ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【八丁味噌】尾張名古屋は「味噌」で持つ 岡崎の話なんですけどね

< 伊勢は津で持つ 津は伊勢で持つ 尾張名古屋は「城」で持つ がホントですう >

聞いたことありますよね。伊勢音頭っていうんだそうです。


名古屋城ねえ。金のシャチホコ、有名ですもんねえ。
でもまあ、お城は食べられませんからね。シャチホコさんだってエビフライじゃないわけだし。


っとかね、罰当たりなことを腹減りアタマでブツブツとつぶやいておりますですよ。


ちなみに、名古屋城の最上階の屋根に、南北方向に乗っている2匹の金のシャチホコですが、北側のシャチホコが雄、南側が雌なんだそうですよ。なるほど夫婦だったんですねえ。


なんだってまた名古屋の話をしておりますかって言いますとですね、きょうもきょうとて、冬の寒空、冷たい風に煽られながら鼻水垂らして、なんとかたどり着きました焼酎バー


めっちゃ冷えているんですけど、芋焼酎ね、お湯割りにせずに、でもまあ、とにかく身体が冷え切っておりましたので常温でキでいただくことにしました。


と、大将が、
「まず、これで温まってくださいよ」
ってニコニコとカウンターに出してくれたのが、赤だしだったんでありますよ。


すっごく久しぶりの赤だしです。豆腐となめこ
熱々です。旨いです。口の中、食道、胃袋と順繰りに温まっていきます。沁みます。有難いです。


赤だしって、かなり満足度高いです。


キでいただく芋焼酎は、珍しい茨城県産の「漫遊記」すっきりした焼酎です。
交互に摂取。どうにか人心地が付いてきました。


っていうか、外に出なければそんなに冷えることも無いんじゃないの、ってなもんなんですけど、ま、酒呑みっていうのはこんなもんでしょ。部屋に酒がないわけじゃないっていうのにね。

 

 

 


その焼酎バーにはどて煮だとかの八丁味噌煮込みのメニューがあって、赤だしも当然ながら八丁味噌です。
汁物もアテとしてけっこういけるもんがありますよね。
スープじゃなくって汁物って呼んでおきたい酒呑みごころ、なんであります。


中でも赤だしはサイコーだと思います。


で、大将と赤だしの話をちょこっとしたんですけれど、赤だしっていうの、八丁味噌が基本だと思っていたんですけど、八丁味噌じゃない豆味噌をベースにした赤だしの方が多いんだそうです。


ふんふん、豆味噌ね。
八丁味噌って豆味噌のなかの1つの種類ってこと?


たぶんね、ってことでその場はそれ以上八丁味噌の話を続けませんでしたけれど、なんかね、後から調べてみますと、八丁味噌ってひと騒動の最中だったんでありますよ。


八丁味噌の何でモメテいるのか。何が問題なのか。


それは、八丁味噌っていう名乗りについて、みたいなんですよ。
八丁味噌って名乗れるのは、っていう八丁味噌の独特性解釈について裁判沙汰。


八丁味噌が独特なもんだってことは誰でも知っていると思いますけれど、なんで裁判沙汰に? って思いますよね。
そんなことになっているとは、ちっとも知りませんでした。


まあね、そもそも味噌の種類っていうことからして詳しくは知りません。


普段、味噌が話題にのぼることっていえば、赤味噌白味噌か、はたまた合わせ味噌かってぐらいで、豆味噌って赤だし以外では知らないなあっていうレベル。
味噌って昔は各家庭で作っていたっていうものなんだそうですけど、今はねえ、どこの家でもマルコメ君とか、ハナマルキでしょねえ。


全国的に出回っているのは「米味噌」っていう、米麹で大豆を発酵させたもの。
味噌の種類って「麹(こうじ)」で決まるんだそうです。


この米味噌の種類として赤味噌白味噌っていうのがあるみたいです。麴味噌っていうのもありますね。材料は同じでも大豆、米麹、製造方法によっていろいろ違ってくるんでしょうね。

 

 

 


種類、めっちゃあります。


米味噌をあんまり使わない地域が中京地方、九州地方、愛媛県山口県
ってことで、日本のほとんどの地域で使っているのは米味噌なんですね。


九州地方、愛媛県山口県で多く使われているのが、麦麹で大豆を発酵させて作る「麦味噌」


そして中京地方の、愛知県、三重県岐阜県で多く使われているのが豆麹で大豆を発酵させるっていう「豆味噌」なんですね。


つまり、大豆と塩、水だけで作られた味噌が豆味噌。
この豆味噌で作るのが赤だし。


ただ、豆味噌、イコール、八丁味噌じゃないっていうあたりが裁判になっているみたいなんですよ。


八丁味噌っていうのは、「二夏二冬」っていって米味噌、麦味噌の倍ほどの手間をかけて天然醸造されたもの。
歴史はけっこうハッキリしているんですよね。


徳川家康の居城だった岡崎城から西へ「八町」離れていた土地、八丁村で味噌製造が始まったっていうことらしいです。
八丁村の味噌だから八丁味噌


長さの単位としての一町は一丁とも書きますが、メートル法でいうと109メートルですから、八町っていうとお城から870メートルの距離ですね。


東海道が通っていて、その南側に「まるや八丁味噌」北側に「カクキュー」っていう2軒の味噌屋さんがあって、江戸時代に八丁味噌を製造したのが始まりなんだそうです。


八丁味噌の問題っていうのは、農林水産省が2015年から施行開始した「地理的表示制度(GI: Geographical Indication)」から報道されるようになった感じなんですが、実はかなり前、1981年にカクキューが社名を「合資会社八丁味噌」に変えて、八丁味噌の商標登録を申請したあたりから始まっているんですね。


八丁味噌の商標登録は、1983年に特許庁が拒絶。ただちに合資会社八丁味噌が審判請求。


1989年、不成立。ただちに合資会社八丁味噌が再審判請求。


1990年、東京高裁がこれを棄却。
八丁味噌とは、愛知県岡崎市を主産地とし、大豆を原料とする豆味噌の一種であり、八丁味噌なる文字は、該商品を指称する普通名称であると認められる」


「ただしこれはあくまで「合資会社八丁味噌」という8文字の言葉に対してであり、「八丁味噌」という言葉に対する拒絶を意味するものではない」


ん~。いろいろヤリトリしたんでしょうけれど、なんだか灰色結審な感じですねえ。


2005年に「合資会社八丁味噌」と「まるや八丁味噌」は「八丁味噌協同組合」を設立します。


2006年に地域団体商標制度っていうのが始まったんで「八丁味噌協同組合」は「八丁味噌」を商標出願します。
これに対して愛知県の団体「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」が「合資会社八丁味噌」と「まるや八丁味噌」の2社が「八丁味噌」の名前を独占することに反対。


岡崎市八帖町(はっちょうちょう)以外でも、愛知県で作られている豆味噌に「八丁味噌」の名前を使いたいってことなんでしょうね。
江戸時代の八丁村は八帖町になっていたんですね。


地域名が「ハッチョウ」で「チョウ」なんだから「マチ」って読む方が読みやすいのに、って関係ないことを思ったりもしますが。

 

 

 


2009年、「合資会社八丁味噌」と「まるや八丁味噌」は「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」を脱退します。


農林水産省が2015年から「地理的表示制度(GI)」を施行するだいぶ前から「八丁味噌」っていう名前の使用についてトラブルを抱えていたわけですね。


「地理的表示制度(GI)」には「八丁味噌協同組合」と「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」が「八丁味噌」の登録を申請します。当然ですよね。


農林水産省八丁味噌原産地の「岡崎市八帖町」っていうのを「愛知県」に変えられないかっていう調整を図ったみたいなんですが、八帖町の味噌だから八丁味噌でしょ、っていうのはごく自然な主張のように思えますね。折り合いはつきませんよ。


この辺の折衝がどういうものだったのか分かりませんが、農林水産省は2017年、八帖町の「八丁味噌協同組合」に申請の取り下げを要請したんだそうです。
複雑、ダークグレー、こんがらがった忖度文化、なのかもです。


「地理的表示制度(GI)」は「産地に関わる利害関係者の合意形成が必要」っていうものなので、自分たちが申請を取り下げれば合意形成が出来ていないことは明白、当然「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」の申請も無効になると判断した「八丁味噌協同組合」は農林水産省の要請に応じて申請を取り下げます。


農林水産省は、一旦、ご破算で願いましては、ってことをやりたいんだろう、っていう判断。


そうしたら、農林水産省は「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」を八丁味噌の生産者団体として「地理的表示制度(GI)」に登録しちゃうんですね。


結果、「八丁味噌」の生産者から、元々「八丁味噌」を製造していた「合資会社八丁味噌」と「まるや八丁味噌」の2社が外されることになったわけです。


あれ? なんかおかしいよね、って感じです。
農林水産省。いつもは応援している省庁ですけど、アニ考えてんだ!?


2018年、メディアがこのことを報道するようになって「地理的表示制度(GI)」そのものに対する批判が政府内にも起こって、2019年に「地理的表示制度(GI)」が改正されます。


でもね、国のやることって、省庁内のアタマデッカチな最大公約数意見を通すことばっかりですからね、この改正によって、なぜだか「合資会社八丁味噌」と「まるや八丁味噌」の2社の製品は2026年以降「八丁味噌」って名乗っちゃいけないことになっちゃっているみたいなんですね。


行政不服審査会から、農林水産省の決定に対して「現時点では妥当でない」っていう答申書が出されます。


2020年、農林水産省は「八丁味噌の地理的表示登録に関する第三者委員会」を設置して審議をします。


2021年、第三者委員会は「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」の登録を妥当とする報告書をまとめます。


そりゃあ、にゃ~でしょ。
「まるや八丁味噌」は「地理的表示制度(GI)」に登録された「八丁味噌」の登録取り消しを農林水産省に求めて、東京地裁に提訴。


2022年、東京地裁は「行政事件訴訟法で定める6カ月の提訴期間を過ぎていた」っていうことで、「まるや八丁味噌」の訴えを却下したんですね。


なんだか全然、わけ分かりません。


「まるや八丁味噌」はただちに控訴手続き。
どうにかならないの!?


八丁味噌の元祖が八丁味噌を名乗れないっていうのは、どう考えてもオカシイよねっていう抗議を示すためなんだと思いますけど、岡崎市八帖町のエリアのうち「合資会社八丁味噌」と「まるや八丁味噌」2社の敷地計約2万8400平方メートルを「岡崎市八丁町」に町名変更しちゃいました。


今までの八帖町の面積の2割ぐらいだそうです。


つまり、「八丁味噌問題」は2023年現在、継続中ってことなんですね。


ん~。
「地理的表示制度(GI)」っていうのは、海外産品に対する自衛措置が主目的なのかって思っていたんですけどね、国内でこんなことになってしまっているっていうのは、なんとも情けないことです。


あのね、「八丁味噌」は旨いんですから。ホッとする味わいなんですから。関係者一同、大人の対応を願いたいと思いますですよ。


合資会社八丁味噌」と「まるや八丁味噌」の「八丁味噌」は他の味噌に比べて抗酸化作用の強いっていうことは、かなり前から海外の検査機関からも認められていますよね。


愛知県の味噌メーカーが「八丁味噌」っていうブランド名を使いたい気持ちも分かる気はしますし、農林水産省の立ち位置も難しいところなんだろうなって思いますけど、ホンモノが退けられるっていう結末になっちゃうんだとしたら、あまりにもお粗末でしょねえ。


名古屋めしはたいてい旨いのです。

 

八丁味噌の「どて煮」「味噌かつ丼」大好きです。
味噌かつ丼にかかっている、あの黒い八丁味噌ベースのソースが最強でしょ!    

 

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