に今ある危機

< 空き家が増えているのに 畑や田んぼをつぶして住宅やマンションを建てるアンマッチな日本 >

もうずいぶん遠い事件のように感じてしまう、山口県阿武町の「誤送金使い込み事件」
2022年4月に起きた、なんともお騒がせな事件でしたね。


そりゃあね、突然4630万円も振り込まれたらパニック状態にもなろうってもんですが、それにしても悪魔のささやきにそそのかされて、実行に移してしまうっていうのは、同情する余地がないですよね。


阿武町としては、夏ごろまでにほぼ全額回収できたっていうことですんで、一応の解決ってことで話題にのぼらなくなって時間が経っています。


ネットカジノっていう存在と、日本の法整備とのギャップだとか、決済会社の日本国内合法性疑問だとかのニュースもメディアからすっかり消えてしまっていますね。


にしてもですね、短い時間の中で4630万円を使い切ってしまったっていうのはホントなのか。
だとしたら、勝っている可能性の方が高いんじゃないのか。
もし全負けして、4630万円がほぼゼロになっていたんだとしたら、決済会社はなんで全額払い戻ししたのか。


だとかね、いろいろ疑問の大きかった事件でしたけど、ホントのところは、いろいろな方面でウヤムヤに終わってしまっています。
ま、素人が外野からわいわい言ってもどうしようもありませんけれどね。

 

 

 


ただ、この「誤送金使い込み事件」で、記憶に残っている町民の声っていうのがあるんですよ。


「この町には、そんな悪いことをする人間はいない。よそ者の仕業に決まっとる」


いやいや、よそ者ってね、住民に対する給付金の誤送金問題なんだから、阿武町の人でしょ。よそ者じゃないでしょ。
ってね、最初は受け止めていました。


自分の町に、町の住人に誇りを持っている気持ちは理解できますが、給付金は町の住人に対して支払われるわけですから、よそ者が絡んで来る話じゃないでしょっていう思いですね。
ところが、だんだんに事件の輪郭があっちこち、報道されるようになってきて、いろんな情報が出てくるようになって、はは~ん、って思わされました。


よそ者っていうのは、よそから阿武町に移ってきた人、っていう意味だったんですね。


「誤送金使い込み事件」の犯人は、こういった意味で、よそ者だったんですね。
空き家バンク制度を利用して、町の人口を維持しようっていう阿武町に、よそから引っ越してきたわけです。


そういうよそ者が阿武町に何人いるのか分かりませんが、昔からの住人のあてずっぽうな意見が、この事件の場合はドンピシャ、当たってしまったってことですね。
まあね、よその土地から引っ越してきて、すぐに町に馴染める人もいるでしょうし、そう出来ない人もいるんでしょう。


この「誤送金使い込み事件」で、阿武町側の問題として取り上げられた1つが、町役場の人員不足でした。


高齢化っていう問題の結果なのか、阿武町の人口は減り続けていて、税収も落ちてきているんで、役場の人員も減らさざるを得ない。
少しでも町の人口を増やす手段としての空き家バンク。


今回の事件がダイレクトに空き家バンク制度に悪影響をきたすことはないと思いますけど、空き家バンク制度って、日本全国、どこでも利用しているんですよね。

 

 

 


空き家のことって、これまで全然関心を払ってきていませんでしたが、けっこう深い問題なのかもしれません。


2007年、北海道夕張市財政破綻したっていうショッキングなニュースを記憶しておられる方も少なくないと思います。
会計情報の隠蔽だとか、その原因についていろいろ様々言われていますけれど、夕張市財政破綻は、なんといっても住民の減少なんだそうです。


住んでいる人が少なくなってしまった。
つまり市民税とか、市に入って来るお金が少なくなってしまったことが原因。
まあ、これはなるほどって頷けますよね。


税収が少なくなってきていても、これまでと同じような市政にこだわるっていうことは、日本人のみならず、人間のサガみたいなもんじゃないでしょうか。
長期の計画だとかもあったのかもしれませんし、収入が入って来ないんで、財政破綻


2007年当時、夕張市の空き家率は33%だったそうです。
市内の家の3軒に1軒が空き家っていう状態は、かなりね、普通じゃないでしょ。


ところが2018年の夕張市の空き家率は40%で、全国市町村のトップになっちゃってますね。
2022年時点ではどうなっていますでしょうか。データが見つかりませんでした。


炭鉱の町として栄えた夕張市なんです。夕張メロン、観光業にも力を入れて「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」なんかも開催していますけれど、今の市財政はどうなっているんでしょう。


コロナ明けの環境変化は日本全国的なものとなって表れてくるでしょうから、夕張市に人が戻って来るとイイですけどね。


日本が人口減少に転じているニュースは知っていましたが、今回、空き家問題っていうのを調べてみてビックリしたのは、阿武町に限らず、夕張市に限らず、日本全国、どこでも空き家問題が深刻だっていうことなんです。


2021年、国土交通省「空家等対策特別措置法について」によりますと、日本全国の空き家総数は、ここ20年で1.5倍になっているんだそうです。

 

2021年時点で、日本全国の空き家総数は849万戸。
実になんとも驚くべき数字です。


いろんな理由で空き家、空き部屋になってしまっている住宅には、自治体の判断によるいくつか分類方法があって、その中で、「特定空き家」っていう、空き家の中の困ったちゃんっていうのがあります。


建物の老朽化で倒壊する危険性があったり、犯罪の拠点になってしまったりするような空き家のことですが、庭が荒れてしまって不法投棄を呼び込んで、景観だけじゃなくって衛生面の問題によって近隣への悪影響を与えている空き家のことなんですね。


問題が極端な場合には自治体が独自に処分できるようになっているんだそうですが、ブロークン・ウィンドウズ・セオリーってやつで、庭の雑草がボウボウになっただけで、悪い要因が寄って来ちゃうってうのは、ホント、困ったもんですね。
住む人が居なくなって、使わないから放っておいてイイヤ、じゃダメなんですね。


実はそういう懸念を持たれる空き家の存在が多いのは、地方じゃなくって大都市圏なんだそうです。


空き家件数が多いのは東京都、大阪府、神奈川県がずっと連年上位を占めていますね。
これはまあ、そもそもの住宅件数、母数が多いんで当たり前ではあるんでしょう。


空き家率で見てみますと、2015年のデータですが、東京都は11.1%で43位にランキングされています。
大阪府は14.8%で19位、神奈川県が11.19%で42位です。


率で見てみますと、そんなに悪くないですね。っていうかむしろ低いほうです。


ちなみにこのデータでの空き家率全国1位は山梨県で22.01%、2位は長野県で19.75%、3位は和歌山県で18.07%となっています。


ただ、一番空き家率が低い47位の宮城県の数値が9.37%ですから、県別の数値を見ても、もっとも良くて全住宅の1割程度が空き家だってことになります。


街なかを散歩していても空き家かどうかを見極めるのは難しいっていいますか、あんまりそういう視点で住宅を見ていませんからね、こういう数字を見ると驚いてしまいます。
1割、10%って数字はけっして低くないですよね。


さらに驚くことにはですね、東京で空き家件数が増え続けているのが、なんと世田谷区だっていう事実です。


日本で一番、空き家件数の多い自治体が世田谷区なんです。5万件弱を数えていますよ。


23区で2番目の広さの世田谷区ですし、住宅地ですから住宅件数も多い区なんですけど、高級住宅街として人気の地域であることはマチガイナイです。
成城、等々力、二子玉川っていうリッチなイメージの人気の街を抱えている世田谷区です。


そんな世田谷区に空き家が多いのは、夫婦共働き世帯が圧倒的に多くなって、主要駅から遠い住宅は人気がなくなったっていう、ごく単純な理由からみたいなんですよね。


旦那が1人で勤めに出るんであれば、駅から多少遠くてもイイんだけど、共働きで子どもを幼稚園に送り迎えしてっていう生活になると、駅近の物件のみに集中してしまう現在の日本的ライフスタイル。


駅から少し離れた物件、マンションは空きアキになってきたっていう状態なんだそうです。


空いている部屋の多いマンションや団地は、そのままで限界マンション、限界団地っていうことになってしまって、維持管理がままならない。


人気住宅街のはずの世田谷区なんですが、エリアにっては限界集落的な兆候を見せてもいるらしいです。


なんだかなあって思いますけど、それが日本の現状なんですね。
全然知りませんでしたけれど、驚きの事実です。

 

 

それなのにソレナノニ、不動産業界は新規マンション、新規住宅の建築をどんどん進めていますよね。


まあ、政治が介入するようなことじゃあないのかもですけど、住宅に空きが出て来ている傾向が続いているのに、新しい物件も増え続けている。
なんかオカシイなあって思う、21世紀の日本です。


もうホントに、そろそろコロナも第7波で終息して欲しいところですが、アフターコロナの日本の生活に起きる変化として、リモートワークばかりじゃなくって、物価の高騰もあるので、一般家庭必要経費の削減っていう必要から、住宅環境に求めるものも大きく違って来る可能性があるようにも思えます。


首都圏からの地方移住っていうのも増えて来ていて、東京の人口減少は進行しているみたいですしね。


東京の中でも世田谷区独自の問題で空き家が増えているわけじゃなくって、住人の生活意識の変化が根っこにあるってことは23区どこでも空き家問題が、すぐそこにある危機ってことになりそうです。
もちろん、首都圏だけの問題じゃないことも自明ですけれどね。

 

 

 


それにしても、なんですねえ、政治が主導して解決していかなければいけない問題って、メディアに大きく取り上げられていないことも、実はたくさんありそうですよね。


今、日本が解決していかなければいけない問題の数々に、その順位付けをするべく、問題個々の粒度をどこか、誰か、メディアが明らかに分析して報道してもらいたいです。


空き家問題。物件の買い取りにインバウンドとかがドドーンって来ちゃうのは、どうなのかなって気にかかります。


京都市の財政もアブナイってことですしねえ。


スッキリしない2022年の日本です。

 

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