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【あらばしり】忍者の走り方のひとつですか? けっこうガサツに走るとか?

< ちょんまげ時代は袴の腿部分を左右それぞれ両手のひらで抑えて走るのが正式だったみたいです >

酒場で、新しく仕入れたノウハウを自慢気に御開帳している御仁っていうのは、どこにでも、いつの時代にもいらっしゃいましてね「ワインっていうのは、正式には、こうして酸素を含ませながらね」とかやっている人、まだいますね。


ちょっとウルサイです。


仕事での利害関係のある人なら「ははあ、そですか。さすがツーでいらっしゃる」とか、そんなコミュニケーションになるんでしょうけれど、周りの、利害関係のない人たちからしてみれば「ばあか」っていう捉え方でしょねえ。


酒の呑みかたなんかをゴシドウいただかなくたってケッコウです。


酒を呑み始めたばっかりで、右も左も、っていう人であれば、へええってな感じでアリガタク聞く人もいるかもですけど、もうね、一丁前に酒呑みになっている人たちは、正しい呑みかたなんてもんがあるんだったら、それはあんたがやればイイんでないの? こっちはこっちで好き勝手にやらせていただきます。
っていうあたりが普通なんじゃないでしょうか。

 

 

 


酒呑みっていうのにもいろいろありましてね、いろんな人がいます。
みなさん、個人こじんで好きずきにやるのがよろしいんでございますよ。


呑むならコレ。酒類も銘柄もこれ1つ。これと決めたらこれしかないっていう人もいますね。
ただね、こういう一徹な酒呑みっていうのは、このところメッキリいなくなってきました。って気がします。


人が変わったんじゃなくって、呑み屋業界の方が、酒を提供する側が変化していますからね。そうならざるを得ないようなところがあるんじゃないでしょうか。


日本酒のジャンルは特にそんな感じを受けます。


一時期、スパークリングなんてのもありましたね。わりと、好きでした。わりと。


日本の酒っていえば日本酒、清酒です。
スナックやバーで出されるアルコールはウイスキーがもてはやされた時代があったんですが、その頃でも赤ちょうちん、屋台で呑む酒は、ほぼ100%日本酒でした。しかも2級酒が多かったんだそうです。


昭和の中頃までの酒の呑みかたは、とにかく泥酔。そうならなければ終われないっていうような空気感があったっていう話を何回も聞いたことがあります。


酒っていうのは酔うための液体であって、味わいなんて誰も気にしていなかった。
ええ~!? そなの?


そんな昭和の中頃に、サ~ンゼンと現れたのが、新潟県産の「越乃寒梅」


この端麗辛口が一気に日本中に浸透して初めて、日本人が日本酒の旨さを知った、っていう言い方も出来るのかもしれません。


酒といえば灘、伏見でしょっていう酒呑みの意識が変わって、米どころ、酒どころ、新潟っていうのが新たな常識になって、世は端麗辛口日本酒ブームになります。


酔っぱらうための液体から、味わうための日本酒へ、酒存在のパラダイムシフトです。


日本社会もバブルを経験して生活のクオリティなんてことを言い始めるようになっていましたし、一旦、味わいだとか風味だとかってことに気が付きますと、日本人ですからね、あっという間にこだわりの銘柄ってことになっていきます。
灘だって、伏見だっていろいろ工夫し始めますよ。


日本全国の米どころ、日本酒変革です。


と、吟醸酒がもてはやされるようになって、日本酒ブームがやって来ました。


まあね、ブームっていうのは長続きしないもんで、日本酒冷遇の時代も長いんですよね。

 

 

 


で、健康食ブームっていう世界的潮流の中で、日本食が注目されて、食前酒にはどの日本酒がお勧めとかいっちゃって、ディナーコースの中に組み込まれるような形で、海外で日本酒の評価っていうのが上がってきたのが2000年ぐらいからでしょうか。
もっと前から始まっていたのかもしれません。


そうなりますと、濃厚な味わいの日本酒が見直されたりりなんかして、昔からの銘柄が復活っていうより、とても覚えきれないぐらいの銘柄が毎年のように新しく登場して来ていますよね。


2020年のデータでは、日本の酒蔵の数は1400ほどあるんだそうです。
へええって思いますけど、この数、減り続けているんだそうですね。


昭和の全盛期では7000蔵ほどあったそうですからね、だいぶ減って来ているんです。


そうした酒蔵から出されている銘柄数は1万以上だってされています。


相当な日本酒好きでも、1万銘柄の中から自分好みの1本を限定するっていうのは、なかなか出来ることじゃないでしょうね。


でもやっぱり、いろいろ試してみたいじゃないですか。酒呑みとしては。


居酒屋さんによっては、一升瓶をずらりと並べてあって、次々に1合ずつぐらいチャレンジしてみる方法もありそうですけど、これがなかなかね、相手は酒ですからね。


2種類で2合を上回ってからの「試飲」は何を呑んで、どんな風味だったか、分からん! っていうのが普通でしょうからねえ。ままならないもんです。


1万種ですかあ。どんどん新しいのも出てきていますしねえ。


って思っているところへもってきてですね、日本酒には1つの銘柄の中にも種類があるですよねえ。
「ああ、今、あらばしり、入ってるよ」
とかね、気軽に言ってくれちゃうんですけど、なんなんそれ? ってことでありますよ。


全部の銘柄の「あらばしり」が出てくるわけじゃないらしいんですけど、理屈的には全ての日本酒に「あらばしり」はある。


あらばしり」? なにょお言うとんねん!? ってことなんですけど、日本酒ファンのみなさん、知ってました?「あらばしり


春先オンリーの季節モノだそうですから、ちょっとシーズンを逃しちゃうと口に入ることはないっていう「あらばしり」なんですが、店によっては、ちゃんと保管してたから大丈夫っていって夏でも置いてあるところもあるらしいです。


でもそれは、日本酒通に言わせますと「終わってる」状態なんだそうですよ。


そりゃそでしょうねえ、って思います。日本酒は一升瓶で寝かせて置くタイプの酒じゃないですもんね。


「しぼり」の工程でしぼるともなく抽出されたのが「あらばしり」なんです。


って言われても、なにょお言うとんねん!? っていう状態に変化はありませんですね。


日本酒の製造工程を追ってみます。


まず、田んぼに酒米を植えます。ってそっからかい!?
まあ、ここも大事でしょ。


でもって酒米兵庫県発祥の「山田錦」っていう名前の米が「酒米の王」ってことで、ずっと君臨し続けているんだそうです。
なんか聞いたことありますよね「山田錦」って。


生産量第1位の「山田錦」を追って、「五百万石」「美山錦」っていうのが多く作られているんだそうですが、そもそも酒米自体にいろいろ種類があるってことなんですねえ。


だいたい単一種の酒米で酒が造られることはなくって、酒蔵、銘柄によっていろいろ組み合わせを工夫しているんだそうです。


で、酒米。普通に稲作工程を経て秋にたわわに実ります。
実った酒米を収穫して磨き上げますね。磨き方もいろいろらしいんですよねえ。


糠(ぬか)を取って蒸し上げます。


蒸米に麹(こうじ)、酵母、水を加えて発酵させて醪(もろみ)を作ります。


醪(もろみ)をしぼって、ここです、ここ。醪(もろみ)をしぼって酒と酒粕に分けるんですね。

 

このしぼり方に「自動圧搾機」「槽しぼり」「雫しぼり」っていう3種類がある。


機械を使ったしぼりでも、最初に出てくるのが「あらばしり
途中でいったん止めて「あらばしり」を回収するんでしょうかね。もしかすると機会しぼりの場合は「あらばしり」なんて商品として出さないのかもです。知らんけど。


「槽しぼり」の「槽(そう)」っていうのはオケですね、桶。
槽の中に醪(もろみ)を入れた専用の袋を並べ重ねてしぼるっていう方法。


この場合もやっぱり最初に出てくるのが「あらばしり
自分たちの重みでじわ~っと出てくるんでしょうね。


「雫しぼり」は、その醪(もろみ)を入れた専用の袋を吊るして、自然に酒を滴らせる方法。
最初に滴ってくる雫が「あらばしり


ってこう聞きますと、「雫しぼりのあらばしり」が、なんだか旨そうな気がしますよね。根拠ないですけど。


あらばしり」はしぼっただけですからアルコール度数、低め。


滓(おり)が多くって、ちょっと濁っていて、その分、香りが高くって、切れ味勝負。
呑み屋さんで「あらばしり」に出会ったら試してみたくなりますよね。


でもあれです。冬の時期にこうした作業をして、春先に出て来るのが「終わっていない」ホンモノの「あらばしり」ってことらしいですからね。その辺も覚えておきたいところです。季節モノです。


で、「あらばしり」でワイルドな部分がしぼられた後は、澄んだ「中汲み(なかくみ)」っていう段階の酒がしぼられるわけです。


この「中汲み(なかくみ)」の酒がごく一般に我々が呑んでいる酒ですね。清酒


あらばしり」「中汲み(なかくみ)」のあとに、ぎゅう~ってしぼるのが「責め」
アルコール度数の高い、濁り酒が抽出されるそうです。


「中汲み(なかくみ)」を名乗っている日本酒って聞いたことないですけど、「あらばしり」は、そこそこ出回ります。


「責め」も呑んだことはあります。でも、1、2回しかないですね。なじみの薄い酒です。


あらばしり」に出会ったところで、その酒が「自動圧搾機」「槽しぼり」「雫しぼり」のうち、どのしぼり方をされたのかなんて、たぶんおそらく、お店の人も知らないでしょうね。

 

 

 


ま、なにはともあれ、出会ったらチャレンジしておくべき種類の酒だと思います。充分希少価値です。決してガサツな酒ではないのであります。

 

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