< じゃあ男は っていえば そりゃ ほら てるてる坊主でしょ >
♪あ~した天気にしておくれ
ってことで軒に吊るすっていうのが「てるてる坊主」
やったことのある人も少なくないんじゃないでしょうか。昭和の人はね。
子供の遠足とか、運動会の前の日にやるんですよね。おまじない。
21世紀、令和の日本でもやっているんでしょうか。
もしかするとかなり希少な風物、みたいになっているのかもですね。だってほら、今、日本の住宅事情を考えてみると、そもそも、てるてる坊主を吊るす「軒」っていうのが無いですよ。
マンションのベランダ。物干し竿に、っていうのがせいぜいでしょうか。
でも、それもですね、平成のころからでしょうか、ベランダにモノを干しちゃいけませんってことになっているマンションも少なくないんですよね。
タワーマンションだとか、かなり高さのあるビルが多くなったせいもあるんでしょうけれど、ベランダから洗濯物、あるいは布団なんかが落下してくるのはかなり「危険」
なのでマンションのベランダから、てるてる坊主のみならず、いろいろ吊るしたりしちゃいけないことになっているんでございますよ。
それにね、昭和の時代にはどこの家庭にも当たり前にあったんだろう余り布。今、無いでしょ。100均にはあるんでしょうか。たぶんおそらく、無いですよね。
古着屋さんとか、今ではすっかり希少価値の「洗い張り」屋さんとかの店先に「はぎれ」とか書いたプラカードと共に重ねて売られているのを見るぐらいですね。
なんかね価値観とかさっぱり分かりませんが、はぎれを見るのって嫌いじゃないです。
uribouさんの「紬とウィスキー ~ウイスキーブログと着物生地のブログ~」では、さまざまな着物生地を掲載して見せてくれていて、ふふ~んって楽しませてもらっています。
でもあれですね、柄物の生地だと、てるてる坊主には向かないんでしょうね。白、ですもんね。
黒い生地で作ったり、さかさに吊るす「ふれふれ坊主」っていうのもあるんだそうですけど、歴史的って言いますか、雨に関しては降らないでねっていうより、日照り続きで作物がとれないから降ってねっていう雨乞いの方が大々的だったでしょうから、ふれふれ坊主っていうのも、そんなにマイナーなものでも無いのかもしれないですね。
天気っていう自然現象に、人の願いを届けたいっていう気持ちの表現がてるてる坊主、ふれふれ坊主なんでしょうけれど、昔からね、人々は神さまにいろいろと願い事をして暮らしてきました。
代表的なのが「合格祈願」
天神様にお参りして、どうか〇△高校、□〇大学に合格できますように、って絵馬に書いて奉納します。
平安時代の大学者「菅原道真」を祀った天神様は一般の我々にとっては「学問の神様」ですので、その学識にあやかって合格祈願をするわけですが、そもそも菅原道真は「雷神」として祀られているんですよね。
陰謀に巻き込まれて都から大宰府へ流された菅原道真が憤死すると、日照り、疫病が続いて、さらに都の清涼殿を落雷が直撃して貴族を含めた多くの人死にが出たんだそうで、それは菅原道真が恨みを晴らしたものだろうっていうことで、天神様の力が信仰の対象となって一気に広まったんでしょうね。
京都府上京区馬喰町の「北野天満宮」と、福岡県太宰府の「太宰府天満宮」が有名ですけれど、どちらかがどちらかに勧進を与えたっていうような関係はないんだそうで、それぞれ独自に創建されているらしいです。
ってことですみ分けているみたいですね。
天神様は日本全国にたくさんありますが、東京にもけっこうありますね。ウィキで見ると19社。
でもやっぱり多いのは京都、22社。大阪、27社。福岡県、20社ってなってます。
天神様に願掛けするのは、高校、大学受験の受験生ばかりじゃないですね。
もう1つのメインが「気象予報士試験」に挑む人たちなんだそうです。
どうか、気象予報士試験に合格しますように、ってことですね。
気象予報士って、かなりの難関らしくてですね、1994年に制定されてからの平均合格率は「5%」
めっちゃ難しそうです。お天気オネエサンたちって凄いんですねえ。
単に受験だからってことで天神様、っていう気象予報士受験生も多いのかもしれませんけれど、雷神様ですからね、お天気にも関係の深そうな神様です。
ところがですね、なんと日本には「気象神社」ってのがあるんでございますよ。
日本広しとはいえ、東京、高円寺の「高円寺氷川神社」境内にある、唯一の気象神社。
ここの絵馬は下駄です。下駄に祈願を書いて奉納するんですね。
下駄を飛ばして「あした天気になあれ」っとかね、マンガでしかみたことないですけどね。そもそも庶民の履物として下駄が一般的じゃなくなりましたもんね。
さすがの中村雅俊さんも、令和では履いていないんじゃないですかね。(通じないかなん?)
気象神社の授与品には「気象予報士合格守り」っていうのもあります。500円!
気象神社の御祭神は「八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)」
知らんがな! でしょうけれども、まあ、あれですよ、記憶から消えているだけかもしれないですよ。
っていうのはですね、このオモイカネノミコトっていう神さまは、例のアマテラスオオミカミが天の岩戸にお隠れになったときに、なんとか出てきてもらおうと八百万の神が集まって相談した時に、どうすればイイのかっていう知恵をみんなに授けた神様なんです。
ね、知ってるはずですよね。でも、名前はね、聞いたのかもしれないけど、ねええ、です。
日食の現象だろうって言われている天の岩戸の逸話ですけれど、再び太陽を取り戻した神様ってことで、オモイカネノミコトは気象の神様なんですね。エライんです!
気象予報士を目指す人にはあまねく知られた気象神社なんでしょうけれど、ここにはですね、もう1つ、別の集団がお参りに来ることでも知られています。
通称「雨女」「雨男」っていう人たちです。
あの日、雨が降ったのは自分のせいかもしれないって気にしちゃう人は、真剣に悩むこともあるみたいです。
でもねえ、日本は比較的雨の多い国なんだそうですし、なにか野外でのイベントをやろうとしたときに、雨に降られるって経験している人ってめちゃめちゃいるでしょ。
って思うんですけど、いいや、自分は特にそういう運命を持っているんですって信じちゃっている雨女、雨男っていう人も少なくないんだそうですね。
そういえばあの時、雨だった。あの時だって最初は晴れていたのに途中から豪雨になっちゃった。っていうエピソード記憶。その時に同じ目に遭った人も大勢いるはずなのに、自分1人で責任を負っちゃう。
だれか意地悪な人から「あんた、雨女ね」なんて指摘されようもんなら、確証バイアスを自分で自分にかけちゃう。
いろいろ調べ始めちゃったりして、当人が満足するように、誰にでも当てはまるような、分かりやすい要点を読んだりすれば、それはもうハッキリとバーナム効果ってやつにやられちゃいそうですよ。
でもですね、歴史的にホントにいることはいるらしいんです。雨女って。
男はいません。いるのは雨女だけです。文献に残っているのはですね。
江戸時代、1781年に刊行された「今昔百鬼拾遺(こんじゃくひゃっきしゅうい)」っていう妖怪画集に雨女が出てきているんですが、「もろこし巫山の神女は 朝には雲となり 夕には雨となるとかや 雨女もかかる類のものなりや」ってことなんですね。
もろこしのっていうのは、紀元前3、4世紀の中国、戦国時代の楚の国のこと。
楚の懐王が旅に出て、眠りの中で巫山の神女と契りを交わした。
って戦国の世の中で旅したり、淫夢をみたりとか、何してんねん! って感じもあるんですが、懐王の夢に現れた神女こそが雨女なんですね。
日が昇っての別れ際、雨女はこう言います。
「王よ、私たちは離れはしません。朝には雲となって、暮れには雨となってお目にかかります」
ってことで、男女のかたい契りのことを「朝雲暮雨(ちょううんぼう)」って言うんだそうです。
しかしまあ、2000年も前の「もろこし」の話を妖怪画集の中で復活させた「鳥山石燕」って人もなかなかですね。
「今昔百鬼拾遺」は、雲、霧、雨の上中下3巻構成みたいですが、雨女の絵はなんでだか霧の巻に入っていますよ。
でもまあ、神女の変化した雨ならなんとなく納得できそうな感じも、無きにしも非ず、って言えそうですけれど、雨が男じゃね、風情も何も無いです。でもない?
実際に自称している人は居ますからね、男も、もちろん女も。雨男、雨女ってことになっちゃうわけですね。
で、お参りします。神頼み。
「よくお問い合わせを戴いておりますが、「脱雨男」「脱雨女」などのご祈祷はございません。気象神社に参拝されて、下駄絵馬を奉納したり、お守りを大切にお持ちください。その結果、雨男や雨女を脱したという感謝の声が届いております」
「八意思兼命」のお力の圏外です! ってことではありそうですが、見捨てているんじゃないんですね、ちゃんと「晴守り」「てるてる守り」「好天守」っていうのをご用意しておられるですよ。
いいや、そんなんじゃ納得いきませんね、っていう人向けにはこういうのもありますよ。
「自分たちの「レイニーパワー」を世の中のために使いたいという目的で活動する実在する団体です」
ってことなんでありましてね、ネガティブからの脱却を実現しておられる方々の協会なんですね。
発展的~!
協会の名前、雨女が先に表記されていますね。たぶんおそらく、正しい協会なんだと思うでありますよ。知らんけど。
♪ぴっちぴち ちゃっぷちゃぷ らんらんら~ん
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