ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【コーヒー禁止令】 嗜好品っていうのはいつ頃から人類の隣りに存在するようになったんでしょ

< それを摂取しなくたって生きていけるんだけれども それが無い生活は味気なさ過ぎる ですよね >

誰が決めたのか知りませんけれど「4大嗜好品」っていうのがあるですねえ。


それは「酒」「コーヒー」「お茶」「タバコ」の4つ。


タバコを喫む、って書いて「のむ」って読ませるフリガナを見たことがありますし、今ではだいぶ年齢層が高くなってしまった人たちからは、実際にタバコをのむっていう言い方を聞いたこともあります。


それを含めますと、呑む、飲む、飲む、喫む、で、酒、コーヒー、お茶、タバコ、4大嗜好品は全部「のみもの」なんですね。


1993年発表の傑作マンガ「船を建てる」

 

主人公の2人のアシカたちは「煙草」と「珈琲」っていう名前でした。
4大嗜好品を代表する2人だったわけですね。


嗜好品っていうのは、栄養摂取を目的としたものではなく、味、香り、食感、刺激を楽しむことを目的としたもの、って定義されているようで、食べものに限らないともされています。


ま、代表的なものとしてタバコも入っているわけですから、食べものに限らない、っていう一文を付け加えているんでしょうね。


要は、生きていくのに栄養的に必要じゃないけれども、好きな人にとっては精神的に良さそうな効果があったりする、のかも、っていうことなんでしょうかね。嗜好品。


人生の必需品じゃない、ってことなんですけど、楽しみってことを認めているんだったら、必需品に含めても良さそうな気がしますよね。諸行無常の世の中です。楽しみなくして何の人生か! ってなもんでござんしょ。

 

 

 


嗜好品っていう単語は名詞ですね。


これって日本語特有の言葉なんだそうです。
中国語には、無い、らしいですよ。


中国語にも当然「嗜好」っていう言葉はあって、っていうか、中国語から来ているんでしょうけどね、嗜好って。


でも嗜好品っていう、カテゴライズ、みたいなニュアンスの言葉はない。


へええ、って思いますよね。


嗜好は、名詞、そして行変格活用の動詞。
あれです。し、する、する、すれ、しろ、ってやつ。


連用形:嗜好し
終止形:嗜好する
仮定形:嗜好する
命令形:嗜好しろ、嗜好せよ


嗜好せよって言われましてもねえって感じです。嗜好の強制。むむむ。


中国語での活用とかは全然違うんでしょうけれども、中国にもこの嗜好っていう言葉はある。でも嗜好品っていう言葉はない。
面白いですね。


これってさあ、だいたいみんな好きだよね、っていう嗜好の共通性、みたいな感覚は、やっぱり日本人にしか通じない概念なんでしょうか。


嗜好っていう概念は中国でも一緒なんだろうって思いますけど、動詞的な使われ方だけで、グルーピングとか、個人こじん、嗜好は違うんだから、カテゴライズとかそんなのしませんっていう感覚。


本家本元から伝わってきた言葉に新たな概念を加えて独自に発展させていく。
ま、日本の特徴ではあるんですけどね。


「嗜む(たしなむ)」好みの品、ってことでの嗜好品っていう言葉は、明治の文豪「森鴎外(1862~1922)」が作った単語みたいです。


この時代の文豪たちって、新しい日本語をバシバシ作ってたりしますもんね。


夏目漱石(1867~1916)の「肩凝り」っていうのもそうらしいです。それまでは誰も凝るなんていう表現はしていなかった。さすがです、夏目漱石も。


1912年に発表された森鴎外の「藤棚」に使われたのが「嗜好品」の最初。


「薬は勿論のこと、人生に必要な嗜好品に毒になるような物はいくらもある。世間の恐怖はどうかするとその毒になることのある物を、根本から無くしてしまおうとして、必要な物までを遠ざけようとする。要求が過大になる。出来ない相談になる」


「藤棚」っていうのは、雑誌「太陽」に発表された小説だそうです。
その中で初登場した、嗜好品っていう言葉。


ドイツ語の「Genuss-Mittel(楽しみの手段)」っていう言葉を、森鴎外は「嗜好品」って訳していて、それを小説にも使った、っていうことらしいですね。


中国語とドイツ語を概念的合体させた日本語。


楽しみの手段っていうんだと、飲食物からだいぶ遠いものでもあてはまりそうですね。
嗜好品の英訳っていうことになると、「pleasure products(楽しむための物)」「luxury goods(贅沢品)」っていうことになるんだそうで、厳密に言えば翻訳不可能な言葉の1つってことになるみたいですね、嗜好品って。


生きるのに必要じゃないのに、それを求めるっていうのは贅沢でしょ、っていう理屈。
ん~。


嗜好品の中には確かに贅沢品もありますけど、嗜好品と贅沢品は交わってはいるとしても別集合でしょねえ。

 

 

 


嗜好品の代表格、タバコはこのところワルモノ扱いされてますけど、どうもね、過剰反応なんじゃないかっていう気もします。


身体に悪いし、副流煙で迷惑だからってことで、保険料にも影響するからワルモノらしいんですけど、昔は塩と一緒に国が専売していたアイテムですし、税金収入って、酒もそうですけどかなりの歳入になっているみたいなんですけどね。


江戸時代にポルトガル経由で日本に入って来たらしいタバコなんですけど、江戸時代には何度となく禁止令が出されたらしいんですよね。


何度も禁止されるっていうことはちっとも禁止令の効き目がなかった。誰もタバコを止めなかったってことなわけで、その辺の事情は今でも変わっていなくて、オフィス街の喫煙場所には男女同数ぐらいの喫煙者がワンサと集まってます。


電子タバコっていうのもあって、まるで大道芸人みたいに大量の煙(?)を一気に吐き出して見せている人もいます。


タバコはどんどん値上げしていますけど、あれって、お小遣い的に値段が高くなったら気軽に買えないでしょ、だから止めなさい、身体にも悪いんだから、っていう、やんわりの禁止令なんでしょか。


タバコ税って、いったい何に使われいるんでしょうかねえ。


船を建てるでも名前として取り上げられているもう1つの嗜好品の代表、コーヒーなんですけど、コーヒーはそんな目にあってはいませんよね。


コンビニコーヒーなんてのが登場して来てずいぶんになりますけど、レジ横でコーヒーの順番待ちしていたり、かなり人気が長続きしています。


コンビニばっかりじゃなくって、スターバックスドトールエクセルシオール。なんだか世界的に浸透していて、嗜好品っていうより必需品みたいなポジションになっているのかもしれないコーヒー。


ところがそういうコーヒーには、事件レベルの弾圧があったんですよ。


歴史の授業なんかではやらないと思いますけど、1511年に起こった「メッカ事件」っていうコーヒー弾圧です。


コーヒーが弾圧されたんですってよ。


エジプトを中心に西はシリア、東はアラビア半島の紅海沿岸に領土を広げていたスンニ派イスラム王朝マムルーク朝(1250~1517)」で起こった弾圧なんですね。
聞いたことありますよね、マムルーク朝


そもそもコーヒーが現在のものに近い形の飲料として普及し始めたのは10世紀ごろのアラビア世界だろうってされているんですよね。


飲酒の禁じられているイスラム世界では、コーヒーの特殊性っていうのが、まさに嗜好品的な人気を集めていたのかもしれません。


夜通し礼拝を行うイスラム教の信者たちに支持されていたらしいですね。


今のように焙煎して淹れるようになったのは1500年頃らしいんですが、そうなると一気に広まってメッカでは「カフェハネ」って呼ばれる、今でいう喫茶店も出来始めて、裕福な人たちばかりでなく、一般の人たちもたくさんコーヒーを楽しむようになったそうです。

 

 

こうした急激なブームっていうのは、コーヒーに限らず、16世紀だからっていうことでもなくって、反発を受けるっていうのが人間世界、なんですよねえ。


コーヒーブームを率先したのはイスラム宗派の中でも神秘派って分類される「スーフィー」っていわれている人たちだったせいもあって、正統派の人たちの中には大流行のなかでも、コーヒーは邪道な飲みものだとして眉をひそめていた人たちも少なくなかったんだそうです。


神秘派、対、正統派。


メッカの市場監察官たちはメッカの風紀を乱すものとしてカフェハネを禁止して、そのころカフワと呼ばれていたコーヒーそのものも「飲むとバランスの取れた気質に害を及ぼす」っていうことで禁止する決定をした。
そして1511年禁止令を発して実行に移したんだそうです。


カフェハネは強制的に閉鎖されて、さらに個人でコーヒーを淹れて飲む者がいないかどうか、小役人たちが匂いを嗅ぎまわったりして禁止の徹底を図った記録が遺っているんだそうです。


見つけ出されたコーヒー豆は路上で焼却処分。豆を売ったり、コーヒーを飲んでいるところを見つかった者は鞭打ちの刑。


こりゃ、お前。コーヒー飲んだな。臭いで分かるんだぞ!


どっひゃあ!


こうしたメッカの活動はマムルーク朝の首都、カイロに伝わって、スルタンの裁きを待つことになります。


結果、イスラム教の妨げになるような行動を抑制することは止めないけれども、コーヒーはオッケーですよ。
ってことになったのが1512年。


なんでかっていうと、その時のスルタンがコーヒー好きだったからあ~。


コーヒー弾圧に積極的だったメッカのエライ人たちは一斉に職を解かれたらしいです。
このメッカ事件の5年後にマムルーク朝オスマン帝国に滅ぼされてしまうんですが、その原因にコーヒーが絡んでいるのかどうかは誰にも何とも言えないでしょねえ。

 

 

 


21世紀の日本では、コンビニコーヒーのSサイズカップを買って、Lサイズボタンを押下。そんなことを何回も繰り返して逮捕。


とか、レギュラー料金でラテを注いで逮捕とか。


かなりコスイ事件が起きているみたいですけど、なんだかね、日本人っぽくないような、ね。。。


弾圧とは何の関連もないですけど。。。

 

wakuwaku-nikopaku.hatenablog.com

wakuwaku-nikopaku.hatenablog.com

wakuwaku-nikopaku.hatenablog.com