ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【台湾ラーメン】は台湾に逆輸入されて その名も【名古屋拉麺】として人気らしいです

< 発祥店2016年東京進出って言ってますけど もうちょっと前からあったですよ >

「そういえばさ、最近、夏のカレーフェアってやってる?」


「ああ、ファミレスの幟とか、見ないかもね」


「そうだねえ、でもあれかもよ、8月になったらやるんじゃないの。去年、どうだったかなあ」


いつもの通りです、居酒屋カウンターでの取り留めもない話。
だいたいがボーッと生きている連中が集まっておりますんで、こんな感じの話になるんですよねえ。


「夏こそカレーだ」とかね、そういう幟がファミレスの前に何本もパタパタしていた光景は記憶しているんですが、それがいつの頃だったか、ハッキリしないんですね。
毎年、去年の夏もいろんなファミレスでパタパタしていたような気もしますし、ここ数年は見ていないような気もします。


ボンヤリした性格なんでしょうね、全員。ボーッと生きているのは決して酒のせいじゃないと思います。

 

 

 


「ん~、少なくとも去年はパタパタしてなかったんじゃないかな、黄色い幟」


「そうかもねえ」


「なんで止めちゃったんだろうね。けっこう人気あったと思うけど」


「けっこう毎年まいとし、ずっとやってたのにね」


と、急にここで、もう数年カレーフェアなるものはやっていませんよっていう、勝手な結論を前提にした話になって来るんですね。
酔っ払いオヤジたちの居酒屋トークって、まあ、だいたいこんなもんですよね。


「今、激辛ブームじゃんか、第4次の。その辛さの中にカレーが入ってないんじゃないの」


とかなんとか言い出すヤツが出て来まして、一同、なんとな~く、ふううん、そかもねえ、ってなったんであります。


「そういえばね、ミンミンのオヤジが言ってたけど、ここ最近は台湾ラーメンが凄く出るらしいんだよね」


「ミンミン? ってどこの?」


「え、あそこだよ、ここの通りの吉野家の隣りの」


「あ、ああ~。あそこ、メイメイだと思ってた。ミンミンっていうんだ!」


まあね、明明って書きますからね。


台湾ラーメン? そんなのあったっけ?」


明明は、もう10年ほども前に出来た日本人夫婦のやっている町中華なんですけど、始めっからメニューに「辛みそ台湾ラーメン」っていうのがありました。
みそ味の台湾ラーメンですけど、さして辛さに特徴はなくって、「日本人向けの」旨辛ってやつですね。


名古屋市近郊だけ、中京圏だけで食べられている「名古屋発祥の台湾ラーメン」って記事をよく見ますけど、2000年代から東京の町中華にも出している店はありましたよ。明明以外でもね。


そもそも名古屋発祥、って言ってるのに、台湾ラーメン、っていう独特のネーミング自体が、なんなん? ってことですし、これが「正しい」名古屋発祥の台湾ラーメンです、っていうのは、元祖、名古屋市千種区の中国台湾料理店「味仙(みせん)」に行って食べないと分からないってことになりますよねえ。


台湾ラーメンっていうのは名古屋発祥らしいよっていう情報は、最初からけっこう知れ渡っていた感じでした。


東京で何回か食べてますけど、「これだ!」っていうのには当たったことないですね。みんながそれぞれの台湾ラーメンでした。
ただね、町中華のメニューって、同じ名前でもかなり違う食べものになっているって、けっこう普通にありますもんね。
ふううん、台湾ラーメンねえ、っていう感想がせいぜい。


明明からは少し離れたところにある中国人経営の町中華メニューには無いんですね、台湾ラーメン
やらないの? って聞きますとですね、中国人のオカミさんはこう宣いました。


台湾ラーメン、あれ違うよ。ただ辛いだけでしょ。食べたことあるけど、ダメねあれは。ウチの担担麺でイイじゃない」


「あれ違うよ」
っていう表現は独特で、別に悪気があって言っているんじゃないって思うんですけどね。
そういう性格の人には思えないんですけど、ニュアンスとしては「ニセモノ」っていう感じなんだと思うんですね。


日本の中華メニューって、中国人シェフは凄く気にしていて、今、どこそこでこういうのが流行ってるよ、っていうような情報交換はけっこう盛んにやっているみたいなんです。
そんな情報の中からオカミさんが出した結論が「あれ違うよ」ってことではあるんでしょう。


でもね、町中華のメニューなんですからね、間違っているっていうのはナイってことでイイんじゃないでしょうかね。その店ごとの特徴ってことでね。

 

 

 


名古屋市千種区にある中国台湾料理店「味仙(みせん)」の店主は台湾人。


1970年代の初めの頃に、友人と台湾旅行に出かけて台南名物の「担仔麺(タンツーめん)」を友人と一緒に食べたんだそうです。


担仔麺っていうのは台南市発祥の台湾料理だそうですけど、スープに中細のストレート麺。その上にブタそぼろ、エビ、香菜、ニンニクが乗っているっていう、あきらかに担担麺をルーツとした感じの麺料理。
でもスープは辛くないらしいですね。


特徴的って言えるのは、そのボリュームが少ないこと。
ごはん茶碗ほどの大きさのどんぶりで出されるそうで、台湾の食文化「食巧不食飽」っていうのを表現しているんだそうです。


「食巧不食飽」飽きない量をおいしく食べる、ってことなんだそうです。


「味仙」の台湾人店主と一緒に旅行に行った、その友人っていうのが、やっぱり台湾人なのか、日本人っていうか名古屋人なのか分かりませんが、日本に帰って来てから担仔麺が食べたいから作ってくれ、ってことになったらしいです。旨かったんでしょうね、台湾で食べた担仔麺。


で、台湾人店主が「濃いめの味が好きな名古屋人向けに」独自に作り上げたのが「辛い担仔麺」って感じの「台湾ラーメン」ってことみたいです。
台湾ラーメンのボリュームは普通ですよね。


これで完成かなって台湾人店主が思っていた1971年ごろ、リクエストしたその友人に大うけで、まあ、仲間内として食べていたんでしょうけど、「味仙」の賄いとしての定番だったそうで、この頃はホントに、そこだけで食べられていたマボロシのラーメン、って感じだったのかもしれないですね。


ま、どこの店でも常連さんの中には妙にチェックの厳しい人ってのがいたりしますよ。
ひょんなことから店の賄いに目を止めて、


「お、それなに? 旨そうじゃん」


「ああ、これね、賄いだよ」


「それ何ラーメン? こっちにも出してよ」


「ああ、いいですよ。これは、まあ、台湾ラーメンね」


ってことになって「味仙」の厨房から店内へ、正規のメニューとして「台湾ラーメン」が出て来たんでしょうねえ。

 

そんでもって世の中はストレス社会ってことで、1980年代に第一次激辛ブームがやってきます。


「味仙の台湾ラーメンって、辛くて旨いよね」
って名古屋人の間で評判になって、あっというまに名古屋中に広まっちゃった「台湾ラーメン


1990年代後半の、エスニック系が流行った第二次激辛ブーム。


2000年代中盤のハバネロ系、第三次激辛ブーム。


2010年代後半からコロナ禍で静かな広がりを見せている花椒だとかの香辛料系、それと、みんなどうやらこっそり試してみているらしいデスソース系とか、今は第4次激辛ブームなんだそうですけど、しっかり、どの世代の激辛ブームにも呑み込まれることなく、今も盛んな台湾ラーメン人気です。


辛さ控えめ「台湾ラーメン アメリカン」
っていうバリエーションもあるんだそうで、そうなれば、辛さマシマシの「台湾ラーメン イタリアン」
っていうのもありますねえ。


なんでイタリアンかっていうと、エスプレッソ、っていうイメージらしいです。


でもって、激辛ブーム対応! ってことでもないんでしょうけど、トウガラシの辛さをじっくり炊きだしてある「台湾ラーメン アフリカン」
最強に辛いらしいです。


まあねえ、ムダに辛いのは遠慮させていただきたいですけどねえ。どんな辛さなんでしょうか。アフリカン。


もちろんね、店によるわけですけれど、ルーツをたどって行けば「台湾ラーメン」のルーツは、台湾の「担仔麺」
「担仔麺」のルーツをたどって行けばどうやら「担担麺」に行きつきそうですからね、旨さの伝承と職人のアレンジですよね。

 

 

 


台湾の「担仔麺」っていうのは食べたことないんですけど、ま、間違いない旨さなんでしょうね。辛さを期待しなければ満足すること疑いなし、って気がします。


名古屋に限らず日本全国で人気の台湾ラーメンは、今では台湾に逆輸入されていて「名古屋拉麺」っていう名前で人気だそうです。


ん~、本場、名古屋の台湾ラーメンって、そういえば食べたことないですねえ。


「味仙」は名古屋駅の「名古屋うまいもん通り」にもお店を出しているみたいですしねえ。近々行ってみたいですねえ。


台湾ラーメンのお勧めの店として「人生餃子」「亀仙人」だとか、名古屋だぎゃ! っていうネーミングの店も気になりますねえ。
台湾まぜそばっていうのもありますね。本場名古屋には、もっといろいろなバリエーションがあるような気がしてきましたです。


お気楽に台湾ラーメンを食べに行けるように、コロナ、なんとかならないでしょうか。


もうさ、ホントに勘弁していただきたく、どちら様にもよろしく願いいたしますです。疲れましたよね。

 

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