ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【鯛巻き はも巻き う巻き】まだまだ続くコロナ禍の中 ほっとするものを食べたいです

<いろんな工夫があって いろんな歴史があって いろんな旨さを知っている日本人だから>

自粛要請が緩和されるからといって、出口が見えたというわけじゃない感じの日本ですが、いったいいつまで続くんでしょうかね。もう、気持ち的にグッタリですよね。
実は内容的に緩和じゃないし、飲食業界もホント大変。ダメージ大きいみたいですよ。


先日、ブルワリーを併設したレストランへ久しぶりに顔を出してきました。ご時世がらランチですね。ランチビールとか、もちろんナシです。店も客も、なんともつまらんわけです。


店長さんとは何回か話をする機会もありまして、その日も人懐っこい笑顔を思い浮かべながらお邪魔してみたんですが、居ませんでした。


奥さんが出てこられて、


「会議なんですよ。ウチだけじゃなくて、もう限界ですからね」


商店会として意見をまとめて、逆に自治会に対して営業許可要請を出そうということらしいです。


奥さんは始終うつむき加減。いつもだったら笑顔の可愛らしい明るい人なんですけれどねえ。
みんな、そうなっちゃってますよ。げんなりです。


ランチ営業はしているものの、ビールを提供できないブルワリー。夕方からの営業は悲惨な状況だそうです。

 


もうちょっとすれば、って、全然言えない状況が続いていますね。ホント疲れました。
宅呑みも、こう長く続くと煮詰まる方向に行ってしまいます。


でもね、何か工夫をしながら、精神的健康を維持しないといけませんです。コロナに負けないアイディア。政治にイライラしない工夫。


なんかないもんでしょうか。考えてみました。


ずいぶん前ですが、初対面のアメリカ人のオッサンと、スターバックスで長話をしたことがあります。


オーダーをしているカウンターで、
「アタシ2m。ちょうど、ぴったり2mよ」
と話しかけてきたのがきっかけでした。身長の話は何の意味か分かりませんでしたが、ニコニコした丸顔で、身体も丸っこくて、ちっこいんです。おそらく160cmぐらい。2mって、なんなん?


ま、テキトーに相槌しておいて、触れずにおきましょうって感じ。


だったんですが、混んでいたこともあって、表のテーブルに一緒に座ることになったのでした。


軍関係だという黒人のオッサンで、ニューヨークと東京をしょっちゅう往復しているとのことでしたが、
「日本人、誰も笑ってくれないね」
としょげていました。


あったりまえじゃ! 何がおもろいねんッ! とは言いませんでしたが、はい。悪いやつでもなさそうでした。


日本語は上手でしたが、これを機会に、とかいう雰囲気に全然ならないオッサンで、わけのわからない話を幾つかした中で記憶に残っていることが1つだけあります。


ニューヨークは日本食ブーム。


ふむふむ、それは聞いたことがありますね。


日本食が好きなニューヨーカーは、特に出汁が好き。


ほほう、出汁ですか。出汁ねエ。出汁なんて単語、よく知ってますねえ。


ニューヨーカーはコーヒーの代わりに日本の出汁を飲むよ。


うっそー!


いろんな出汁の旨味を感じることが出来れば、心が落ち着くよ。


ん~。
というような会話だったんですが、ないことでもないか、っていう気になったのでありました。出汁ね。


「心が落ち着くよ」


何故だか今、あのオッサンの言葉が頭の中に蘇ってきました。

 


ま、出汁を自分で作って、そのまま飲もうとは思わないんですが、確かに旨い出汁の効いたものを食べたら、「心が落ち着くよ」かもしれません。
出汁といってすぐに思い浮かぶのは、やっぱり「だし巻き」でしょうかね。


前の記事【だし巻き】はプレーンのだし巻きについてでしたが、今回はだし巻きのバリエーションといいましょうか、関東人にとってはある意味「変わりダネ」とも言えるかもしれない種類のだし巻きについてです。


あまり興味のない人にとっては、結局玉子焼きでしょ、ってことになっちゃうのかもしれませんが、たかがたまご焼きであっても、ちゃんとしただし巻きはベストクオリティだと思いますし、ほかにも日本の先人たちが工夫したいくつかのだし巻きがあるんですね。


まずは「うまき」
ウナギのかば焼きのたまご巻きです。

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以前は時々作っていたんですがね、今はやらなくなりました。ウナギが高くなったからです。


でもこれ、天然よりも養殖の方が向いていると思います。でっぷりとしたヤツ。
ラッキーにも切り身で安くて姿のイイのを見つけたら、ぜひやってみて欲しい一品ですよ。
時々セールとかやっていて、これホントにウナギなの? ってぐらい安いのがあったりします。そんなんでオッケーです。


かば焼きにしますので、かば焼きのタレが必要です。安くてちっさいのでイイと思います。ウナギもタレも。


出汁は好みですから、なんでも、とは言いながらお勧めは濃い昆布出汁ですね。


煮立てちゃいけませっていうのがお約束の昆布出汁ですが、思いっきり煮立てます。しっかり色が出るまで。
火を止めても鍋から出さないで、そのまま冷めるに任せます。昆布は入れっぱなしです。


ウナギは酒に漬けておいてから焼きます。少し焼けてきたらタレを塗って、ひっくり返して、少し焼いてタレを塗って、またひっくり返して、2回ぐらいやれば安いタレでもしっかり味が付きます。


大葉を千切りにして用意しておきます。


玉子を溶いて、出汁を混ぜます。昆布は入れません。


で、フライパンへ。ガシャガシャっと箸でかき混ぜて少しかたまり加減の玉子の端っこへかば焼きを乗せます。その上に大葉の千切り。
あとは普通のだし巻きの要領で巻いて、出来上がりです。


出過ぎだよ、というレベルの昆布出汁がかば焼きに負けず、大葉の青さと相まって「心が落ち着くよ」です。


こういうの、最初に作ったヤツ、エライッ! いや、出汁じゃなくって、うまきですね。


続いては「はも巻き」


これは愛媛県へ行ったときに一回だけ食べたことのある一品です。


カウンターから厨房の見渡せる小料理屋さんで、しっかり見て覚えているつもりではありますが、自分では作ったことないです。はい。すびばせん。


でも、ハモとか普通には売ってないっすよ。
で、おそらくたぶんの作り方です。


仕込み済みのハモの切り身を煮ます。たぶん水と酒と塩とうま味調味料だけ。ハモが浸るぐらいの分量。
煮立ってきたら火を止めてハモを皿に取り出しておきます。


玉子を溶いて、ハモを煮た出汁ちょっとと混ぜます。出汁は後でも使うのでちょっとです。
だし巻き玉子を普通に作ります。普通にね。んははです。


出来上がっただし巻きをさっきの皿のハモのとなりに並べます。
残っているハモの出汁に醤油ちょっとと片栗粉をいれてアンにします。
皿のハモとだし巻きにかけて出来上がりです。


何といいますか、素朴でありながら上等な感じの旨さです。「心が落ち着くよ」です。


アンの中に三つ葉とか、ポンって入れてあげると、もっと「心が落ち着くよ」だと思います。


も一つは「鯛巻き」


これは時々、作りました。経験ありますです。はい。
鯛の安い時だけ作ります。パックの切り身でイイです。


切り身を茹でます。色が変わったらオッケーです。氷水にあけておきます。


鍋に水としょう油、砂糖を適量入れて熱します。味醂が好みの人は入れてもオッケーだと思いますが、ねとっとした甘さになってしまうので、ま、お好みで。


氷水から鯛を鍋に移して煮込みます。ほうれん草とか緑系の野菜を加えるのもオサレです。
鯛が色づいたら皿にあげて、身をほぐしておきます。野菜を加えた場合は野菜も一緒にあげておきますよ。


溶き玉子に鍋の煮汁を混ぜて、だし巻きを焼いていきますが、途中途中で鯛のほぐし身を具材として入れていきます。
出来上がった鯛巻きに、残った煮汁をかけて完成です。


こりっとした味わいが魅力の鯛の刺身とは一味ふた味違った「鯛巻き」です。「心が落ち着くよ」です。


ま、3つとも酒のアテ、がサイコーですけれど、ごはんにももちろん、最強です。

 


旨い、と思うものを食べて、心を落ち着けて、平常の自分をまだまだ守っていきましょう。


日本の味なんです。「心が落ち着くよ」