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【旨いコーヒーを淹れる】チェーン店に押されて個人店の喫茶店がすっかり消えてしまった件

< もしかするとコーヒーは嗜好品じゃなくって通常飲食物になってしまったのかもですねえ >

っていうのはですね、コンビニコーヒーの存在ですね。


朝とか、昼とか、このタイミングではコーヒーだよね、コーヒーからじゃないと始まらないし、って感じで生活のルーティーンに完全に入っちゃってる人も、けっこう見かける気がします。


風味がどうとか、自分好みのコーヒーとか、そういうんじゃなくって、日用品としての飲み物。


コーヒーに対するこだわりなんて、ホントはないッ!
くつろぎの友じゃなくって、歩きながら飲むのがオシャレっていうファッショングッズ。


言い過ぎ感もありますけれど、コーヒー自体がそういう存在になっているんで、街の個人経営の喫茶店が消えていってしまったのかもです。

 

 

 


ウン十年前のJR中野駅の南口ロータリーを西側へ渡ったところに「アカシア」っていう、そのころは実にスタンダードな喫茶店がありまして、40代ぐらいの雇われマスターがやってました。


マンガに出て来るような喫茶店のマスターっぽいスマートさとは、かなり縁遠い雰囲気の背の低い、小太りで、しあわせフェイスのぽっちゃりタイプ。


週に3回、4回って通ってましたけど、なかなか凝ったシステムだったんでした。


それを希望する常連さんに対してだけなんですけど、ブレンドを注文すると、その人に合わせたブレンドをその場でやってくれるんですね。


コーヒー好きって、大きく2種類ありますよね、酸味が好きな人と、苦味が好きなタイプ。


例えば酸味が好きな人はキリマンジャロ、苦味の好きな人はブラジルとかにすればイイってなもんなんですけど、ストレートコーヒーは、ちょとオタカイ!


まあ、そんなにバカ高いわけでもないんですけど、ブレンドの倍近い値段でした。
なので、そのぽっちゃりマスターはブレンドをその人に合わせてくれるっていうシステム。


自分でローストしている豆を、その場でちゃちゃっとブレンドして、ガリガリと手動のミルで挽いてくれるんですね。


豆の種類はヒミツなんですけど、最初はぽっちゃりマスターの好みでブレンドしてあるのを、電動ミルで挽いたのを飲むんですね。


けっこう旨いんです。だからこそ通うようになるんですけどね。


「どう? 好みに合ってる? もっと酸味が欲しいとか苦い方がイイとかあったら言ってね。次回に調整するからね」


ん~。もうちょっとね、とか、一丁前なことを言ったりなんかして、やりとりが始まります。


で、だんだん通っているうちに手動のミルに変わっていくんですね。


「やっぱりね、電動で一気に粉にしちゃうとね、コーヒー豆のアブラが遠心力で飛んじゃうんだよね。旨いコーヒーは、こうやって、ゆっくりガリガリ挽いて、ゆっくりお湯を落として、ゆっくり飲むのがイイんだよ」


ドリップ式だったですけど、自分で淹れて自分で飲むっていうのをしょっちゅうやってました。
小さめのカップでしたけど、当人は、


「品質管理だから」


って言ってました。そして、


「ああ~、旨いなあ。しわせだあ~」


って必ず言うんですね。客もみんなニコニコ、その声を待っている、っていうような個人店でしたねえ。


今のチェーン店では絶対にあり得ないシステムでしょねえ。
システムって言いますか、個人店の個性。


数年通いましたが、そのうちにオーナー都合で閉めることになったみたいで、ぽっちゃりマスターとも会うことはなくなりました。


で、そのころから、見よう見真似で、自分でコーヒーを入れて飲むようになりましたです。
カリタのミル、3つ穴式のドリッパー、サーバーを買い込んで、いろんなことを試しながら始めたんですね。


仲間にもコーヒー好きがけっこういて、カリタがイイ、いや、メリタの方が、とか、そんな根拠の薄い言い争いをやっていたもんでした。


サイフォン式の方がコーヒーの旨さが出るらしい、なんて噂を聞き付けると、さっそく買うんですね、コーヒーサイフォン一式。
ハリオのでした。日本のメーカーですね。


ドリップ式よりサイフォン式の方がコーヒーは旨くなるのか?
わっはっは! さっぱり判りませんでした。

 

 

今は、ドリップ式に戻っているんですけど、カリタからハリオのドリッパーに変えています。
3つ穴式じゃなくって2005年から発売されている円錐形のドリッパー。


一時期円錐形の紙フィルターが品薄状態になっちゃって、遠くまで足をのばしてキーコーヒー製のを買って来たこともありました。


ドリッパーと紙フィルターって、純正じゃないと微妙に合わないんですよね。
折る場所をいろいろ変えてみたりしても、なんかぴったりとハマらなくって、イラっとしたりします。
ドリップされるコーヒーに変わりがあるってことじゃないんですけどね。


コーヒー豆を専門店から贅沢気分で買って来ることもありますが、普段は近所のスーパー、ドラッグストアで売っている普通のヤツで淹れています。


コーヒーの歴史は紀元前のエチオピアから始まるんだそうですけど、最初のころは臼で挽いて団子にして食べていたっていう説もあります。
薬だったんでしょうか? 強壮剤みたいな扱いだったのかもですね。

 

 

 


エチオピアからヨーロッパに広まって、今のような飲みものになるまでにはいろいろ様々な「歴史」があるみたいですね。


ま、紀元前から人間の嗜好品っていうのか、貴重品として長く付き合ってきたコーヒーですからね、様々な変化は歴史って言ってイイ時間を共有していますよねえ。


人類とは数千年の付き合いのあるコーヒーが日本に入って来たのは、18世紀頃だろうって言われています。


長崎、出島にオランダ人によって持ち込まれたコーヒーは「古闘比以」って記されているみたいですね。


1804年にコーヒーを飲んだ大田蜀山人は、


「焦げくさくして味ふるに堪ず」


っていう感想を遺しています。コーヒー、ニンキ、ナシ。。。


そんな感じでなかなか広まらなかったようなコーヒーなんですが、戦後にはようやく嗜む人もけっこう出てきたみたいですね。


グルメとしても知られた作家「小島政二郎(1894~1994)」が「食いしん坊」の中の「コーヒーとフィルトル」っていう随筆にこんなことを書いています。

 

※ ※ ※
フランスの小説を読むと、朝、目をさますと、ベッドの中で朝のコーヒーを飲む描写によくぶつかる。


朝のコーヒーは、新しくいれるのではなく、きのう使ったコーヒーの滓をためて置いて、それをもう一度煮出して、それにたっぷり牛乳を入れたものだと聞いている。


本当かウソか知らないが、二十年も前にフランス帰りの絵描きに聞いて、それ以来本当だと私は信じている。
※ ※ ※


カフェオレのことなんでしょうかね。
ポットで煮出すコーヒーっていうのを飲んだことはありませんが、昔はそういう方法が多かったみたいです。


映画で、カウボーイたちが火にかけたポットから直接コーヒーを注いで飲むのを見て、ええ~!? って驚いた記憶があります。
煮出し式コーヒーね。豆が口に入って来ちゃっても、イイじゃん、っていう感じなんでしょうね。


こんなことも記してます。


※ ※ ※
ガラスの球が二つあって、今は上と下とに重ねるようになっているが、昔は左右に並んでいた。一方の球へコーヒーを入れ、一方の球に水を入れて、下からアルコールランプで熱すると、湯になった水が管を伝わってコーヒーの方の球へ移動する。ランプを消すと、また湯だけもとの球の方へ返って来る。サイホン式と言ったと思う。
※ ※ ※


左右に並んだ式のサイフォンは見たことありませんが、とにかく「コーヒー沸かし」と名の付くものは、全部買って試したらしい小島政二郎さん。


横並び式のサイフォンがあったのは事実なんだと思います。
フィルターはどこに付いていたんでしょうね。

 

 

 


なんにせよ、毎朝のコーヒーはドリップ式が手間がかからなくって、ベストだと思います。


普通に挽いてある普通の豆で、一品贅沢で持っている注ぎ口の細長く、ひょろんって曲がったヤカンからツーっとのの字を描きながら注いで、そのままブラックで。


ゆっくり、じっくり、飲んで、ま、その日一日が始まるんであります。


ひと口目を飲んだら、ぽっちゃりマスターの、あのセリフを心の中でつぶやきます。


「ああ~、旨いなあ。しわせだあ~」


コーキューじゃなくたって、全然、オッケーではあるんですけど、コーヒー好きの人がこだわって淹れてくれるコーヒー。


そんなマスター、ママさんが個人でやっている喫茶店。復活してくれませんかねえ。

 

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