< なんの気負いもなく いつのまにかグラスの酒を流し込んでいるっていうのが 酒呑み >
夏バテの初期症状は、気分の落ち込みかもしれません。
暑さに嫌気がさします。疲れちゃってます。
東京都の猛暑日、35度以上の日数がこれまでの記録を塗り替えて、圧倒的に暑い夏になっているニュースが連日報道されていますが、東京だけが暑いわけじゃなくって、日本列島、ことごとく、どこででも、2023年は異例の暑さなんですよね。
って書いている残暑の今、気温的にはまだまだ夏の真っ盛りの感じです。
朝から暑いですし、日が暮れてからでも暑いです。
明日も35度以上の猛暑日が予想されます、ってニュースになっているんですけど、それよりも熱帯夜が連続して続いている方が、体力の回復も難しくなりますし、問題なのかもしれませんよね。
ずっと続いていますよ、熱帯夜。
こんなだと、やっぱりね、いつの間にか疲れてますよ。みんなね。
コロナ、実は今、第9波が来ているらしいよ。なんて言われていて、これもまた、疲れます。
「そこの裸の自転車、停まりなさい」
パトカー1台と、3台のおまわりチャリが1人の兄ちゃんを追いかけています。
兄ちゃんは素っ裸でママチャリにまたがって、大声で歌いながら中央線なしの裏通りを疾走中。
暑いですからねえ。って、そゆことじゃなくって、なんだかなあって、これまた疲れます。
エアコンの効いた室内から外へ出れば、セミも鳴かない、アリさんも地中から出てこない灼熱の世界。
生きものは、みんな疲れちゃっているんじゃないでしょうか。
散歩中の犬たちも、心なしかいつもより下を向き加減に見えます。アスファルト、レンガブロックの歩道、熱いでしょねえ。
こう暑い日が続くと、疲れもたまって来ていて、ふっと、何もかもがイヤになる。面倒くさくなっちゃう気分に襲われちゃいます。
お前だけが暑いんじゃないんだよ。みんな、そんな中で耐えながら生きているんだから、そんなに弱いようなことを言っちゃいけません。
っとかね、そんなことを自分に言い聞かせながら、日が暮れてくれば、飽きもせずに酒場の風景を思い描きます。
明るい陽光の下、賑やかで元気なビアホールっていうのも悪くはないですけど、こんなに数カ月も暑い日が続いて、ただ生きているだけで疲れてしまうような状態になっちゃいますと、静かに呑める酒場が恋しくなります。
そう思って出かけていったら、ワイワイ賑やかな呑み会が開催されていたりすることもあるんですけど、ま、それはそれで、知らない人たちでも、誰かが楽しくやっているのは悪いことじゃないですからね。
カウンターに座れば、そういう賑わいには背中を向けることになりますし、やり過ごせます。
はああ、疲れたなあっていう夜はウイスキーがイイなあって思うですよ。
ストレートかロックでね。じっくりウイスキーと向き合う。
グイグイとはいきません。ちょっとづつ、少しづつ、味わうっていうんじゃなくって、ウイスキーっていう世界観に入っていく。静かにね。
北海道、釧路、白糠町でのライブの後に心不全で倒れてそのまま亡くなったフォークシンガー「高田渡(1949~2005)」の歌に「ウイスキーの唄」っていうのがあります。
その歌の詳しいことは知りませんが、アメリカ民謡に日本語の歌詞を、他のフォーク仲間が付けた唄らしいです。
♪ウイスキーがなけりゃ夜もあけぬ
♪ウイスキーがなけりゃ死んでやる
♪腹が減ればウイスキーさ
♪泳ぎたくなりゃウイスキーさ
♪死ななきゃ死ぬまで生きてやる
妙な言い方になりますが、大真面目に酔っぱらう人が多かった世代の歌だと思います。
バブル前の昭和に歌われたんじゃないでしょうかね。
新宿ゴールデン街の店の、有線を引いている店ではよく聞こえてきた歌でした。
今みたいにジャパニーズウイスキーがもてはやされてはいないころ。遠い昔。
ゴールデン街の酒呑みたちの多くは、サントリーホワイトを吞んでいました。ちょっとお金のある人はサントリーオールド。
ケッ! たかが茶色い液体に何の差があるもんか。高いのは金のムダ!
とか思っているくせに、あの頃のゴールデン街の酒呑みたちはミョーに優しくってですね、オールドを一杯、おごってくれたりするんでした。
なんと味わいの違うことよ!
ありがとうございますう、なんでした。
そういえば最近、ホワイトって見ないなあって呑気に思っているんですけど、いまでも、ちゃんとあるんでしょうね。たぶんね。
こんなに暑いと調べる気力もないです。何もかもがメンドクサイです。
今はウイスキーブームの最中ではあるらしいんですけど、あれですよね、ストレートやロックじゃなくって「ハイボール」
食べながら呑むには最適ってことで、居酒屋さんなんかでは圧倒的な人気らしいですね。
食べながら、っていうこともあるんでしょうけれども、強いアルコールを感じたくないっていう人も多いんでしょうか。
ウイスキー、焼酎をストレートやロックで呑みながらでも、ま、普通に食べますけからね。アテはね。
アルコール度数の高い蒸留酒だからといって、とくに食べものと合わないってこともないように思います。
昔は、なんでだか、チーズだけとか、チョコだけとか、何からの影響を受けていたのか分かりませんが、ウイスキーのアテは腹を満たしてくれるものじゃなかったのは確かですね。風習。
バーが多かったからでしょうか。
カワキモノ、が多かった記憶です。
でもまあ、今は、そんなことなくって、居酒屋さんでも、焼酎バーでも、しかりした食べものメニューがありますよね。
サントリーの角をボトルキープしていてロックで呑んでいる人で、アテをピザと豚汁に決めているっていうツワモノがいます。
ピザはまあ、分かるとして、なんで豚汁なのか。大きなお世話ながら、理解できませんですねえ。
世の中にはウイスキーだからってチビチビ楽しむっていうんじゃなくって、ガブガブいくんだよおおっていう人だっているんですもんね。
どういう呑み方をして、何をアテに食べたって、その人が満足していればマルマルオッケーでしょねえ。
♪ウイスキーがなけりゃ死んでやる
っていう人も、ガブガブタイプなんでしょうね。きっとね。
でも世の中には、時代的な要因ってこともあるのかもですけど、かなりスケールの違うことを歌っちゃっている人もいるんですよねえ。
世界は広いんです。
1937年にアメリカ、イリノイ州のゴールデングローブズ・ヘビー級チャンピオンになった「ウィリー・ディクスン(1915~1992)」
その後シカゴに移住して、シカゴ・ブルースの代表的ブルース・マンの1人として活躍したんですね。
なんて言いますか、多才って言うんでしょうか、凄いですよね。
マディ・ウォーターズが歌ってヒットした「フーチー・クーチー・マン」はウィリー・ディクスンの曲です。
最近の呑み屋さんでブルースなんか流している店は、ないですね。なくなりました。
ジャスラックの方針で、お金を払わなきゃ店で曲を流しちゃダメってことになっているんですよね。
へんなことを始めちゃったもんですよね、一般社団法人日本音楽著作権協会、ジャスラック。
著作者の権利を守るためって言いながら、業界自体の首を絞める結果になっちゃあおりませんか、ってんだよ、コンニャロ。
って隣りの人が言ってます。カウンターの隣りの席の人ね。
ウィリー・ディクスンの曲で「if the sea was whiskey」っていうブルースがあります。
曲調っていうのか、歌詞に惹かれてなんじゃないかって勝手に思っているんですけど、かなり多くの人がカバーしている歌なんですね。
女の人でもカバーしている人がけっこういて、男が歌っているのとはまた、違ったニュアンスに感じられて面白いです。女の酒吞みっていうのも多いですしね。
♪もし海がウイスキーだったら
♪アタシは潜っていくアヒルよ
♪底の底まで行っちゃってね
♪戻って来るかどうかなんて分かんないわよ
酒もってこ~い、っていうスケールじゃなくって、酒の中に飛び込んで潜っていっちゃう。
そういう発想はないですけど、ウイスキーを呑みながらね、ゴーグル付けて潜るのかなあ、とか、くだらないことばっかり考えるもまた、楽しい酔いです。
鯨飲なんて言葉もありましたけれど、ウイスキーの海の中に生き物なんていないでしょねえ。
いえいえ、酒呑みのサカナが充血した目で泳いでいるでしょ、アカメ。知らんけど。
梅酒のロックをやっていれば、もうちょっと正常な発想になるんでしょうか。
暑さのせいで弱っちゃって、ちょっとやられてきちゃった精神には、酒でしょねえ。ウイスキーです。
ウイスキーの海からあがってくれば、しばらくは生きていかれます。ね。
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