< 周りを疲れさせちゃう困ったちゃんと 自分から自分だけ疲れちゃう困ったちゃん >
目玉焼きには、しょう油ですか、ソースですか。
って、どっちかに決める必要もないと思いますし、しょう油とソース以外でもオッケーだと思うですねえ。
しょース、っていうのもありますけどね。
ソイソースなんて言って、英語圏にもしっかり浸透しているみたいなんですが、海外では、日本と中国のしょう油が人気らしいです。
日本人自慢のしょう油ですけど、ルーツは中国の「醤(ひしお)」だそうですよね。
紀元前からの歴史を持っている中国の醤は「枸醤」「芥醤」「卵醤」だとか、いろんな原料から作られたって思われる、たくさんの種類が記録されているんだそうです。
「枸醤(こうしょう)」っていうのは、果物の醤だったそうなんだそうですけど、どんな味なんでしょうね。
古代中国の前漢(紀元前206~紀元後8)は7代皇帝、武帝の時代に一気に領土を拡大しているんですけど、現在のベトナム地域を制圧する目的で、当時の都、長安から南方面に将軍を派遣して調査を開始します。
任命された将軍が、ひとまず腰を落ち着けたのが、現在の四川省の辺り。
そこで食べた料理に舌鼓。何を使っているのかっていう話になって、枸醤っていうのを知るんですね。
で、元々はもっと南にある「夜郎国」のものだっていうんで、よりベトナム方面に近いし、そこに使節を派遣して郡県を設置することにしたんだそうです。
夜郎は「やろう」って読みますが、「いぁらん」っていう発音の方が近いのかもです。
当時、前漢の勢力の及んでいなかったエリアの中では最大の国だったらしい夜郎ですが、なにせ相手は前漢ですからね、その勢力、大きさはくらぶべくもないわけです。
だからっていってね、いきなりヨソの国に郡県を設置しちゃうって、ね、昔からそういう手段なんですかね、大国って。
ま、そういうのはまた別の話としまして、前漢の使節と夜郎国の王との折衝、話し合いが持たれるわけですね。
使節が言います。
「この夜郎国で出来たという枸醤は大変すばらしいものですね」
夜郎王が応えます。
「そでしょそでしょ。夜郎国はね、素晴らしい国で、我が国より大きい国はないからね。君はなんて言ったかね、漢っていう国から来たって言ったかね。聞いたことはないけど、あまりの大国ぶりに驚いているんじゃないかね。ま、くつろいでいってくれたまえよ」
ま、こんなに軽いノリの王さまってことはなかったでしょうけれども、漢なんかより、自分の国、夜郎の方が大きいって言って譲らなかった、この時のやりとりから「夜郎自大」っていう言葉が生まれたんだそうです。
今はあんまり耳にすることもなくなった気もしますけど、よく知られている言葉ですよね。
「夜郎自大」
視野狭窄、自分の実力を過大に自己評価することを言うんですけど、「ダニング=クルーガー効果」っていう言葉が1999年に発表されて、そういう気持ちになる仕組みが科学的に証明されつつあるようです。
アメリカ、コーネル大学のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーっていう研究者が提唱している認知バイアスについての仮説が「ダニング=クルーガー効果」
「能力や専門性や経験の低い人は、自分の能力を過大評価する傾向がある」
っていう、けっこうシビアな仮説なんですよね。
2人の発表した論文は、謙虚な論文って評価されていたりするんですけどね。
「未熟と不注意:過大な自己評価へと導く自分自身の無能力を認めることが、どれだけ困難であるか」
っていうタイトルの論文に対して、2000年のイグノーベル心理学賞が与えられています。
イグノーベル賞!
1991年にイスラエルの科学雑誌「再現不能な結果ジャーナル」が主催となって始まったイグノーベル賞ですが、1995年からは同じ編集者によってアメリカで創刊された「ありそうもない研究年報」が主催になっています。
日本人のイグノーベル賞の受賞者ってけっこう多いですからね、この賞の存在を知っている人は多いと思います。
1999年イグノーベル化学賞。「Sチェックの開発」
Sチェックっていうのは、夫のパンツに吹きかけることで浮気を発見できるスプレー。
ホントかよっていう商品ですね。
2004年には「カラオケ」がイグノーベル平和賞を受賞していますよ。
曰く、
「歌によって相手に苦痛を与えるためには、自らも相手の歌による苦痛を耐え忍ばなければならない」
ま、そういう、わっはっはもありますけど、ダニング=クルーガー効果みたいなシビアなものもあるんですね。
ってまあ、受け止め方の問題かもしれませんですが。
何かをやり始めた時、新しいジャンルの勉強でも、ジャンルの違った仕事でも。
最初に現れる、初期段階のダニング=クルーガー効果が「バカの山」
そのジャンルの初期段階の知見を得て、全能感に包まれて、自信に満ちている状態。
全能感、でしょかねえ。
ここで終わってしまうと、救いようのないことになっちゃいそうですけれど、少し学習、経験が進んでくると「絶望の谷」がやってきます。
なんとなくその全体が見えてきて、自分はまだまだだった、って気付いて、ガックシ!
でも諦めずに精進していくと「啓蒙の坂」に行きつきます。
けっこう解って来た。でも、まだまだだ。がんばるぞ!
で、続けていくと「継続の大地」が見えてくる。
この段階になれば、自己評価として、至極真っ当な判断が出来るようになる。
っていうようなものなんですね。
「バカの山」状態の視野狭窄の人って、実はけっこういたりしますよね。そういう現代社会。
で、また、ダニング=クルーガー効果のオメデタイ人とは真逆の、自己評価の低い人っていう困ったちゃんもいるんですよね。
こちらは「インポスター症候群」っていって、1978年にネーミングされた「症状」です。
他人をだましているっていう思考にとらわれてしまって、自分を詐欺師的だって思っちゃうんで「詐欺師症候群」なんていう言い方もされています。
1980年代ぐらいには、社会的に成功した女性に「インポスター症候群」が多いっていう研究結果が出されていたみたいなんですが、最近では男女差はないってことになっているみたいです。
けっこう優秀な人たちが陥りがちな症状なのかもしれませんね。
威張るバカと、消極的な有能者。
インポスター症候群の男女が、会社の上役に昇進していくことは充分にあり得ると思いますが、政治家になろうとは思わないんじゃないでしょうかね。どうでしょう。
逆に、バカの山の頂点にいる人が立候補したがる傾向っていうのがありそうに思います。
まあね、そういう人が当選しちゃうことって、そんなにないんだろうなあって、思いたいところではありますが、バカが実際に当選しちゃって、なんでだか大臣とかになっちゃうことも、あったりしている、のかもですよね、日本は。
そう思いません?
あの人たちの自己肯定感の強さって、どこに根拠があるのか分かりませんもんね。
地方行政。
職員の女性にたいする傷害罪で罰金刑が確定していた、千葉県長生村の村議会議長が、当初、議員を続ける意向を示していましたけど、議員辞職したっていうニュースがありました。
ああいう人って、まさにバカの山の頂点にいるからこその万能感を持っているんでしょうね。
周りにまともな人もいるってことで、諫められての議員辞職っていう運びになったんでしょうけど、たぶん本人は納得してないんだと思います。
自分から山を下りてくるようなタイプじゃなさそうですもんね。
千葉県にある唯一の村として、観光事業にもチカラを入れているってことでしたけど、長生村ね。プラスのベクトルにはならないでしょうね。
声の大きい人、っていうのが、まだまだ幅を利かせているのが日本の政治だっていうことなのかもですよねえ。
中央だって国政だって似たようなものかもしれません。
っていうか、アメリカもドナルドさんっていましたもんね。
アメリカの方がバカの山の標高は高いんでしょうか。
地域とか国とか、民族とか、年齢とか、関係なさそうな気もしますけどねえ。
普通にバランスをとって生活するって、意外に難しいことなのかもしれません。
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