ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【沢煮腕(さわにわん)】 ってどんなんだか知ってる人 手をあげてえ!

< 2013年に「和食」がユネスコ無形文化財に登録されたんですけど 日本人って「和食」食べてる? >

ここ20年ぐらいでしょうかね、街で見かけるオバサマたちのオグシが白くなってきてませんでしょうか。
つまり髪を染めてない。


シラガじゃなくってハクハツ、銀髪っていうんでしょうかね。
キレイに真っ白になっている人もいますけれど、半分ぐらい黒い御髪の交じっているオバサマもおられます。


なんかね、潔いっていうのか、自然な感じがして好感持てます。
そういうオバサマはね、背中がシャンとしてますよ。


で、知り合いにそういうオットコマエな86歳のオバサマがいらっしゃるですよ。


キレイな銀髪のショートカットの酒呑みです。
化粧ッ気のない、キリッとした顔立ち。


チョコチョコ行っている居酒屋さんなんですけどね。たまあに1人で杖をつきながらやってこられます。
その店のオオアネゴですね。


カツさんって呼ばれているんですけど、カツっていうのが名字なのか名前なのか、その居酒屋さんで顔を合わせるオヤジたちは誰も知らないんです。店のマスターも知らない。


なんかね、そういうことをチクチク聞くのって、あんまりやりませんよね。酒の席とはいえ。


特に相手が86歳とかになっちゃうと、こちらから何か質問をするっていう関係じゃなくって、ただカツさんのお言葉をありがたく聞いているだけ、ってな感じになっています。


ハキハキと大音声のカツさんです。


まずはグラスビールで調子を付けて、日本酒を冷で1合。ゆっくりやってますね。いつも同じです。

 

 

 


そのカツさんとカウンターで隣り合わせて、少し話をしました。


「テレビで言ってたけどね、ゴールデンウィークで外国へ出て行く日本人の数より、日本に入って来る外人さんの方が多いらしいね。外人さんはゴールデンウィーク関係ないのに、どうなってんの?」


はあ、どうなってんでしょねえ。


「あたしは昔っから思ってんだけどね、外人さん、日本へやって来て買い物してお金を使ってくれるのは、有り難がる日本人もいるだろうけど、あの人たち、いっぱい食べるだろ」


はあ、身体の大きな人も多いですねえ。


「日本の食べものが減っちゃうよ。日本人が食べる分が少なくなっちゃうんじゃないの? そんなことにはなってないの? 日本のお米を守らないといけないんじゃない? あたしんちはね米農家だったからね、心配しちゃうんだよ」


ん~。日本の米、危機ですかね? インバウンド観光客が食べちゃうから?


「テレビはね、今ごろになってオーバーツーリズムとか言ってるけど、ずいぶん前からあたしは不満だったんだよ。日本の食べものはまず日本人に食べさせて欲しいね」


オーバーツーリズムって食の方にも影響、出てる? ですか?


ん~。どこかズレちゃってるようなご意見のようにも思いますけれど、オーバーツーリズムっていうのは、すぐになんとかしないといけない問題にはなってますよね。

 

 

 


旅の恥はかき捨て、なんてね、21世紀の今どき、そんな言葉を知っている日本人も少なくなっているのかもですけど、外人さんね、海外の人たちも、自分の国ではやらないような迷惑行為をヘーキでやっちゃってる、でしょねえ。


さまざまあるオーバーツーリズムの問題の中で、カツさんは食べもののことを気にしているようなんですけど、たしかにね、日本に来るのは食事を楽しむのが目的っていうインバウンド観光客は多いらしいですね。


日本へやってくる目的のトップは「和食を楽しむこと」で、なんと80%ほどの人が食べることを目的にやってきているんですね。


足りなくなっているってハナシは聞きませんが、カツさんの心配もむべなるかなってところでしょうか。


続く2位が「買い物を楽しむこと」なんだそうですけど、その買い物のうちのトップが「お菓子」


お菓子って輸出してないのが多いんでしょうか。
自分の国でも買えるけど、日本のはちょと違う! とかあるんでしょうかね。


日本のお菓子メーカーは海外進出してない? でなければ、その国向けのフレーバーアレンジに失敗してる?


ま、なんにしても日本のお菓子が人気あるっていうのは悪いことじゃないでしょうけれどねえ。


お菓子はお土産として最終日に買って帰るようなことなのかもですけど、メインの「和食」の方はどうなっているのか。


国土交通省観光庁「訪日外国人消費動向調査(確報)」をつらつらと見てみますと、人気No.1は「肉料理」

 

自分の国にも「SUKIYAKI」「WAGYU」「TERIYAKI」なんていう日本語のままのメニューがあったとしても、いやむしろあるからこそ、本場の、日本の肉料理を食べてみたい、っていう気持ちなのかもですねえ。


そして、その期待を裏切らないのが「和食」なんでしょねえ。そういうことにしておきませう!


第2位は「ラーメン」


名店の情報はスマホで充分に調査済み、っていうインバウンド観光客が多いらしくって、ラーメンの食べ歩きっていうのがブームだっていう話も聞きます。


第3位が「寿司」第4位が「魚料理」って続いてます。


ずらっと並べてみますと「お菓子」「肉」「ラーメン」「寿司」って、なんだか「和食」の代表って、こういうのなんだっけ? って思っちゃいます。


農林水産省「和食がユネスコ無形文化遺産に登録されています」を見てみます。

 

「和食」の特徴っていうのが4つ示してあるですねえ。


(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重


地域ごとに新鮮な食材があって、その食材を活かす道具と調理方法がある。ってことなんですけど、海外の諸国だって同じなんじゃないんでしょうかね。
これはちょっと、納得度、低いです。


(2)健康的な食生活を支える栄養バランス


一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスなんだそうですよね。
世界的な健康志向、メタボ対策として「和食」の人気が高いのはこの辺りのことなんでしょうね。


(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現


季節感を演出した盛り付け、ってことなんですけど、まあ、たしかにですね、目でも楽しむのが「和食」の特徴っていわれれば、その通り! ではありますけど、そういうのってそれなりの高級店に行かないと、なかなか、ですよねえ。


(4)正月などの年中行事との密接な関わり


まあね、今でもお節料理だとか、正月だけは特別っていう感覚、日本人は持ってますよね。


でもこれまた地域ごとの特性ってやつと同じなんじゃないかっていう気もします。


クリスマスの七面鳥とか、諸外国にもいろいろとありそうです。
今は、たいてい七面鳥じゃなくってチキンになってますけど、あれ、日本発祥の風習じゃないですよね。


無形文化遺産に登録されている「和食」の具体的なイメージってハッキリしません。


ラーメン、黒毛和牛、カレーライス、オムライスとかだって、立派に「和食」であることは間違いないわけなんですけど、「健康的な食生活を支える栄養バランス」っていうのって、なんかそういうのじゃない感じがしますです。

 

 

 


群ようこさんのエッセイに「食べる生活」っていう一冊があって、その中に「外食を考える」っていうのがあります。

 

※ ※ ※ ※ ※


私の知り合いが、家に遊びに来た子供の友だちの高校生に御飯を食べさせたところ、肉じゃが、南蛮漬け、自家製の漬物、沢煮椀などに対して、その子がいちいち「これは何」「はじめて見た」と反応した。食後に果物を出したら、「お金持ち」ともいう。出したのはりんごなのである。その子がいうには、果物は値段が高いので、上流階級の人しか食べないものなのだそうだ。その子の家庭は裕福で、ひんぱんに外食をしている話は、子供から聞いていたものの、知り合いはその家は外食でいったい何を食べているのだろうかと首を傾げていた。


※ ※ ※ ※ ※


2023年に出版されているエッセイです。


和食っていうのは日本食なわけで、日本人が「普通に」食べているもの、なはず、っていう感覚がありますよね。
群ようこさんも、この話の知り合いの人も、そうとらえていそうです。


でも実際、その高校生の一家がどこで外食をしているのか分かりませんが、高級レストランに肉じゃがなんてないでしょうし、ファミレスにもないんじゃないでしょうか。


外食で肉じゃがっていうメニューを見るのは居酒屋さんぐらいでしょうかね。


自分の家ではほぼ食事をしない、作らないっていう家庭は少なくないのかもですねえ。


ってなことを言ってですね、さも群ようこさん側に立っているようなことをヘーキで言ってみたんでありますが、実は、「沢煮椀」っていうの、なんなのか、ちっとも知りません。


初耳。その高校生と一緒で「これは何」派だったんでした。


調べてみますと、


沢煮椀は、愛知県長久手市で昔から伝えられてきた郷土料理の1つ。
豚肉や鶏肉と数多くの千切り野菜で作る日本の汁物料理。


ってことで、しょうゆ味でも味噌味でも、キマリはなくって、要は具沢山のみそ汁、ってことですね。

 

ふむ。だとすると、件の高校生と同じに「これは何」とは聞かないですみそうです。


沢煮椀っていう名前を聞いたことがなかっただけ、なんだ思うんですけど、どうなんでしょう。愛知県、中部地域では具沢山みそ汁のことを沢煮椀って言う、っていう理解でいいんでしょうかね。


どうです? 知ってました? 沢煮椀。


検索しますと、しょうゆ味のレシピがいっぱい出てきます。


なんで沢煮っていうのかについては、「沢」はサワと発音するけれど、「沢山」の「沢」なんですよ、ってことでした。


そんじゃあ「タクニワン」じゃんか!
ま、なんにもモンクはござんせんけどね。


群ようこさんはこんなふうに言っています。


※ ※ ※ ※ ※


外食をするとき、会食のときは私は好き嫌いがないので、相手の選択にまかせている。そして店に行ってメニューを見て、毎日鶏肉は食べているのでそれは避け、最近は豚肉を食べていないから、メインは豚か牛にしようとか、いつも火を通した野菜ばかりなので、生野菜のサラダにしようとか、自分が食べていないものを選ぶようにしている。大まかに栄養バランスを取っているつもりである。しかし朝食はクリームパンとコーラ、昼はコンビニのおにぎりと野菜ジュース、夜はラーメンとスナック菓子とビール。外食ではいつもハンバーグといった食生活の人もいる。「大丈夫?」と聞きたくなるものの、お節介と思われるのはいやなので、相手に食生活の相談をされるまで黙っている。


※ ※ ※ ※ ※


ふむ。群ようこさんは、「和食」を摂っておられるようですね。でも黙っている。


果たして、和食を摂っている日本人は多数派を占めているのか、それともとっくに少数派になっているのか。


お役人さんたちは、その結果をとっくに知ってはいるけれど、聞かれないので、やっぱり黙っている?


沢煮椀って、みんな知ってるのかなあ?

 

 

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