< ルールがよく分からなくたって ラグビーの肉弾戦は興奮ものです ラガーマンはカッコイイですしね >
江戸時代も終わりかけていた文政6年、1823年。江戸は本所亀沢町っていいますから、現在の墨田区両国の辺りで、あの勝海舟(1823~1899)が産声をあげたんだそうでございます。
同じ年、所は遠く離れてイギリス、ウォリックシャー州ラグビーにあるイングランド最高峰のパブリック・スクール、ラグビー校の校庭。
フットボールに興じていた少年たちの内の1人、ウィリアム・ウェブ・エリス(1806~1872)が、何をどう勘違いしたものか、突然ボールを抱えて、相手のゴールを目指して猛然と走り出した。
この瞬間からラグビーの歴史は始まった、ってされているんであります。
なんやねんそれ!? っていうような話ではあるんですが、ラブビー・ワールドカップの優勝記念カップが「ウェブ・エリス・カップ」って呼ばれることから、このエピソードはなんだかホントっぽいんですよね。
ただですね、1823年です、400年前のエピソードです。
フットボールもサッカーも、ラグビーだって今のようにルールの定まったスポーツじゃなかった時代なんですよね。
サッカーの発祥につながったフットボールですが、400年前はボールを手で触っちゃダメっていうルールでもなかったそうで、ウェブ・エリスがボールを手で持って走り出したっていうこと自体は、それまで誰もやったことがなかったにしても、それほどビックリするような素っ頓狂な行動でもなかったらしいです。
ま、なんにしても、こうした「直感」に基づいたプレーが、他にもいろいろあって、やがてルールが決められていって、サッカーとラグビーに分かれていったっていう歴史があるんだそうです。
ラグビーっていう地域のラグビーっていう名前のパブリック・スクールの生徒だったウェブ・エリスが、ラグビーのスタートだっていうことにしている楕円のボールで行う競技がラグビーなんですね。
ってことは、ウェブ・エリスがなんなく得点をあげて、だったら自分も、っていうプレースタイルが一気に広まったのかもしれませんね。
徳川幕府が崩壊し始めた頃のイギリスの高校生たち。世界は広いって言いますか、なんて言いますか。
ラグビーに限らず、スポーツ競技のルールって常に変更されたり、あらたに付け加えられたりし続けていますけれど、今現在、ラグビーっていう競技には13人制の「ラグビーリーグ」と、15人制の「ラグビーユニオン」っていう2種類があるんだそうです。
日本では21世紀に入ってから急に盛り上がりを見せている感じのラグビーは15人制ですからユニオンの方なんですね。
その他に7人制のラグビーユニオンは各種競技大会の正式種目に認定されたりしてもいますね。7人制ラグビーっていうのも聞いたことがあると思います。
リーグだユニオンだ、13人制だ15人制だ、そんでもって7人制だって、なんやねん!? そんなん知らんがな!
って人もね、日本では多いんじゃないかって思います。今のところはですね。
日本のラグビーは聖地として、大阪府東大阪市の花園中央公園の隣りにある「東大阪市花園ラグビー場」と、東京都港区明治神宮外苑内にある「秩父宮ラグビー場」が知られています。
花園ラグビー場は日本初のラグビー専用スタジアムで、全国高校ラグビー大会の甲子園なんていう言い方も定着していて、高校ラガーマンの憧れの聖地になっています。
わたし自身も目指せ花園、ってなもんでしたが、まあねえ、結果は、さっぱりでしたけどね。
競技としての人気は昔からそこそこあったと思うんですけど、世界大会とかになると日本チームがテレビに映ることもありませんでしたし、メディアで取り上げられることもなかったですね。
何故かっていうのは簡単なことで、日本チームは決定的に弱かったからです。
大きな体で俊敏に動けるラガーマンは、日本人には少なかったですからね。
日本リーグは新日鉄釜石チームだとか、人気の常勝軍団がいたりして盛り上がってはいました。でもまあ、世界に対してはどうもね、身体が違いまっせ、とかいう感じでした。ずっとね。
そりゃあね、身長2メートル、体重150キロとかいう外国選手と、まともにぶつかり合ってたら、すぐに壊れちゃいます。カテマヘン。
それでも観賞するスポーツとして注目され始めたのは、2019年第9回ラグビー・ワールドカップが日本で開催されてからなんじゃないでしょうか。
最近は日本チームも強いんだよ、とか言われ始めて20年ぐらい経ってましたね。
で、ホントに強くなっていたことを実感できましたよね、日本のラグビーチーム。2019年大会は感動ものでした。
スクラムでも負けていませんでしたし、ジャッカル連発でしたもんね。
強豪相手に、繋いでつないで、トライ!
その昔を知るものたちからすればナミダもんでしたです。
凄いぞ! ホンキで強いやんけ!
このまま一気にラグビー人気に火が点くかって思ったんでしたが、コロナでね、スポーツ観戦そのものが、なんかアサッテの方に行っちゃって、ラグビーからズレていってしまいましたですね。
そして今年、行動制限が世界的に緩和された2023年、ラグビー・ワールドカップ・フランス大会の結果は残念でした。期待していたんですけどね。
勝てませんでしたけど、ちゃんと試合にはなっていたと思います。昔のような、カテマヘンっていう結果じゃなかったです。
スポーツバーでのテレビ観戦でしたが、見入っちゃいますね。いつの間にか身体にチカラが入っちゃいます。手に汗握る、見ているだけで疲れちゃうラグビー観戦。
ろくに防具も付けていない身体でぶつかり合う球技。走り回るスピードとタックルをかわす身体のキレ。ノッコンの判定が、ちょっと納得できないこともありますが、ルールも単純ですし、経験者もそうでない人も、血沸き肉躍る気持ちで画面観戦に張り付いてしまうのがラグビーなんじゃないでしょうか。
チケットがなかなか取れないぐらいの人気になっていますが、実際にグラウンドで観戦できると、ドカッていうぶつかり合いの音がリアルで、迫力が違いますよ。機会があれば是非、グラウンドで。
サッカー・ワールドカップの時もそうでしたが、「にわかファン」でイイじゃないですか。
ルールがよく分からなくたって、充分に興奮できる観戦になると思います。
マナーの悪い選手がどこの国の選手でも極端に少ないのがラガーマンのカッコイイところです。思いっきり応援しませう!
世界レベルになった日本のラガーマンたちですが、次は是非、勝ちをものにして欲しいところです。
戦勝祈願って言えば、有名なのは東京、亀戸の「亀戸香取神社」
ま、その土地ごとに戦勝祈願で有名な神社仏閣ってうのがあるんでしょうけどね。
亀戸香取神社は、藤原秀郷、源頼朝、徳川家康が戦勝を祈願した社なんだそうです。
今はスポーツ振興の神として知られています。
いや、でもね、スポーツ一般ってことじゃなくって、ラグビーに特化した神さまっていないんでしょうか。
ってことで探してみますと、なんと「ラグビーの神さま」っていうのがあるんでした。
日本にですよ。あるんです。
「丸の内ラグビー神社」
丸の内15丁目に、期間限定で建立されたんですね。話題になりましたです。
期間限定とは言いましてもですね、由緒がないわけじゃないんでした。
ちゃんとしたって言いますか、元々のラグビー神社っていうのが、京都、下賀茂神社の境内にある「雑太社(さわたしゃ)」なんだそうです。
御祭神の「神魂命(かんたまのみこと)(かみむすび)」の魂っていう名前が玉に通じるっていうことで、球技上達の神さまとして祀られているんですね。
下賀茂神社では正月4日に毎年「蹴鞠初め」が奉納されていますよね。
直截にラグビーの神さまってことじゃないみたいですけど、蹴鞠ってことで、由緒正しい感じですねえ。
ところが明治43年、1910年に雑太社の目の前、糺の森馬場で関西で初めてのラグビー競技が京都大学と慶応大学の間で行われて、雑太社が「ラグビー第一蹴の地」として石碑が建立されて、正式(?)にラグビー神社になったみたいです。ラグビーの神さま、京都におわしますです。
「丸の内ラグビー神社」は、この雑太社の神さまをお招きして期間限定でカミダノミ、しましょうっていうことだったわけですねえ。
2023年、フランス大会は決勝トーナメントに進めなかった日本ラグビーチームでしたが、次回、第11回ラグビーワールドカップ2027年大会は、オーストラリアで開催されます。
2027年にも「丸の内ラグビー神社」は設置されると思います。
でもまあ、本家本元の下賀茂神社、雑太社のラグビーの神さまを、まずはお参りしたいところですねえ。
ちなみに、ラグビーをするからラガーですけど、ビールの種類のラガーね。
あれは低温で貯蔵して熟成させたビールのことなんですが、ドイツ語の貯蔵「LAGERN(ラーゲルン)」からきているんだそうです。
ラガーとラガー。どこにも接点はありませんが、ラグビーワールドカップで日本のラガーマンたちが勝ち名乗りをあげたら、そりゃもちろん、ラガービールで乾杯! でしょねえ。
ラグビーに詳しい人も、にわかファンも、一緒に盛り上がりたいです!!!