ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【大人の食物アレルギー】そうなんです アレルギーって子どもだけがなるんじゃないんですってよ

< 身の回りに2人もいるですよ りんごアレルギーの大人 と 魚介アレルギーの大人 >

21世紀の子どもたちはアレルギー症状に悩まされる率が高いんだそうですね。


「アレルギー・マーチ」なんていう言い方もあります。


赤ちゃんの頃の「アトピー性皮膚炎」
赤ちゃん本人も痒がったりする場合もあって、クスリもそんなに強いのを処方するわけにもいかないし、乳母車を押す親御さんがハラハラしているところを、たびたび見かけます。


アトピー性皮膚炎の赤ちゃんが多くなってきているのも、やっぱり空気中のアレルゲン物質が原因なんだそうです。
この世に生まれてきて、昔むかし、空気がキレイだった頃のままの人間の免疫系では対処しにくい生活環境ってことなんでしょうかね。


今はね、なんだかなあ、っていう21世紀のヨロシクナイ空気の中で、我々は暮らしているわけです。


赤ちゃんのアトピー性皮膚炎がどうにか治まってきたかっていうころに、離乳食の段階になって、なんと今度は「食物アレルギー」です。


湿疹が出来たりなんかして、牛乳がダメ、たまごがダメって、赤ちゃんの食べものを用意する方も大変です。


でもまあ、たいていの場合、牛乳、たまごの食物アレルギーは次第に治っていきますね。
自然にっていう場合もあるそうですし、治療技術もこのところ急速に進んでいるんだそうです。


で、食物アレルギーも克服してやれやれって思っていると、今度は「気管支喘息」にやられちゃったりするんですね。「アレルギー性鼻炎」だとか。

 

 

 


こうして次々にアレルギー疾患にみまわれることを「アレルギー・マーチ」って言うんだそうです。


そんなに続けてなっちゃうんだったら、子どもを無菌室で育てればイイのかっていうと、さにあらず。


いろんなアレルゲンに触れることによって獲得される免疫機能もあるわけで、これから生きていくうえでの試練ってことで、子どものアレルギー症状に出来るだけ早く気付いて、治療しながらやり過ごしていくのがベストなようです。


にしても、アレルギー・マーチだとか、ヤな言葉ですよね。


子どものアレルギーのうち半数以上が牛乳とたまごの食物アレルギーだそうですけど、日本では青年期になると減っていく傾向で、ひとまずはアレルギー・マーチからは脱却できるみたいです。


欧米の子どものアレルギーは、ピーナッツが多いみたいで、国民性っていうか食文化の違いっていうのが大きな影響を持っているんでしょうね。


で、青年期を経てアレルギーから解放されるかっていいますと、大人になってからのアレルギー、現代病とも言われているのが「花粉症」


ヤですねえ。でも、みんな花粉症ですよね。スギ花粉アレルギーっていうのが多いんです。


でもですね、これ、昔はなかったように思いませんか?


花粉症の人って、そりゃあ昔もいたのかもですけど、今みたいに、あの人もこの人もって感じで、やたらたくさんいる感じじゃなかったですよね。


1980年代の調査では1割、あるいは2割弱程度だった花粉症患者が、2016年の調査では日本人の半数が花粉症だっていう統計情報になってしまっています。2人に1人ですよ。ヤあねえ。


なんでまたこんなに花粉症になっちゃう人が増えているのか。


いろんな説があるみたいですけど、例えばスギ花粉は、そのままの「キレイ」な状態の大きさであれば、人間の呼吸器の奥までは入って来れないんだそうですよ。


つまり、昔からスギ花粉は飛んでいたんだけれども、キレイな状態のままだったから、人間の呼吸器の奥まで入って来れなくって、その結果、花粉症患者は少なかった。


でも今は、人間の生活空間が汚れている。ってことになるわけです。


排気ガス、炭素物質、金属微粒子、黄砂、PM2.5だとか、いろいろニュースになっていますよね。そういう大気汚染物質が花粉を破壊するんだそうです。

 

 

細かくなった花粉のアレルゲンが呼吸器の奥深くに入り込んで、花粉症になっちゃう。
ってことはですね、大気汚染物質がなければ、こんなに花粉症患者が増えることはないんでしょうね。


大人のアレルギーの代表、花粉症。現代特有の病だって言われる由縁でしょう。


そんでですね、花粉症っていうのもスギだけじゃなくって、ヒノキ、ブタクサとかいろんな花粉があって、対処方法として、ひと口に花粉症って括れるものなかどうかも微妙みたいですよね。


今までに決定的な治療法っていうのが、出てきては消えていくっていうような印象があります。


でもね、研究は着実に進んでいるみたいなんです。


コロナもそうですけど、なかなかね、医学が現状に追い付くのって簡単じゃないですよね。
いろいろ研究しているセンセ方には、がんばっていただきたいところです。

 

 

 


で、知り合いのクロさんっていう60代半ばのオッサンがですね、「りんごアレルギー」っていう聞いたことのない食物アレルギーになったんです。
呑み仲間なんですけど、突然ですよ。


りんごを食べると口の中がめっちゃ痒くなる。
あのねえ、クロさん。そんなヤツいねえよ。


とか言って、かなりカラカイ気味に受け止めていたんですけど、病院でそう診断されたんだそうです。


なして? りんご?


クロさん当人にしてみれば真剣ですからね、いろいろ調べまくって、何軒もの病院を訪ねたんだそうです。


「りんごの食物アレルギーです」


「え? なんででしょうか?」


「あなた、花粉症ですよね。シラカバ花粉症」


「え? いや、シラカバ? なに?」


って感じで、クロさんはたしかに花粉症で、毎年梅雨前になるとグズグズになっていたんですね。


でも、シラカバ? って思ったら、クロさん、北海道出身。


「そうそう、北海道にいる時から花粉症なんだよねえ」


むむう。北海道では知られているんでしょうかね、シラカバ花粉症。初めて聞きました。
ってことは北海道の空気も大気汚染物質にやられているってこと?


自然の風が吹いてクリーンなイメージの北海道ですけど、そですか、大気汚染にやられている場所もあるんですねえ。


シラカバのアレルゲン物質と、りんごのアレルゲン物質が似ているんだそうです。


身体の中の免疫系が、りんごのアレルゲン物質が入って来ると、あ、シラカバ、来やがったなっていうんでお仕事しちゃう。それでクロさんに食物アレルギーの症状が出る。


「交差反応」っていう現象。
なるほどねえ。


いや、クロさん当人にすれば、なるほどじゃねえわ! なにが交差反応じゃ! ってことでしょけどねえ。


モモだとかのバラ科の果実全般は避けた方がイイらしいです。


今のところ、治療方法が確立されていなくって、大人の食物アレルギーは治りにくい、っていう段階。


で、クロさんとは別の呑み屋のお知り合い、マリちゃん。


この人が突然「魚介アレルギー」になっちゃいましたとさ。


酒呑みなのに、魚介食べちゃダメよ、ってかなりキツイですよね。


で、この「魚介アレルギー」っていうのは、ほぼ何も解っていないアレルギーなんだそうです。


魚介類の持っているアレルゲンが、繰り返し皮膚から侵入してくることによってアレルギー反応が起こることが確認されているんだそうですけど、触らないよお、食べるだけだよお、のマリちゃん。


そういう人も多いってことで、まだよく解りませんっていう現状なんだそうです。


皮膚にポツポツが出るんだそうですけど、それは軽傷で、ひどくなるとアナフィラキシーショックが出て、呼吸困難になっちゃうこともあるんで、気を付けて、って言われている。
ひょえ~、怖いです。


気を付けるってったって、要するに魚介を食べない、近寄らない、ってことぐらいしか出来ないでしょねえ。


クロさんの場合のシラカバ花粉症みたいな、交差反応っていうのがあるのかもですけど、そういうのもまだ見つかっていない。


そういうの、けっこうあるんでしょうね。大人の食物アレルギー。


海でくらげに刺されることの多いサーファーなんかがかかっちゃう、納豆アレルギー。
納豆のアレルゲンがくらげ毒のアレルゲンと交差反応するってことですね。


なんか、意外な組み合わせが交差反応の正体みたいです。


交差反応が解れば、治療方法の研究が進む。今はその前段階ってことですんで、そういう食物アレルギーになっちゃった人は、アナフィラキシー症状が出ないように「気を付ける」ってことみたいです。


ツラいですねえ。


飼っているペットに寄生しているダニに噛まれることによって起きる、肉アレルギーっていうのもあるんだそうです。


実態が解り始めたばかりの、交差反応。


コロナ感染患者の治療の様子はしょっちゅうニュース映像で見ました。
まあ、コロナ治療に限らずなんですけど、医療関係者は使い捨てのラテックス手袋を使ってますよね。


ラテックスのアレルゲンっていうのもあるんだそうで、それが皮膚から入って来る。
で、ラテックスアレルギーの人は、果物アレルギーになっちゃう。
アボカド、バナナ、キウイだとかに交差反応。


ん~、って思いますけど、果物アレルギーの人はラテックスに交差反応が出るらしいんですよね。
逆もまた真なり。

 

 

 


交差反応って今まで全く知りませんでしたが、アレルギー、多過ぎませんか? あり過ぎる感じですねえ。


気を付けるって言ってもねえ、対処のしようもないですよ。
人類って、いろんなものと戦っていかないといけないんですねえ。


アレルゲンって、なんなんでしょ?


って考えるだけで、なにかのアレルゲンが寄って来そうな気もしますんで、何も考えない方がイイんでしょか?


アレルゲンのない食べものっていう研究も進んでいるらしいですけどねえ。


国は、いろんなアレルギー対策に予算を大きく割いていただきたいです。

 

【ひとり旅】その人気上昇はコロナ禍を経て拍車がかかるか

< 自分自身がよそ者になる 自分こそが外国人になる そゆのが ひとり旅でしょねえ >

コロナ禍の前からひとり旅の需要っていうのは年々増加傾向だったんだそうです。


2023年になって行動規制がなくなると、コロナ禍によって抑えられていた旅への欲求が解放されて、国内、海外、どちらも旅行業界は捌くのに苦労するほどのリクエストに嬉しい悲鳴を上げているっていうニュースが頻繁に報道されています。
中でもひとり旅に人気が集まっているんだそうですね。


まあ、ウィズコロナっていうんですか、通常の行動を取り戻していかないと、いろいろ生活の基盤が成り立っていかないんだっていうことは、かなり明確になりましたし、2023年中盤から2024年の前半にかけて、コロナ前とは違った社会構造っていうのが出現してくるような気配もあります。


旅行業界に限ったことじゃなくって、各産業界の中で経済基盤を取り戻していく「新たな」工夫が必要になって来るんだろうと思われます。


まあ、別にコロナ禍を経験していようがいまいが、今の世のなか、ストラクチャー的な変化は常にしていると思いますけどね。

 

 

 


旅行業界のデータ集計、分析の速さは、なかなかなものだと感じます。


その精確性に関しては調べようもありませんけれど、デジタル後進国、日本の中では割りにこなせている業界なんでしょうね。
飛行機や新幹線だとか、季節によってシートごとの値段を変動させるシステムですから、世界各地、日本各地のイベントや、天候情報なんかも含めて統合的な判断が必要になるわけですね。


デジタルに対する取り組みが、永田町なんかに比較されるようなレベルじゃないことは確かだと思います。


ただですね、旅行業界のひとり旅人気の情報に接して、疑問に思うことがあるんですね。


発表しているひとり旅っていうのは、パッケージに組み込まれている旅だっていうことなんでしょか?


もちろん各旅行会社は商売ですから、ひとり旅の需要が高まっているとなれば、ひとり旅のパッケージを用意するでしょうね。当たり前です。
っていう当然のことではあるんですが、ひとり旅のパッケージっていうのに、なんかね、小さくない違和感がありますよ。


ひとり旅のパッケージに申し込んだ個々人が、ある一定数集まって、例えば同じバス、同じ飛行機で、同じ場所へ行く。


現地に着いてからの行動は個々人の自由なのかもしれませんけれど、そこにはやっぱり、安全面を考慮したチェックポイントみたいなものがあって、集合時間だとかが行動の途中にあったりとかして、お勧めグルメだとか、ビューポイントだとか、そういう予め用意された世界観みたいなものがあるようなイメージを持ってしまいますね。


そういうのって、ひとり旅、なんでしょか?


とくに、ひとり旅に慣れているとか、経験が豊富ってわけじゃないんですけど、パッケージされたひとり旅っていうのは、本来的なひとり旅のコアが無いんじゃないかなって気がします。


いや、パッケージで、新たな旅仲間との出会いっていうのもあるじゃないですか。っていう意見もあるでしょうけど、現地で出会う人じゃなくって、一緒に旅する人なわけですよね。


直接的な利害関係はない、って言ってもですね、いわゆるひとり旅っていうのとは、ちょっとね、違う気がします。


ん~。人それぞれ。パッケージのひとり旅が悪いってわけじゃないんですけどね。


そもそものひとり旅って、なんとなあく、ふらっと出かけるもんじゃないのかなって気がします。


このところは泊りがけでひとり旅することはなくなっていますが、日帰りでなら時々やっております。


どっかいこうかな。どこいこうか。ま、電車乗ってから考えよ。
とかね、こんな気ままなことが出来るのが、ひとり旅の特徴なんじゃないでしょうか。
誰か、一緒に行く相手がいたら、ここまで無計画に出かけるって、出来ないですもんね。


旅行会社の「ひとり旅の手引き」みたいな案内には、まず、旅のテーマを決めましょうってあるんですよね。


まあ、これは用意してあるパッケージへの誘い方なのかもですけど、テーマとか、そんなダイソレタこと考えて旅に出るのって、まさにパッケージツアーの特徴なんじゃないでしょうか。


テーマ? って考え始めたら、こういうテーマにはこういうイイところがあってね、とか、そういうことに興味があるんだったらココがイイですよ。
宿はこういう素敵なところがあって、こんなビューが楽しめて、ここのグルメはチョー有名です。


とか、うがった感じ方かもしれませんけれど、そんなふうに思ってしまいます。


有名な観光地の人気イベントなんかは、特に海外のがそうですけど、テレビで見ている方が良くね? って思っちゃいます。


わたしは、群れたくないタイプなんでしょねえ。


なんでだか早く起きちゃった日とか。ローカル線の始発ぐらいに乗っちゃって、降りたことのない駅で降りてみたら、乗り換え線があったんで、ま、乗ってみるか、ってんで乗り込んでからドア上に表示されている停車駅を眺めて、聞いたことのある駅を目指すもよし、聞いたことのない駅で降りてみるのもよし、です。


車窓からはいつもの、じゃない風景が見えますね。
だいたい、そういうあたりでも、もう満足感があります。


ことさら特別なビューを求めているんじゃなくって、いつもとは違う日常、それがひとり旅、って思います。


また乗り換えたりなんかして、けっこう遠くまで行きますと、なんとなく電車の中の人たちの雰囲気も違ってきます。
ヒューマンウォッチャーに徹しますね。


これまた、面白楽しい、日帰り旅の満足感です。

 

 

 


電車の案内板で「深谷」っていう駅名を見つけて、深谷って、深谷ネギの土地だよねえ。
ってことで、深谷まで行ってみました。埼玉県ですね。
でももう群馬県に近い地域です。


昼前について、ネギマでしょねえって思っていたんで焼き鳥屋さんを探したんですけど、昼からやっている焼き鳥屋さんは駅前にはありませんでした。
ま、思い付きのひとり旅なんてこんなもんでしょ。


で、町中華に入ってラーメン食べながら、近くに深谷ネギのネギマやってる焼き鳥屋さんありませんか? って聞いたら、あのね、今、ネギの季節じゃないし、この辺の焼き鳥屋は普通のネギ使ってるよ、って教えてもらって撃沈。


深谷駅に戻って案内図を見ていたら「忍城」っていう名前を発見。


何て読むの?
で、埼玉県のローカル線に乗り換えて行田市へ。


「おしじょう」って読むんでした。
読み方を知ったら思い出しました。


豊臣秀吉小田原征伐の時に石田三成の水攻めにあって、落ちなかったっていう城が忍城だったですねえ。


資料館に行って、刀を見た帰り、麦畑に通じる土の道で、2メートルは超えていた青大将と遭遇。

 

目と目が合って、お! って青大将もわたしも、静止!


こんちわっていったら、上半身を持ち上げたまま青大将が草むらの中に消えていきました。


長さのわりには胴回りの細い大将ちゃんでしたよ。
草っぱら! 久しぶりに見ました。


帰って来て地元の焼酎バーで吞みました。


「きょうさあ、青大将見たよ」


「え!? どこで?」


行田市


「なにしに行ったの?」


「ん~、ただ、なんとなく」


「ふううん」


って、こんなんでもイイんじゃないですかね。ひとり旅って。


季節がネギの時期だったら、深谷ネギのネギマじゃなくっても、深谷市の焼き鳥屋さんで呑んで、どこかビジネスホテルでも探して泊ったかもなひとり旅でした。

 

 

 


「最初ね、深谷ネギのネギマ食べようって思って深谷市へ行ったんだけどね」


「けっこう遠いでしょ」


「ま、ほら、ホモ・ヴィアトールだから」


「なにそれ?」


「旅する人」


「旅? 旅ってほどの距離、かなあ」


「じゃあホモ・ルーデンスってことで」


「ん?」


「遊ぶ人」


「ああね」


「ああねって、どゆことやねん!」


「さあねえ、はいお待ちどう、ネギマ。八百屋の普通のネギ」


ある程度の元気とお金があれば、またその辺へ「ひとり旅」しようと思いますです。

 

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SNSで話題の【蛙化現象】って実は昔からある「百年の恋も一時に冷める」ってやつじゃんね

< いろいろある不条理な人間行動のどれにスポットをあてるかで話題を作っているですかね >

「蛙化現象」っていうネーミングの由来っていうのは、グリム童話「かえるの王さま」から来ているっていうのが定説みたいです。

 

「かえるの王さま」っていう話は、副題まで含めますと「かえるの王さま、あるいは鉄のハインリヒ」っていうんです。
あんまり面白い話じゃないように思えます。そんなに有名でもないですよね。

 

 

 


「昔むかし、ある国にそれは美しいお姫様がおりました」
「お姫様はある日、森の泉に金の毬を落としてしまいました」


金の毬って、なんでしょ。金箔が貼ってあるってこと? 毬っていうんですから、ソフトボールよりは大きいんでしょうね。ハンドボールぐらいでしょか。それで中身までずっしり純金だったら、めっちゃ重いです。
お姫様は砲丸投げの選手?


「毬をなくしたお姫様が泣いておりますと、そこへかえるが現れて言いました」
「わたしをお姫様の友だちにしてくれて、隣に座って、同じ皿から食事を摂って、お姫様のベッドで寝かせてくれるのなら、拾って来てあげましょう」


お姫様は毬を取り戻したいばっかりに、なんでも言う通りにするって約束するですねえ。


でもなんかね、かえるの要求って、けっこうグロイですよね。


東京オリンピック女子ボクシングフェザー級の金メダリスト、かえる好きで有名な入江聖奈選手は、東京農工大学の大学院でかえるの研究を続けているんだそうですけど、こんな要求をして来るかえるにはどんな反応を示すでしょうね。


「お姫様は心の中では、かえるのくせに、人間のなかま入りしようなんて、ホントにずうずうしい、おばかさんだわと、思っていました」

 

 

「かえるは約束のとおり、水のなかにもぐって行きました。しばらくすると、ちゃんと金の毬を口にくわえて、ぴょこんとうかび上がってきました」


毬を口にくわえるってことは、このかえる、めっちゃデカイですよね。


「さあ、ひろってきましたよ。そういって、草のなかに毬をおきました」
「ところが、お姫様は、その毬をつかむなり、ありがとうともいわず、とんでかえって行きました」


ここで、まあなんてヒドイお姫様! とか思っちゃう人もいるのかもですけど、まあ、当然の反応のようにも思えます。
なにせ、デッカイかえるなんですからね。


入江選手、って、もうとっくに引退しているですけど、ここはどう判断するでしょうか。


でも、お姫様に、おばかさん、って思われたかえるはシツッコイんです。


「翌日、お姫様が家族と食事を摂っているところへ、かえるがやってきて約束を守るように言います」


まあね、かえるはそう主張する権利、ありますよね。金の毬を戻してあげているんですからね。
わけを聞いた王様は、約束を守るようにお姫様に言います。
でもねえ、自分の娘のベッドで一緒に寝てイイよって許可する王様って、どこか普通じゃないような気もしますね。
どうですか? 入江さん? って、関係ないっちゅうに。


でもお姫様は最初から、こんにゃろって思ってますからね、自分のベッドに入り込もうとするかえるを、引っつかんで壁に投げつけちゃうんです。


ゲゲッ! っと思ったら、ここで魔法が溶けて、こんにゃろなかえるは、立派な王子様に戻るんですよねえ。


で、王子様とお姫様はめでたく結ばれましたとさ、って話なんです。


「鉄のハインリヒ」っていうのはどこで出てくるかって言いますと、王子様がお姫様を連れて元の自分の国に帰るときに、迎えの馬車が来るんですけど、その御者が、忠義者のハインリヒです。


ハインリヒは自分の胸に3本の鉄のタガを巻いています。


「ご主君がかえるにされてしまったので、かなしくてかなしくて、いまにも胸がはれつしそうになったので、やっとタガをはめて、押さえていたのです」


で、王子様のお城に帰る途中、そのハインリヒの鉄のタガが、パチリ、パチリと破裂して飛び散るところでジ・エンド。


話の後半にお姫様は、もう出てきません。


この「かえるの王さま」が「蛙化現象」の名前の由来ってされているんですね。

 

 

 


だ、か、らあ、そもそも「蛙化現象」ってなんなの? っていう人も少なくないと思います。


今、SNSで話題になっているっていう「蛙化現象」っていうのは、ザックリ言ってしまえば、


「今まで好きだった相手が、生理的にムリ! って急になっちゃう現象」


のことだそうです。


それのどこが「蛙化」やねん!? ってなりますよね。


ネットの中の説明では、2000年代の心理学業界で使われ始めた言葉で、ルーツはグリム童話の「かえるの王さま」みたいですよって言ってます。


「かえるの王さま」の話は、生理的にムリ! なかえるが王子様に一瞬で変わっちゃうんですけど、「蛙化」の場合は、好きな人が一瞬で、生理的にムリ! なかえるになっちゃう。


好きだったものが、かえる化するってことで「蛙化現象」なんでしょねえ。


元々ってことを考えると、かえるだったのか、王子様だったのか。


ネットに上げられる「蛙化現象」の事例は、たいてい女性からのもので、付き合っている男性の、ふとした行動で熱が冷めてしまった、っていうのが多いですね。


熱が冷めると、たいていの場合、はいそれまでよ、ってことみたいです。


男性側にもそういう「蛙化」の感情を女性に対して抱くこともあるでしょうけれど、意見を上げているのは女性が圧倒的です。


でもまあ、ネットに「蛙化現象」を上げている女性は、おそらくかなり若い年齢層で、「蛙化」の原因を紹介して、みんなで笑おう、みたいな気持ちが投稿の向こう側に見えている感じもあります。


ファミレスで何にしようか、めっちゃ迷ってる姿がダサ過ぎて、蛙化!


パスタ屋さんでミートソースをズルズル大きな音を立ててススルっていう信じがたい行動で、蛙化!


とかは、それまでの交際の浅さが見えます。カッコイイって思ってたのにチャウなあ、ってことですもんね。


まあ、恋に恋するっていう段階の「蛙化現象」であれば、はいはい、そうやって大人になっていってくださいねえ、って感じもしますけど、シャレにならない「事件」っていうのもありましたよね。


結婚式を挙げて、新婚旅行へってことで、2人で向かった成田空港で、決定的なケンカになって破局
1990年代に「成田離婚」っていう言葉が大はやりしました。


スピード離婚、ここに極まれり、ってことでしょうかね。


カップル、って言われるのはイチャイチャしているイメージですけど、スピード離婚するのもバカップルって言われていましたね。


そして1992年に「事件」は起こります。


新婚旅行でパッケージツアーのオーストラリアを訪れていた1組の日本の夫婦。
ゴールドコーストハミルトン島を1週間ほど旅行して、シドニーに移動。
シドニー観光を2日ほどする予定の、その2日目。


新婚の2人は別々に買い物をすることにして、午後から別行動。


ツアーがホテルに戻る時間になっても25歳の新婦の姿が見えない。
29歳の新郎は、ツアーガイドたちと懸命に探しましたが見つかりません。


午後8時、在シドニー日本国総領事館と現地警察に届け出ます。そして日本にいる新婦の実家にも連絡。


そりゃそうなりますよねえ。新婦が行方不明なんですから。


午後11時、滞在していたホテルに新婦から電話が入ります。


「車で連れてこられた。どこにいるか分からない。親切なオーストラリア人に助けられた。自分のことは捜さないで欲しい。心配はいらない。自分で何とか帰る」


翌日はパッケージツアーの日本帰国予定なんで、ツアーメンバーは帰国しますが、新郎は残りました。


これまた当然ですよね。新婦の所在が分からないし、脅迫されて電話させられたのかもしれないですし、気が気じゃないですよね。


翌日の昼、現地警察は日本人女性の誘拐事件として捜査を始めます。
オーストラリア、日本は大騒ぎです。


新婦が姿を消してから4日目の早朝、っていうか午前1時。


現地警察はシドニー近郊のモーテルに1人で宿泊していた新婦の部屋に入ります。


新婦は身元を知られることを恐れてか、パスポートを窓から捨てるだとかして大暴れしたそうですけど、まあ、無事に保護されましたとさ。


その日の夜。新郎新婦は元のホテルで謝罪会見。


結婚式の1ヶ月ほど前からマリッジブルーになっていた新婦は「成田離婚」を考えていたものの、踏み切れず、オーストラリアに来てしまった。


つまり新婦側の「蛙化」は「成田離婚」に成就することなく、シドニーでの失踪に繋がったっていうことだったんですね。

 

 

 


日本に帰ってきた2人は、これからも新婚生活を続けていきます。っていう記者会見を行いましたですよ。


で、新婚生活が落ち着くかと思われたんですが、新郎の友人たちが録画していた日本のワイドショーの内容を見て、新婦の失踪内容を知った新郎は、離婚を決めました。


「蛙化返し!」でしょかねえ。


こうしたオーストラリア花嫁失踪騒ぎみたいになっちゃうと、笑い事じゃないんですけど、「蛙化現象」に関心のある方々。あははのはって笑えるレベルでどんどん恋愛して、どんどん蛙化して、そしてまた恋愛してくださいねえ。


「蛙化現象」なんて、さも新しそうなことみたいに言ってますけど、百年の恋も一時に冷めるっていうのは、大昔からあることなんでありますよ。ね。

 

【SNS疲れ】盛るわ盛られるわ そらええわ 映えるカワイイやり合ってたら そら疲れるわ

< Z世代って言われる若者たちも 気が付いてみればそろそろ社会の中堅に差し掛かってますね >

まあまあ中堅規模の大きさの居酒屋さんなんですけど、カウンター席の背中側、一番奥まった4人がけテーブルに壮年の女性1人と、若い派手ハデな女性が2人。なにやらスマホでの撮影大会状態になっておりました。


ちょうど斜めに見える位置のカウンターに座っていたんですが、レインボーカラーのロングヘア、真っ赤なホットパンツ姿の若い女の子が椅子の上に立ちあがって、正面の金髪、ひらひらピンクドレスの女の子を撮影しているんですね。


壮年の女性は、こちら側に背を向けて、なにやら細かく指示している様子。
黒髪のショートカットでベージュのパンツスーツ姿ですね。


夜の10時を回った時間帯で、店内はそこそこの混み具合。ガヤガヤしているんでどんな指示をしているのかは聞こえません。
3人とも中肉中背。


金髪の女の子は胸の前にフローズンストロベリーサワーのグラスを両手で握りしめて、少し口を開けてニッコリ。


この居酒屋さんは、フローズンフルーツのサワーシリーズっていうのをやっていて、イチゴだけじゃなくってオレンジ、グレープフルーツ、マスカットだとか、凍らせたフルーツにリキュールと炭酸水。


大きめのグラスで色合いがキレイなんで女性に人気のメニューだっていうのは、この店に来ている人であれば周知の事実。ではあるんですが、こんなに本格的に撮影会をしているのは初めて見ましたです。

 

 

 


ガタガタと椅子を動かしているような音がしばらくしていましたが、まあね、ジロジロ見るようなことでもありませんからね、カウンターから厨房の仕事ぶりを眺めながら黒糖です。


「れんと」ですねえ。
ブルーの一升瓶。音響熟成っていうんですけど、クラシックを聞いて熟成するんだそうですよ。
フローズンなんとやらは、いかないっす。


と、その金髪の女の子が脇に並び立って、

 

「マスター、どうもお騒がせしましたあ。またゆっくり来ますねえ」


「イイ写真撮れたの?」


「はあい、谷間ドレス着ているうちにと思ったんで、バッチリですよ。これからお客さんにバシバシ送りますう。じゃあ、またあ」


ショッキングピンクのドレスをひらひらさせながら、3人とも店内全体に笑顔でペコペコしながら愛想よくご退場になりました。


谷間ドレス? なんなん?
でもしゃべり方はハキハキしていて、真面目なトーンでした。


いろんな色彩がわしゃわしゃと店の外へ出て行くのを、目線で見送って、カウンターの中に戻すと、目が合ったマスターがニコニコと説明してくれました。


「この通りのちょっと先にあるミニキャバクラ。行ったことあります?」


うんにゃ、ございませんです。興味もご合いません。っていうか、ミニキャバクラとかって、あんの?


「小さい店らしくって、スーツの人が経営者。女の子が10人ぐらいって言ってましたかね。客の囲い込みでLINEとかInstagramとか、ほら、映えるってやつの撮影なんですよ。ときどきここでやってんです。いろいろ制限なくなったんで張り切ってるみたいで。今度行ってあげてくださいよ」


うんにゃ、行かないってば。

でもまあ、なるほど。自分のお客さんに、また来てねアピールの写真を送るんですねえ。営業のお仕事中ってことだったんですねえ。谷間ドレスねえ。


酔っぱらっているようには見えませんでしたが、水商売っていうのもなかなか大変ですねえ、って思いました。

 

 

 


ん? 今、水商売なんて言わないんでしょうかね。


でもまあ、通じることは通じるでしょう。
お水の花道」っていうのがありましたね。


1997年から2002年までマンガ雑誌で連載された作品で、1999年にはテレビドラマ「お水の花道 女30歳ガケップチ」2001年「新・お水の花道」が放送されています。
小説も出ているみたいですからね、「お水の花道」ってZ世代のど真ん中じゃないでしょうか。


キャバクラっていう営業形態が出てきたのは1980年代の半ばだそうです。ミニキャバクラっていうのも同じころに出来たんでしょうかね。


スナック、クラブと違って料金が時間制っていうのが特徴なんだそうですよ。


行ったことがありませんので詳しく知りませんが「キャバ嬢」っていう単語は、いろんなシチュエーションでよく聞きます。


オヤジばっかりじゃなくって、年若い男子たちにもけっこうファンがいるみたいです。


焼き鳥屋さんで隣り合った女の子から「あたしキャバなんです」って言われてこともあります。


Z世代のキャバ嬢はSNS使いなんですよね。
ずっとスマホを手離しません。


ま、Z世代じゃなくたって、今の時代、SNSを使いこなせないとお水の花道、歩けないのかもですけどね。


「映える」っていうことが大事みたいで、居酒屋で撮影会をしていたキャバ嬢たちも、いかに映えさせるかをいろいろ工夫していたんでしょうね。


自分を指名してくれるお客さんが、しょうっちゅう来てくれるようにアピール写真。


メールに写真を添付するっていう方法もあるんでしょうけど、もっぱら、Instagram、LINE、Twitterなんでしょうね。


SNSは、お水の人たちにとって、便利必須な営業ツールですってことでしょねえ。

 

 

インスタ映え」っていう言葉は、Instagramとかやっていなくたって知ってますよね。


顧客の囲い込みがダイレクトに個人の収益に結び付くシステムのキャバクラではとくに、その使い方の巧さが直接生活レベルにつながりそうですもんね。


もちろん水商売以外のユーザー、圧倒的に女性だと思うんですけど「映える」ってことにこだわった「撮影術」あるいは「盛る」っていう加工技術が大流行りです。


コロナ前の2018年、三省堂の「新語大賞」が「映える」でした。


コロナパンデミックがなかったら、また別のムーブメントがあったのかもしれませんが、この時が「映える」のピークだったんですかねえ。


同じ年、2018年の「大辞泉が選ぶ新語大賞」に選ばれたのは「空白恐怖症」でした。


予定表が埋まっていないことに恐怖を覚えるってう「空白恐怖症」もまたZ世代の特徴として捉えることが出来るのかもしれません。


スケジュール表が埋まっていないことを気にするのは、水商売の人ばかりじゃなくって、それ以外の仕事の人の方に強く表れやすい心理なんじゃないかっていう気もします。


スケジュールの空白を埋めようとして、何かしらの誘いかけを仲間に発信する場合に、どうしても「映える」「盛る」っていうことに流れていくっていう世の趨勢。
それがずっと続いていたんですよね。


「映える」「盛る」っていう技術は、キャバ嬢にとっては商売道具、個人こじんにとっての必要なスキルっていうことになるのかもですけど、顧客の囲い込みとかを目的とするんじゃなくって、仲間内のコミュニケーションに使っている学生やら勤め人たちにとっては、本来、そうしなければならない理由なんてないですよね。


「盛る」アプリで顔のパーツを変化させたりするのは、面白くはあっても、いつも同じじゃ飽きちゃいます。
一過性の楽しさでしょうし、加工された「映え」を演出するのって、結局、長くやり続ければ疲れるんだと思いますね。


でもなんだか、日本では特になのかもですけど、「映えさせる」「盛る」っていうことをするのが当たり前。


だって、みんなやってるから。


「映える」っていうのは、そんな集団ヒステリー的なコミュニケーションになってしまっていた部分があるのかもしれません。


で、コロナ禍の生活になって、ふと、集団ヒステリーから解き放たれた。強制的にね。
楽しかったはずのSNSに、実は疲労を感じていた自分に気が付いた。


自分だけかと思ったら、つながっていた仲間たちのほとんどが同じ思いだった。


水商売の女性たちは、お客さんに楽しい酒の時間を提供するプロです。「感情労働」っていう表現もあるぐらいですからね。
自分を「盛る」っていう演出は、客の好みのイイ女であることを見せる「仕事」なんですよね。


仲間同士のコミュニケーションに本来は不必要なものかもね、って、2023年になってトレンドに変化が出てきたみたいなんですね。


日本よりもヨーロッパ、アメリカで先行している、SNSアプリ「BeReal」

 

2020年、フランス発のアプリだそうですけど、2022年に入ってからダウンロード数が急増しているんだそうです。


名前の通り、リアルでいきましょう、っていう使い方。


登録すると、1日に1回、ランダムな時間にアプリからの通知が来ます。
通知を受け取った人は、2分以内に、自分の身の周りの「何か」を撮影、投稿しなくてはなりません。


そこにゲーム性があるんでしょうけれど、2分っていう時間制限がありますんで、「映え」を気にしたり「盛る」なんていう加工も出来ませんよね。
それが「BeReal」ってことなんでしょう。


で、2分以内にその場の身の回りのものの写真を撮ると、同時にセルフィ―側の写真も撮られて、その両方が1枚の写真として投稿されるって仕組みだそうです。


仲間内だけに公開、っていう設定で遊ぶのが定番ってことになるでしょうけれど、今、オレ、こんなだよ。あたし今、これ食べてる。それと、それを撮っている今の自分の顔っていうリアル。

 

 

 


2022年の後半ぐらいから日本でも広まって来ているらしいですから、もう使っている人もいるでしょうね。


個人的に「BeReal」をお勧め、ってことでは全然ないんですけど、SNSとの関わり方に大きな変化をもたらす可能性のあるアプリではあると思います。


なにせZ世代のアンテナはデジタルに長けていますからね。


日本でもコア世代になってきているわけですから、Z世代がSNSで疲れちゃうっていうのは、損失ですもんね。
元気でやっていっていただきたいです。


キャバ嬢のみなさんも、元気に「映えスキル」を伸ばして、お客さんをしっかり捉まえて、お水の花道まっしぐらしてくださいませえ。


繰り返しますが、「BeReal」をお勧めしているわけではございません。
もちろん否定しているのでもないのです。


他人に合わせて疲れるより、この記事が自分をもっと大切に考えるきっかけになればと思うだけであります。

 

Z世代以外の人もですね。

 

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小惑星の地球衝突【アポフィス】世界を混沌に引き戻そうとする邪悪な力の化身 その姿は巨大なヘビ

< 古代エジプトではコブラは神の化身 ヘビは神に反逆するもの その巨大なヘビが「アポフィス」>

エジプト文明が始まったのは紀元前5000年頃だろうっていうのが定説ですが、遅くとも紀元前3100年頃には初期王朝時代を迎えているみたいです。


その後いくつかの王朝が交代していくわけですが、紀元前1650年にエジプトは初めて異民族の侵入をゆるして、第15王朝、16王朝は「ヒクソス」の王朝になります。


ヒクソスはエジプトに騎馬と戦車をもたらしたってされていますから、戦闘に優れた民族だったんでしょうね。


異民族の支配を受けているわけですから、エジプト人にしてみれば屈辱の時間が経過していくことになったんでしょうけれど、戦力で劣っていたんで、ヒクソス王朝に従うしかなかったんでしょう。

 

 

 


紀元前1570年ごろ、エジプト第17王朝を名乗りだしたセケンエンラー2世は、圧政を敷くヒクソスの王アポフィスに戦いを挑みます。
ヒクソスの戦術を充分学び取ったはずのエジプト軍は善戦しますが、アポフィスの策略にはまってセケンエンラー2世は生命を落としてしまいます。


その悪辣なヒクソスのイメージがアポフィス王の名前を借りて、悪の化身としてエジプトに定着したのかもしれませんね。


その後ヒクソスとの戦いを再開させたエジプトのカーメスはアポフィス王との戦いに勝利しますが、凱旋後、なぜだかすぐに亡くなっています。
戦いで瀕死の重傷を負っていたものか、またしてもヒクソスの策略だったのか。
詳細な記録は遺っていないみたいですね。


カーメスはヒクソスを壊滅することまでは出来ませんでしたが、セケンエンラー2世の子、アアフメス1世が紀元前1542年にヒクソスを滅ぼしてエジプト再統一を成し遂げます。


これがエジプト新王国時代の始まりとなるんですね。


エジプトの神々に反逆するものとしてアポフィスが、大蛇として描かれるようになったのはこの頃からなんだろうと思われます。


エジプトに伝わっているアポフィスの姿は、多くヘビの姿をして描かれていますが、そのどれもが縛れているか、エジプトの神によって調伏されているんだそうです。
たとえ絵であったとしても、描かれているものは、そのままの姿で存在している、っていう信仰から、災いの素だったアポフィスはそういう扱いなんですね。


記録は遺っていないみたいですけど、よっぽどなことをエジプト人に対して、やったのかもしれません。アポフィス王。


ラー神の使いであるネコが、ヘビであるアポフィスを調伏している絵が有名です。


アポフィスはアペプ、アーペプとかも呼ばれています。


エジプトでは今も、日食はアポフィスが太陽神ラーの太陽の船を飲み込むことによって起きるっていう信仰が残っているんだそうです。


そんなエジプトの悪の化身、アポフィスの名前を冠せられた小惑星があります。


「アポフィス (99942 Apophis)」


金星の軌道辺りから地球の軌道のすぐ外側までの楕円軌道を323日かけて太陽の周りを公転。


直径は約310メートルから約340メートル。
どちらかというと小さめの小惑星ですが、質量は1億2600万トン。

 

 

 


発見されたのは2004年6月だそうですから、言ってみればツイ最近「登場」したんですね。
「2004 MN4」って、とりあえずの番号が与えられます。


発見されてすぐの軌道計算によって、この「2004 MN4」って呼ばれていた小惑星は、2029年、地球と衝突する可能性があるぞ! って発表されて大騒ぎになりましたよね。
2004年12月24日のクリスマスイブのことです。


NASAは、
「2004 MN4が2029年4月13日(金曜日)に地球に衝突する確率は300分の1」
って発表したんです。


地球の近くを公転している小惑星が地球と衝突する確率を表している「トリノスケール」っていうのがあって、この時のNASAの発表では「トリノスケール2」でした。


トリノスケールなんて初耳ですが、1996年にイタリアのトリノで開催された国際天文連盟の会議で採択されたものなんだそうです。


衝突の危険性はなし、っていうトリノスケールゼロから、10までの11段階あって、トリノスケール2は、黄色信号。


「地球との接近距離はいくらか近いが、そこまで珍しくもない程度のもの」っていう評価です。
ふむう。珍しくないんですか。って感じです。


ところが同日、NASAは衝突の可能性を「トリノスケール4」に引き上げたんですね。


小惑星の衝突可能性が「トリノスケール4」って評価されたのは初めてのこと。
世界中を小惑星衝突のニュースが駆け巡りました。


トリノスケール4」っていうのは「衝突して広域の破壊がもたらされる可能性は1%以上と算定されている」っていうことで、24日にNASAが発表した衝突の可能性は「1.6%」翌日のクリスマス、25日には「2.4%」って発表して、同日のうちに「2.2%」に訂正。27日には「2.7%」って発表。


発見したばっかりで、軌道計算って難しいんでしょうね。でも正直に発表しているみたいです。
トリノスケールは4のまま。


なにせ大騒ぎの中、観測報告が次々に寄せられて、NASAは再計算の結果を同じ12月27日に更に発表。


「2004 MN4は少なくとも2029年には地球に衝突しない。将来的に衝突する可能性も0.0038%。トリノスケールは1とする」


ゼロではないものの、トリノスケール1っていうのは、


「衝突の可能性はきわめて低い。観測を重ねれば、評価がLevel 0に切り替わると思われる」


っていうものなんですね。


2004年のクリスマスは、かなり騒々しいことになったんですけど、なんかね、日本ではあんまり大きく取り上げられなかった記憶です。
情報確認はとっても重要なことですが、日本のフレキシビリティ、弱いです。


2005年「2004 MN4」は正式に「アポフィス」って命名されます。


この時点では人騒がせで迷惑な小惑星、くらいの感じだったネーミングかもですけど、少し時間が経った2008年にドイツの13歳の少年から新たな懸念が発表されます。


アポフィスは、2029年の地球接近によって少なとも1つ、あるいは複数の人工衛星と衝突する可能性があって、その影響によって2036年の接近時に地球と衝突する可能性がある。

 

公転している小惑星ですからね、何度も接近を繰り返すんです。


ヨーロッパ宇宙機関は少年の説を後押ししたんですが、NASA人工衛星群からは離れた空間を通過するだろうから衝突の可能性は低いよって反論。


そこへもって来てロシア宇宙庁長官が、アポフィスが2032年に地球に衝突する可能性があるっていう、独自の理論を展開したんですよね。周期がズレてますけどね。


13歳の少年も含めた宇宙科学者たちの、あーだこーだっていうやりとりは、日本にはさっぱり聞こえてきませんでしたけど、2011年の時点でアポフィスの地球衝突トリノスケールはゼロに修正されています。


最新予想軌道では、2029年、アポフィスは地表から3万2500キロメートル付近を通過するってされています。


NASAは大丈夫だって言うんですけど、なんかね、一抹の不安がありますよ。


地表から月までの距離は38万キロメートル。
つまり2029年にアポフィスは、地球と月の間を通過して行くんです。
しかもだいぶ地球よりですよね。


しかもですね、2008年時点で13歳のドイツ少年が危惧していた人工衛星との衝突。


国際宇宙ステーションなんかは地表から200キロメートル、遠くても1000キロメートルあたりに浮かんでいるってことで、3万2500キロメートルを通過していくアポフィスとの接触はないでしょうけれど、気象衛星放送衛星なんかの静止衛星は地表から3万6000メートル付近に浮かんでいるんです。


アポフィスは3万2500キロメートル付近。


3500メートルも離れてるじゃん、ってことなのかもしれませんが、アポフィスが地球の引力によって影響を受けてバラバラになっちゃったりとかしないんでしょうかね。


それに、そんなに地球の近くを通過するってことは、アポフィス自体、地球によるスイングバイ状態になるんでしょうから、軌道って変わるんじゃないの?
2029年以降の軌道って今から正しく計算できるの?


ってね、素人は心配しちゃうんですけど、どうなんでしょ。
2029年っていったら、すぐですよ。


その後のアポフィス接近は2036年2042年って続くんですけど、2105年までの間にかなり接近することが17回ぐらいあるって予想されています。


それでね、2036年以降の軌道予測に精確性は、ないよ。精確性なんてありません。って受け取れるようなことも言っていたりします。


アポフィスには2068年衝突説っていうのもあるんです。
NASAは否定していますけどね。


2021年に、今後100年、小惑星アポフィスが地球に衝突することはないって、NASAは言ってます。
まあ、安心したまえよ、ってことなんでしょうけどねえ。


でもですね、今生きている地球人には直接の関係はなさそうではあるんですけど、小惑星ベンヌ」っていうのがあってですね、1999年に発見された小惑星


NASAが2018年にサンプルリターンを実施している小惑星なんですけど、ベンヌは2169年から2199年までの30年の間に8回、地球に接近して来て、その8回のうちのどれかで地球に衝突する可能性があるってされているんですよね。


2009年時点での予想なんですけど、これがですね、2021年の新たな予想で衝突の確率が上がっているんです。

 

 

 


アポフィスに関しては肉眼でも見えるよ、とか、その接近に関して暢気な感じなんですけど、ベンヌはダメでしょ。


直径500メートル。
エジプト神話に登場する「不死の霊鳥」ギリシア神話のフェニックスのモデルになったって言われています。


フェニックスによって壊滅的な状況になっちゃうかもしれないっていう、皮肉な地球の運命。


地球人、「プラネタリー・ディフェンス」の実効性を考えないとイカンでしょねえ。


宇宙科学者のみなさんとしては、まだ100年以上先のことなんだから、それまでには誰か、何か考えるでしょ。みたいな感じなんでしょうかねえ。
新しい世代にお任せ?


ま、心配すること自体で解決することは何もない、とはいうものの、21世紀、22世紀、なんだか地球って物騒なのかも、です。

 

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