ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【ぶたはげ】なんちゅう名前付けトンじゃ! ってジャロに怒られないの?

< ジャロは関係ないんでしょね 帯広名物ってことらしいんですが 日本発祥のどんぶりめしです >

「このハゲ~!!!」発言で、ハーバード卒、厚生労働省出身の衆議院議員っていうエリートコースを棒に振ってしまった騒動があったのは2017年のことでしたね。


相当プレッシャーの強い仕事環境なんだろうなあとは思いますけど、面と向かってその単語を発する人って、ホントにいるんだなあっていう印象が強かったです。
逆に言うと、こういうエリートですら生き辛い国だってことなんでしょうね、日本って国は。

 

 

 


ま、それはそれとして、言われた秘書の人がハゲていたんだったかどうかも記憶にありませんが、髪の毛っていうのは女性ホルモンなんだそうで、一定数の男性がハゲているのは極当たり前のことなんですよね。


そのご当人は、ものすごく気にしている人が居るかと思えば、露悪的なほどに自分からハゲハゲ言っている人もいます。


ただね、かなり微妙な気持ちっていうのがあるようなんでございますよ。


役者の「市川勉」さんって知ってますかね。テレビ、ラジオでご活躍の名バイプレーヤー。

 

そのビルが建て替えになる2018年か2019年ごろまで、東京の国立市国立駅は特別快速が停まらないんですけど、駅からほど近い場所で「猪口菜(ちょこざい)」っていう洋風居酒屋を経営されていて、何回かお邪魔したことがあります。


ご当人のプロフィール写真を見るごとく、はい、そういうアタマでいらっしゃいますね。


で、たぶんおそらく、ご当人も記憶の彼方になっているだろうっていうエピソードがあるんですね。
市川さんとご同様のオツムリのお客さんがカウンターに座って、その日はなんと、ハゲ話に興じていたんでありますよ。


お2人とも同年配でしょうかね。笑いながらのハゲ話が続いているカウンターの隣りに陣取っていたんですが、私と反対側に座っていたこれまた同年配と思しきオッサンが、


「いやあオレも両脇がすっかりハゲて来ちゃってさあ」


っとですね、ごく自然な感じで2人のハゲ話に割り込んでいったらですね、


「そんなのはハゲてるうちに入らんよ」


って、2人声をそろえて、ハゲ仲間、断固拒否! だったんでありますよ。


まあね、市川さんは器用な役者さんですからね、その演技力でお茶を濁すといいますか、ちゃんと客商売の軽妙洒脱を心得ておられますからね、全然険悪、気まずいようなムードにはならなかったんですけどね。


自分から言うのはオッケーだけど、他人から言われるのはダメッ!


ことほどさように、微妙なハゲ心理っていうものがありそうなんでございますよ。

 

 

 


も1つありましてね、ハゲ話。


だいぶ前に一緒に仕事をしていた部長さんなんですけど、いわゆるバーコードアタマってやつで、自分からそういう単語を発するタイプ。
神戸から転勤されてみえたとかで、東京のアチコチを昼でも夜でも、時間を作って散策していたようなんです。


で、ある日、一緒に青山通りを歩きながら打ち合わせ場所へ向かっていた時のことです。


「あのさ、ハゲ天って知ってる? この前ここで見たんだよね。バンにさ大きく、ハゲって書いてあってさ、ビックリしたよ。東京って恐ろしいトコだなあって。ハゲハゲ言うなって思ってさあ」


ま、どう笑っていいもんなのか、難しいところでありますよ。メンドクサイです。


これは「銀座ハゲ天」の車でしょうね。ここ以外にハゲハゲ言ってるトコって、たぶんないでしょうからね。


「衣をちょっとしか付けてないタイプの天ぷらで、衣がハゲてるのがウリってことなんだろうねえ。食べたことある?」


っていう解釈だったようなんですけどね、食べたことないです。


割りあいリーズナブルな天ぷら屋さんみたいですけど、行ったことはなくって、今回ちょろっと調べてみましたらですね、「衣がハゲている」っていうことでの「ハゲ天」じゃないんでした。
衣の薄さはウリの1つではあるようですけれどね。


1928年、昭和3年、東京、九段の天ぷら屋「多か良(たから)」
最初は全然ハゲ天じゃないです。


ですが、初代店主の渡辺徳之治さんが、まだ若いのにハゲていたらしいです。


で、口さがない客が、旨いから通うんでしょうけど「ハゲのやってる天ぷら屋」「ハゲ天」って呼ぶようになったそうなんですね。
多か良って呼んでる人だっていたんでしょうけど、聞こえてくるのはハゲ天オンリー。


開店から1年、1929年、昭和4年に銀座に店を移転するにあたって、エイヤってことで屋号を「ハゲ天」にしたってことなんです。


なんだかねアッサリ言ってますけど、その初代にしてみれば、なんだかなあっていう思いも、当然ながらあったでしょうね。


関東11店舗、中部1店舗、関西4店舗っていう大々的な人気店になっていますからね、怪我(毛が)無くて良かったねってことじゃあないんですけど、ハゲ、いやハゲ天、浸透してますねえ。


で、この前ネットで見つけたのが「豚丼のぶたはげ」っていう通販ページ。


ぶたはげ? なんなん? なんでそんなに攻めたネーミング? って思いましたね。


「帯広はげ天グループによる豚丼専門店」って書いてありますよ。
ほほう、銀座ハゲ天、ついに北海道にも進出しましたかあ、って思ったんですが、なんかね、何の関係もないみたいです。


1934年、昭和9年に北海道、帯広で開業した「帯広はげ天」


こちらも店名の由来は銀座ハゲ天と同じらしいですんけど、なんだ? 天ぷら屋の客って、みんな口が悪いのか?!


しかしまあ、同じような時期に、銀座と帯広に「ハゲ天」って名前の店が出来ちゃうって、日本もなかなかですよね、って、なにがなかなかなのか全然分かりませんけど。。。


で、「帯広はげ天」の名物に1つが「豚丼(ぶたどん)」で、「豚丼のぶたはげ」っていうのは「帯広はげ天グループによる豚丼専門店」ってことなんですね。


天ぷら屋で豚丼なの? って思いますよね。そしたらですね、豚丼って帯広の郷土料理らしいんですよね。
え? ってね、ちょっとカルチャーショックです。


豚丼って、焼き肉丼、スタミナ丼、ロース丼とか、なんだか普通にいろんな種類のが、どこにでもある感じなんで、特に帯広っていうイメージはなかったですね。


しかしまあ「ぶたはげ」っていうのは、かなり強烈な名前ではあります。


はげ天の豚丼だから「ぶたはげ」なんでしょうけれど、はだかでばねずみ以来の衝撃。
ま、「ぶたはげ」っていうのは「帯広はげ天」ならではのネーミングで、帯広の人たち普通一般には「豚丼(ぶたどん)」って呼んでるみたいです。


農林水産省「うちの郷土料理 北海道 豚丼」にも取り上げられています。

 

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出展:農林水産省

北海道には開拓の歴史がありますよね。


帯広のある店のオヤジが、開拓事業で汗水流して働いている人たちに何か栄養のあるものを食べさせたいって、ウナギを、って思ったんだけど高いんで、じゃあブタをうなぎの代わりにっていうことで、ウナギのタレを模して作ってブタ肉を炒めたのに合わせたのが発祥ってことみたいです。


明治末期ごろから十勝地方では養豚業が盛んになっていたそうなんですけど、ウナギの代わりにブタっていう発想は、なかなかね、結果的にはナイスではありますが。


北海道の開拓って、当初はホント大変だったみたいですよね。


北海道開拓史に名前を残している「晩成社」が静岡から津軽海峡を越えて帯広に渡ってきたのは1886年明治16年のことだそうです。


農地を野火に焼かれ、イナゴに襲われ、天候不順、鳥獣害っていう災難続きで開拓は思いに任せず、それでもなんとか養豚だけは細々と続けられていたのかもしれないって思えるエピソードがあります。


明治17年に晩成社のメンバーが詠んだ句が2つ、残されています。


幹部だった渡辺勝「落ちぶれた 極度が豚と ひとつ鍋」


勇躍、故郷を飛び出してきたものの、災難続きで落ちぶれてしまった。食べるものもなく、豚とひとつの鍋をつつき合っていることよ、ってことなんでしょうね。


そこで発起人の1人だった依田勉三、この人は開墾の業績で緑綬褒章を受章していて、北海道神宮開拓神社の祭神に祀られている人なんですが、そんな弱気なことじゃいかんよ、って詠んだ句が、


「開拓の 始めは豚と ひとつ鍋」


この頃の豚は痩せていたのかもですけどね。


こういう人たちがいて北海道にも農業が根付いて、今や一大産地。デッカイドオ、北海道!


豚丼は全国制覇してますよね。

 

 

 


いろんな種類のある豚丼ですけど、大きく「帯広系」と「牛丼チェーン店系」に別けられるんだそうです。


牛丼チェーンが「ぶたどん」「とんどん」をやり始めたのって、2003年、平成15年のBSE問題からですよね。
BSE問題が治まってから一時期メニューから消えてましたけど、最近復活してます。


ま、どこで食べても、っていうんじゃなくって、本場帯広の「ぶたはげ」食べてみたいですねえ。


そのハゲ具合を確かめたいです。
2月10日は豚丼の日だそうです。

 

< 追記 >

地元帯広の、ぱふぁ@透析中さんから、ツイッターで情報いただきました。

「ぶたはげ」はあくまでも店名で、提供されるのは「豚丼」です。

とのことですう。

ぱふぁ@透析中さん、情報連携ありがとうございましたあ。

 

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