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【冷やし焼きいも】いつからあったの? なんで冷やしたの?

< 一年中「焼きいも」っていうのが浸透すれば これもまたSDGsの一環なのかも >

コンビニで見たことがあるような無いような、って感じの「冷やし焼いも」なんですが、2018年ごろから売られ始めたみたいですね。
食べたことはないです。


でもね、売り切れしだい販売終了! ってなことで、今のところ供給不足、季節限定商品なんでしょうかね。


しょっちゅう行くのはセブンなんで、早速、近所の数件を回ってみたんですけど、「冷やし焼きいも」には遭遇できませんでした。
ネット情報でも「もう今年の分の冷やし焼いもは、販売終了したの?」っていうような書き込みが確認できますね。


人気があることは間違いなさそうですけど、こうした需要に商品供給が追い付いていないっていうことだとすれば、この先、数年以内に爆発的なヒット商品として出てくるかもですよ。

 

 

 


セブン、ローソン、ファミマの大手3社がこぞって売り出しているみたいですから、商品流通量を考えてみますと、今までとは全く違った、比較にならないボリュームが生産側に要求されることになるわけですよね。


っていっても、そもそもこれまで「冷やし焼きいも」なんてあったの?
ってことで、その辺をざっくりと調べてみました。
焼きいもって、永遠の女子ウケスイーツですもんね。


コンビニ各社が一斉に「冷やし焼きいも」を売り出した経緯としては、2000年代に入ってから長く続いている「焼きいもブーム」っていうのがありそうですけれど、なんで焼きいもを冷やしちゃったのか、ちょっと不可思議。


「焼きいも」は冬の季語だそうなんですが、そのことは誰でもすんなり納得できますよね。


今ではすっかり見かけなくなりましたが、郊外の庭なんかで晩秋のころにやっていた落ち葉焚き。
アルミホイルに包んださつまいもを焚火の中に入れて、「焼きいも」が焼き上がるのを楽しみにしながら、みんなで火にあたるっていうのは珍しくはなかったですよね。
晩秋、北風ピューピュ―、冬の風物詩。


ですが、コンビニで売り出したのは「冷やし焼きいも」です。


「冷やし」っていうんですから、ターゲットは冬じゃなくって、夏。


さらに言えば、コンビニで扱うんですから狙いは通年ってことになるんでしょうね。


スーパーなんかで「焼きいも」を売り出したのが2000年ごろなんでしょうか。
軽トラの屋台でピーピー笛を鳴らしながら街を回っていた「石焼きいも」が、なんでだか消えてしまって数年経って、スーパーの片隅に直径1メートルぐらいの「釜」を収めた台が置かれて「石焼きいも」が登場してきたような記憶です。


なんで「石焼きいも」なんだろうって、ちょっと違和感でしたけれど、釜の中にはちゃんとこげ茶色の小石が敷かれていました。
けっこう売れてたんでしょうね。


スーパーで「石焼きいも」が売られ始めてもコンビニには登場してきませんでした。
たぶんおそらく、店舗スペースの問題だったんでしょうね。


コンビニは客同士のすれ違いのときに身体を平行にしながらじゃないと移動できませんもんね。空いているようなスペースもないです。
おでんのスペースが空いたんじゃないの? って気もしますけど、石焼きいもの台はカウンターの上に乗りませんしね。
加熱、火の問題もあるでしょう。


で、「冷やし焼きいも」であれば、完成品として仕入れるんでしょうから、台を置くスペースが要りませんし、第一、火を使わなくてイイですから、「焼きいもブーム」を取り込む絶好のアイテム、ってことなのかもしれません。

 

 

 


しっかりとすみずみまで調べたわけじゃないんですけど、2021年時点で、


セブンの冷やし焼きいもは「冷やし甘いも」322円。


ファミマのは「みつあま 冷やしいも」298円。


ローソンのは「やきいもスイーツ」196円。


っていう名前で出ていますねえ。
ところが2022年時点では、


セブンは変らず「冷やし甘いも」276円。


ファミマは「みつあま 焼き芋」に名称変更。298円。


ローソンも名称変更「蜜いも」198円。


単体のボリュームまでは調べきれていませんので、価格を単純比較できないんですけど安定してはいません。
2018年から登場していたらしいコンビニの「冷やし焼きいも」は、定番商品になるまでの過渡期なんでしょうね。


名称変更っていうのは、使っているいもの種類だとか、生産地域、生産者の違いによるものかもしれませんし、値段の違いについても同じ理由と、さらに、ライバルとの価格競争っていう側面もありそうです。


セブンとファミマは皮付きでの「焼きいも」っていう形状を、今のところ大事にしているようなんですが、ローソンはスプーンで食べる形式のスイーツにこだわっているように思えます。


コンビニスイーツの女性ウケっていうのを考えると、定番商品として落ち着いていくのは「いも」じゃなくって「スイーツ」かもですよね。知らんけど。

 

焼き芋アイス

 

しかしですね、なんでまた焼きいもを冷やしたんでしょうか。


これも実は生産農家なんかでは昔から知られていたことみたいなんですよね。
焼きいもを冷やすと旨くなるってことがですね。


旨くなるだけじゃなくって、ダイエット、血糖値調整、中性脂肪コントロールに効果がアップするっていうことが科学的にも証明されているんだそうです。


焼きいもを冷やすと、焼きいものでん粉が「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」に変わるっていうのが最大の変化だそうで、食物繊維と同様の働きになるレジスタントスターチには、整腸作用があって、老廃物排出効果があるんだそうです。


でもあれでしょうね、生産農家の人たちがレジスタントスターチっていうのを知っていて冷やしたっていうんじゃなくって、いっぱい焼いたけど、長持ちさせようって冷蔵庫に入れたら、ああらビックリ! 旨さアップ! っていうのがホントのところかもしれないですよね。


より旨く味わうための「にっこり魔法」で焼きいもを冷やす。


これまでの市場に出回っていたさつまいもは、形のイイもの、一定以上の大きさのものだったっていうことは他の作物と同じことで、形の悪いもの、小さいものは自分たちで食べるか、廃棄。
捨てちゃうさつまいもっていうのも、相当量あったらしいんですね。


「冷やし焼きいも」はそういった問題も解決してくれるみたいで、これまで市場に出回らなかった小さなさつまいもが「冷やし焼きいも」の主体なんだそうです。


でもこれは、一定程度の、揃った大きさが求められることになるでしょうから、この点から考えても、焼きいもの形状をしていない「スイーツ」として、あくまで焼きいもの中身っていう方向にシフトしていきそうに思えます。
大きさ、形状は全く気にしなくてイイですからね。


さらに出荷時期についても、「キュアリング」っていう新たな貯蔵方法が開発されているらしいんですね。


なんだか焼きいも、さつまいもの周りのイノベーションが一気に動き出している感じなんですが、「キュアリング」によってほぼ一年を通しての出荷が可能になったってことみたいです。


収穫したさつまいもは、そのままだと長く保存はできずに腐ってしまいます。
そりゃそうでしょねえ。普通、野菜ってそういうもんでしょ。
何故かっていうと、収穫の時に無理矢理畑から引き抜かれるわけで、その時に出来た傷から雑菌が入って寿命が短くなってしまうからなんだそうです。


で、収穫したさつまいもを温度35度、湿度100%の室内に1週間ほど置く。


こうすることでさつまいもの表面に「コルク層」っていうのが出来て、菌が入って来るのを防いでくれるようになる。


そうしたら、温度を12度まで一気に下げて、湿度を80%にコントロールして貯蔵する。
これが「キュアリング」
ほぼ半年ぐらい出荷できる期間が延びるんだそうなんです。


この「キュアリング」を利用すれば、種類特性もあるでしょうし、さつまいもの収穫時期をある程度コントロールして、8か月ぐらいはコンスタントに出荷できる。
大きさの問題も含めて、コンビニのアイテムとして必要とされる条件、通年供給は満たせるってことですよね。


あとは、ボリューム。
売り切れゴメン! っていうのが無いように契約農家の生産量アップってことになっていくんでしょう。


さつまいもの作付面積は年々減少する一方だってことですから、「冷やし焼きいも」が増加の方向に舵を切らせてくれるかもです。


2020年、国内のさつまいもの生産量は、


第1位:鹿児島県、21万4700トン。全国シェア31.2%。


第2位:茨城県、18万9200トン。全国シェア26.5%。


第3位:千葉県、8万4700トン。全国シェア13.1%。


第4位:宮崎県、7万1000トン。全国シェア10.0%。


第5位:徳島県、2万7100トン。全国シェア3.9%。


この上位5県でほぼ85%です。
さつまいもファンは県名を聞いただけで、ブランド名が思い浮かんだりするんでしょうか。


ただ、生産されたさつまいもは、当然ながら全部が焼きいもになるわけじゃないですね。
農林水産省「令和3年度いも・でん粉に関する資料」によりますと、

 

鹿児島県のさつまいもは、
生食用:8.2%。
飼料用:0.0%。
種子用:0.9%
加工食品用:8.0%。
でん粉用:34.3%。
アルコール用:37.3%。
輸出用:0.0%。
さすが、鹿児島県はアルコール用が多いですね。
その他に霧島では「発電用」にも使われているんですよね。最近ね。


茨城県のさつまいもは、
生食用:78.2%。
飼料用:0.0%。
種子用:0.2%
加工食品用:20.6%。
でん粉用:0.3%。
アルコール用:0.0%。
輸出用:0.6%。


千葉県のさつまいもは、
生食用:91.6%。
飼料用:1.0%。
種子用:4.3%
加工食品用:1.4%。
でん粉用:0.0%。
アルコール用:0.0%。
輸出用:0.1%。


宮崎県のさつまいもは、
生食用:11.6%。
飼料用:0.0%。
種子用:0.1%
加工食品用:16.5%。
でん粉用:3.2%。
アルコール用:67.3%。
輸出用:1.4%。
おお! 宮崎県の方が鹿児島県よりアルコールに使っている量が多いんですね。倍近くあります。
でもまあ、生産量が3倍違いますからねえ。それに宮崎県は麦焼酎も盛んですしね。


徳島県のさつまいもは、
生食用:82.5%。
飼料用:0.0%。
種子用:0.0%
加工食品用:2.6%。
でん粉用:0.0%。
アルコール用:0.1%。
輸出用:0.0%。


っていうデータを改めて見てみますと、どうやら「冷やし焼きいも」として口にするのは、茨城県、千葉県、徳島県さんのさつまいもってことになるんでしょうね。
生食率が圧倒的に高い3県です。

 

 

 


巷には「焼きいも専門店」なる看板も見かけるようになってきていますし、2022年にはさいたまスーパーアリーナで、本邦初の「夏のさつまいも博」っていうのも8月16日から18日の日程で開催されたんですよね。


なんか急にさつまいもが、焼きいもが元気です。


そういえばって思ったんですが、今まで芋ようかんって、冬の和菓子だった? んでしょうか?
芋ようかんにも変化が? 出てくるんでしょうか。


どうやら2022年以降は、しばらく、さつまいもがクールジャパンになりそうです。

 

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