ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【自分がホントにやりたいこと】 それが見つかる人と 考えちゃうと不安になる人

< たとえ失敗したとしてもチャレンジした自分に満足は出来るんじゃないでしょかねえ >

マリッジブルーってホンマにあんねんなあっていう話からなんですけどね。


いつもの焼酎バーで、ちょこちょこ一緒になることがあったウワバミ女子、チカチューなんですが、会社都合の転勤で千葉県に引っ越して行ったんですよね。


「もともとね、お気楽極楽な独り暮らしだから、千葉だろうが沖縄だろうが、どこでもイイのよ」


とかね、そんなことを言っていたんでした。
沖縄県? それは希望的観測ってやつでしょうけどねえ。


で、なんかそういうセリフとはウラハラな心境があったものなのか、時々、都心の会社から千葉県とは反対方向へ行く電車に乗って、常連だった焼酎バーにふらっと現れて、


「いつもながらの久しぶり~」


とかいう常套句を発しながら呑んで、ま、早めに帰っていく、なんてことをやっていたチカチュー。
そんなんで、1年以上前になりますけど、


「今度、結婚するんだ、あたし。年貢のおさめどきかなあ」


なんて、最近の男子でも口にしないようなことを言っていましたんで、もうこっちには来られない感じかなあって、他の常連さん連中で噂していたんでした。


それが、ついこの前、3ヵ月ぶりぐらいに顔を見せて、カウンター席の隣りにやってきたですよ。


グレーのカーディガンに、例のごとく例によっての黄色いスカート姿。
坐るなり、


「ダイヤメ、炭酸割り。お願いしまあす」


すると女将さんが、すかさず、


「ダイヤメと同じ酒屋さんから新しいのが出たんだけど、チカちゃん、好きだと思うよ」


「へええ。芋?」


「麦なんだけどね、ダイヤメと同じような系統で、ふんわり感がイイのよ。グリーンチルっていうの」


「麦かあ。グリーンはイイとして、チルってなあに? ダイヤメって名前、焼酎呑んでその日の疲れを癒すっていう意味だったでしょ、鹿児島県の方言。チルっていうのもどこかの方言?」


「なんでしたっけ、ぱうすさん」


は!? そんなとこで振られるですかあ。。。

 

 

 


鹿児島県で1日の疲れを晩酌してとりましょう的な意味だっていうダイヤメでしたけど、チルはチルアウトっていう英語で、やすらぐとか、落ち着くとかいう意味らしいっす。


っていうか、酒の名前の意味とか、どうでもイイっしょ。とにかく呑んでみればイイんでないの!?


「そだよねえ。そうしまあす。呑んでみまあす」


女将さんがニコニコと、


「じゃあ、お勧めのソーダ割りでね」


「はあい、お願いしまあす。ふ~っ。なんかさあ、ここに来るとこういう話から何から、妙にすんなり入ってくるんだよねえ。あのさあ、ぱうすさんさあ、あたし、結婚やめようかなって思うんですよねえ」


どっひゃあああ!
いきなりですねえ。なにがあったんでございましょうか?


「別になにもないの。なんとなく、そっちに行っちゃいけないような気がしてきたんですよねえ」


マジな話みたいなんでした。


相談している会社の人たちには、マリッジブルーの重いヤツだろうって言われているらしんですが、チカチュー本人に、そう考えるようになった原因に思いあたることがあるんだそうでした。


チカチューと同期の男子社員。わりと将来を嘱望されていたらしいんですけど、2ヶ月ぐらい前に会社を辞めたんだそうです。


とくに仲が良かったとかそういうんじゃなかったみたいなんですけど、同期5人で送別会をやったときに、その彼はニコニコとどうして辞めるのか、辞めてどうするのかを淡々と語ったそうです。


それがズシ~ンとインパクト。モロに影響を受けたんだそうです。


「自分ってなんなのかなあって、そんなこと考えたの30年以上も生きて来て、生まれて初めて」


同期くんは社内の働き方改革に違和感を募らせていたんだそうです。


リモートワーク日の割り当て。有休休暇の完全消化。育休取得。
独身男子社員に育休取得の予定を聞いてどうすんだ!


ひとり暮らしの休日。休みが増えたのはイイことのような気もしていたけど、何をして過ごしたらいいのか分からず、結局は休みの日の方が疲れる。


働き方改革って、なんなんだ!? 誰のためのものなんだ!?


じゃあ休まずに仕事に出て行く方がイイかっていうと、仕事がそんなに好きなわけでもない、って考え始めて、自分の好きなことってなんだったか、そんなことを真剣に1年以上考え続けた。


子どもの頃から動物が好きで、動物園で働こうと思っていた中学生時代。
そういえば、その頃はもっと毎日笑って暮らしていたような。


そんなタイミングで北海道の遠縁が乳牛牧場を拡張して会社組織にするっていうメールがスマホに飛び込んで来た。


これまでは全くの家族経営で大きくはない牧場をやっていた遠縁の家族。


両親と兄妹、アルバイトの学生数人で、休みもなく牛の世話をして頑張って来たんだけれど、母親が腰を痛めてしまった。


家族経営では、もう無理の効かない状態になってしまった。
牧場をやめるか、拡張して生産性をあげて会社組織にする。


これまではアルバイトを募集するにもホントに忙しい時だけ、たまにだったけれども、しっかり給料を払える体制にもって行って社員を雇う形にしていくんだという。


両親も年をとって身体が思うように動かなくなってきているんで、自分が社長になって、とにかくチャレンジしてみる。


まとまった休みがとれるようだったら、学生時代みたいに手伝いに来てくれ。


広い空の下で、これ以上ない旨い牛乳がたっぷり飲めるぞ。
なんといっても牛が好きだし、やれると思っている。


そんな内容のメールを受け取った同期くん。

 

 

 


その同期くんは、3つ年上のその遠縁のお兄さんから、ずっと前から言われていたそうです。


都会の会社は休みが多くてイイな。
うちの家族には休みなんて1日もない。


言われてみればその通り。生き物相手の仕事ですからね。休みを取るにしてもローテーションで回していくしかないんですね。家族4人では回しようもないってことでしょうね。


思い切ってやってみる。なにか自分なりの精一杯を実行するって凄いことだな。


1週間、真剣に、自分の生活、生き方っていうのを考えたんだそうです。


そして、オレも牛、好きだよ。兄ちゃんに負けないぐらい牛が好きだ。社員応募はまだ間に合うか。牛と一緒に暮らしていけるなら休みなんて要らないっていう心意気の男がここにいるよ。


って、メールで返信して、牧場の社員になることを決めた。


あとはトントン拍子の強い気持ちで退職手続きを進めることができて、こういうことになった。


牛のことは勉強しないといけないことがかなりあると思うんだけど、無理なくやれる自信がある。


チカチューは同期くんのこんなセリフに撃ち抜かれたんだそうです。


「知ってる? 牛の目。大きくて、どこまでも純粋で、ウソがないんだよね。こっちを見て会話もできるんだよ。言葉なんて要らないんだ。

牛と暮らしていけるって、素晴らしいと思うんだ。自分がホントにやりたいことって、これだったんだって。牛だけじゃないけど動物ってただ生きているんだと思う。

ホントに理屈とか主義とかじゃなくって、ただ自然のままに生きてる。人間もそういう生き方の方が、ね。そう思ったんだよ。働き方改革とかじゃなくって生き方改革、言ってみればそういうこと」

 

 ん?

別に説教として聞いたわけじゃないけど、チカチューは自分がホントにやりたいことっていうのを改めてズドーンと考えさせられた。


ふうむ。


焼酎バーのカウンターでしみじみとする話かどうかは置いておくとして、分かる気はしますね。


自分がホントにやりたいって思うことがあって、それをやり続けている人、やり続けることが出来ている人って、どれだけいるでしょうかね。


あるがままの自分っていう存在。


アイデンティティとかいう言葉が当たり前に浸透している世の中です。
自己同一性とかいうんですよね。


でもむしろ、正直な自分じゃない、思い込みの自分っていうのをアイデンティティにして、まったく自然じゃない自分、っていう人たちばっかりになってしまっているのが21世紀なのかもですねえ。


いつの間にか、やりたくもないことに専念している自分に気付いちゃう。
現代人の慢性的疲労感って、この辺に原因があるのかもって気もします。


正しい人間像みたいなものがあるとして、それを自分にあてはめようとする。悲しいことには、その正しいと思い込んでいる価値観が教育とかで与えられるものなんで、誰にでも共通していて、多様性なんてありゃしない。


アイデンティティがどうの、っていう以前に自分になにかしたいことがあるのかどうか分からないっていう人の数の方が多い21世紀の日本なのかもですもんねえ。


チカチューはまだ言います。


ゴールデンウィークね」


はあ?


「有給休暇使って、だいたい10連休ぐらいにするのが常識的になってきちゃっててね、女子社員なんて、カレンダー通りに会社に出て来るなんてカッコ悪くって、っていう状態になってたんですよねえ。それが当たり前に思ってたんだけど、そういう当り前って違うよね」


う~ん。


「休みたいっていう気持ちが強くあるっていうことは、今やってる仕事、好きじゃないってことでしょ。ホントはやりたくない」


でもまあ、仕事が好きな人なんてそんないないっしょ。


「そんなこと考えてたら、結婚するっていうのも、なんか違うかなあって」


いや、それは理論の飛躍っていうかですね、ロジックが破綻してまっせ。


結婚をやめたからって、それで自分のやりたいことが見つかったりするもんじゃないでしょうし、満足できる生き方が急にひらめくってこともないんじゃないでしょうかね。

 

 

 


チカチューは元気女子ですからね。なんとなく不安な気持ちのマリッジブルーを前からの仲間にぶっちゃけてみたかっただけだったんだと思うですね。


そこにたまたま同期くんの退職騒ぎで、自分のホントにやりたいことに対する心構えとかが気持ちを揺らしてナイーブになった「木の芽どき」ってことで、

 

「早く帰んなきゃ。めんどくさ~い」

 

って、ま、元気は残っている状態で帰っていきましたです。


チカチューがチルして、結婚がうまくいって、同期くんの牧場生活も順調にいくように、祈念しております。


人間、生きていると、いろいろあるでございますよねえ。ふうう~っ。。。

 

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< チカチュー >

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ランサムウェア【ロックビット】 主要メンバー逮捕 暗号化されたデータの復元ツールも開発 ですが

< 世の中がガラガラ変わっていくにつれて 犯罪も手を変え品を変えしてサマ変わり ヤな感じ! >

いつの時代でも、どこにでも、悪いヤツっていうのは居たんでしょうし、これからも居続けるんでしょうね。


「石川や 浜の真砂は尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」


安土桃山時代の大泥棒、石川五右衛門(1558~1594)が詠んだっていう辞世の句。


ある意味で真実を言い残していった五右衛門さん、ってことになるんでしょうけれど、これ、ホントにご当人の辞世の句なんでしょか。


石川五右衛門っていう人自体は実在していたみたいですけどね。
京都の三条河原で「釜茹での刑」にされたのを見たっていう記録はいくつか確認されています。


戦国時代末期とはいえ、人を茹で殺すって、とんでもないことをやっていたもんですよねえ。


昭和の時代にキャンプ場で「ドラム缶風呂」っていうのを見たことがあります。


コンクリートブロックで組んだ台の上にドラム缶を乗っけて、下から直火で熱するんで、ドラム缶の底に直に触れないように、お湯に浮かんでいる蓋っていうのかスノコみたいな板を足で押さえつけながら沈めて入るやつ。


五右衛門風呂の亜流なんだそうですね。
熱湯そのものよりドラム缶のフチの方が熱そうでした。


しかしですね、釜茹での刑なんていうのを考え出したのって誰なんでしょ、っていうとですね、古代中国、殷の紂王(生年不詳~紀元前1046年)っていう王さまみたいです。


酒池肉林ってことをやらかしたとかで評判の悪い王さまですね。
酒池肉林なんてホントにそんなことをやったのかなって、かなり疑問ですけど、烹煮(ほうしゃ)っていう釜茹での刑はかなり頻繁に行われていたそうです。


日本では石川五右衛門の例が最初だとすると、2600年以上を経過して中国から伝わってきたのか、そうじゃなくって豊臣秀吉時代の誰かが独自に思い付いたものなんでしょうかね。


罪を憎んで人を憎まず、とか言いますけれど、思いっきり人を憎んでいるような刑。


天下の大泥棒っていう石川五右衛門ですけれど、そんな派手な殺され方をするって、いったいどんな悪さをしたのか、実は分かっていないんですってね。


金のシャチホコを盗もうとしたとか、豊臣秀吉を暗殺しようとしたとか、後代になってからの創作ではそんなことになっていますが、大泥棒っていう表現が実際の行動を表しているのかどうか、それさえもけっこう怪しい感じです。

 

 

 


「石川や 浜の真砂は尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」


っていう辞世の句にしても、江戸時代に芝居のセリフとして考えられたものなんじゃないでしょうかね。


並木五瓶(1747~1808)っていう歌舞伎作者の作品「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」


「絶景かな、絶景かな」で登場する石川五右衛門が作った句として出てくるのが知られています。


世の中に悪のタネが尽きることはあるまいよ、っていうセリフは説得力があって、まさに真実だなあってなもんで、今に伝わってきているんでしょうね。


尤も、並木五瓶の完全オリジナルってことでもなさそうで、元になったんだろうって思われる和歌があります。


平安時代前期、905年に奏上された「古今和歌集
紀貫之の「仮名序」の中で、和歌には6つの種類があるって言っています。


その1つが「たとえ歌」


あんまりよろしくない出来栄えの「たとえ歌」の例として紀貫之があげている歌、


「わが恋は よむともつきじありそ海の 浜のまさごはよみつくすとも」


当時のインテリだったんだろう並木五瓶は当然古今和歌集の仮名序を知っているでしょうからね、芝居の中の和歌として、本歌取りってなことをしゃれこんだんじゃないでしょうか。


釜茹でなんていう派手な公開刑に処された石川五右衛門っていう人物は義賊だったっていう説もありますけど、なんか、大泥棒とか、そういう単純な犯罪者じゃなかったのかもです。


犯罪の種類なんて数えたこともありませんけれど、「犯罪は世につれ、世は犯罪につれ」っていう側面があるんだとすると、人を殺すハードルがかなり低かったんじゃないかって思える戦国時代の大罪っていうのがなんだったのか、21世紀の今となっては窺い知ることも難しそうです。


一族郎党も同時に死罪になっている石川五右衛門さんですけど、庶民から唾棄されるような悪いヤツだったのかどうか、分かりませんよね。


釜茹でっていう処刑方法が奇抜だったことで後世にその名を残したわけじゃなくって、ピカレスク・ヒーローの役割を、後付けであるとしても持たされてしまった可能性がないでもない石川五右衛門さん、っていうようなことだったのかも。


それから時代はズズッと進みまして、世の中にコンピュータっていうものが出てきてから犯罪の世界もすっかり様変わりしてきちゃっていますよね。


サイバー系っていう、犯罪の新しいジャンルが増えちゃったって感じでしょうか。


犯罪じゃなくって不可抗力ですって申し開きしているビットコイン周りのあーだこーだっていうのもありましたし、21世紀に入ってから急増しているらしいのが「サイバーテロ」ってやつです。


警察庁「サイバーテロ」によりますと、

 

「情報通信システムは、サイバー攻撃を受けて過剰な負荷が掛かったり、コンピュータ・ウイルスに感染したりすると、正常に動作しなくなってしまいます。政府機関等の重要インフラ事業者の基幹システムがサイバー攻撃を受け、国民生活や社会経済活動に甚大な支障が生じる事態は、サイバーテロと呼ばれています」


ってことなんであります。


サイバー空間での犯罪っていうのは、一般人がリアルには感知できないインターネット空間で行われているわけで、悪事を働く側も、それを取り締まる側も、これまでの歴史上には存在しなかったようなスキルが必要になりますね。


新しい種類の犯罪として、とくに21世紀に入ってから急増しているのが「ランサムウェア」による犯罪なんだそうです。


そもそもね、サイバー犯罪っていうのが、なんか身近には感じられませんっていう理由が、この名前、意味不明なカタカナ名称にあるのかもしれませんね。


普通に暮らしている日本人に「ランサムウェア」ってなんでしょうか、って聞いたって、まともに教えてくれる人なんてほぼいないと思います。


専門家でもない限り、それ、英語だよねえ、っていう程度の反応だったりしますよねえ。


でも言葉の意味が分からないからといって「ランサムウェア」の攻撃を免れられるわけもなくって、リモートワーク環境を考えますとけっこう身近なものになっているって考えるべきなのかもしれないですよ。

 

 

 


ランサムウェア」は「身代金ソフトウェア」っていう意味なんであります。


悪意を持ったソフトウェアを「マルウェア」って言いますけど、たくさんあるマルウェアの中の、身代金を要求してくるタイプのソフトウェアが「ランサムウェア」です。


カタカナ名前ばっかり、いっぱい出てくるのがサイバーの世界ですよねえ。
アタマ、カクカクしちゃます。


企業のサーバーに直接侵入するタイプのランサムウェアもありますが、狙われるのはそのサーバーに接続できる個人のパソコンも多いそうです。
個人の環境はセキュリティが比較的弱いってことですね。


例えば、遠隔地にあるパートナー企業が本社のサーバーにインターネット経由で接続して仕事を進める、なんていうことは普通にやっていますよね。


パートナー企業のサーバーに接続している個人のパソコンにマルウェアが仕掛けられちゃうと、本社のサーバーが厳重にファイヤーウォールしていても、そのパートナー企業のために開けてある穴から易々と、イントラネットの中にも入ってきちゃう。


全てのマルウェアは侵入する際に、ノックしたり、ごめんくださいだとか、わかりやすい挨拶なんかしてくれません。


ランサムウェアは静かに潜伏して、侵入すべき場所に拡張侵入していきます。


この辺がやっかいなところです。ソフトウェア自身が環境を判断している。


内部情報を確認して、対象データファイルを片っ端から暗号化して圧縮してロックをかけてしまいます。


暗号化されてロックされたファイルには復元しない限りアクセスできません。


つまり業務の一部、あるいは全部がストップしてしまうわけですね。


ファイルのロックを解除するには解除キーが必要になります。


「あんたの会社のデジタルデータを人質に取った。ロックを解除するキーコードが欲しければ〇〇億円を△△に振り込め」


これがランサムウェアっていうやつで、身代金を要求してくるわけです。


これまでにたくさんニュースになっていますんで、ランサムウェア被害っていうのを聞いたことがあるんじゃないでしょうか。


人質にされたデータの種類にもよりますけれど、身代金を払わずに、新たなシステムを起ち上げるっていう解決方法もあるにはあるんですよね。


でも、そうすると犯人側は、企業秘密に相当する部分のデータを、誰でも閲覧できるウェブサイトに公開するぞ、って脅すテに出てきます。


ロクなもんじゃないですね。
そりゃそうです。そもそもが悪いヤツなんですから。


昔はクラッカーなんて言ってましたけど、今はこういう悪いヤツらも、サイバー知識に長けているっていうことで「ハッカー」っていうみたいですね。


悪事に加担しないハッカーの方を区別して「ホワイトハッカー」なんていう言い方も耳にします。


最近で名前を知られているホワイトハッカーといえば、台湾のプログラマーで政治家になった「オードリ-・タン(唐鳳)(1981~)」でしょうか。


台湾でのデジタル技術を駆使したコロナ対策は世界的に評価されましたですね。


日本のタロちゃんとは雲泥の差でした。タロちゃん、素人だし。
いつまで経っても素人のままみたいだし。。。


でもまあ、ハッカーなんてそんなに大勢いるってもんでもないでしょうけどね。


フィクションの世界には圧倒的な人気のハッカーがいます。


ホワイトハッカーとは言えないヒロイン。


「リスベット・サランデル」


スウェーデンの作家、スティーグ・ラーソン(1954~2004)の推理小説「ミレニアム」の主人公です。


小説は大ヒットしましたし、映画にもなっていますんで知っている人も多いと思います。


「ドラゴン・タトゥーの女」

 

「火と戯れる女」


「眠れる狂卓の騎士」


この3作を書いてところで、スティーグ・ラーソンは突然亡くなってしまいます。心筋梗塞だったそうですね。


シリーズの構想としては10作あったそうですけど、3作でジ・エンド。


って思っていたら、同じスウェーデンの作家、ダヴィド・ラーゲルクランツ(1962~)が続編を引き継ぐことになって、


蜘蛛の巣を払う女


「復讐の炎を吐く女」


「死すべき女」


の3作が発表されていますね。


大ヒット作を引き継ぐなんて狂気の沙汰、だと思いますけど、それなりの出来、ではあると思います。


リスベット・サランデルは、身長154センチメートル、体重42キログラム、ショートヘア、鼻と眉にピアス、背中にドラゴン・タトゥー、首にはスズメバチのタトゥー、そのほか腕や脚にもタトゥーを入れていて、サイバー空間の中でも一目置かれているハッカー


ま、あんまりリスベットのことを語ってしまうと未読の方々にネタバレになってしまいますので、映画を含めてどんな活躍を見せてくれるのかは言わずにおきますです。


6作で終了したのかどうかハッキリしませんけれど、リスベット・サランデルは今のところ釜茹での刑とかには、なっていないです。


創作の中では絶対につかまらない、足元を見られることのないハッカーの存在っていうのも可能ですけど、現実世界ではどうなのかっていうことですよね。


そこが問題です。


世界的に「ランサムウェア」を仕掛けて勇名をはせていたのが「ロックビット(LockBit)」っていうソフトウェア、それを仕掛けていたグループです。


日本でも数件の被害発表がありました。


徳島県つるぎ町立半田病院。2021年、ロックビットの攻撃によって40台のパソコンデータが暗号化されちゃって、8万5000人分の電子カルテが閲覧できなくなった。


脅迫メールを送り付けて来た犯人グループが「ロックビット」を名乗っていたんだそうです。


システム復旧まで2ヵ月かかったそうですが、復旧方法は公表されていません。


身代金を支払ったのか、支払わずにロック解除できたのか、あるいは新しいシステムに切り替えたのか。
2ヵ月の間に転院しなければいけなかった患者さんが少なくなかったみたいですね。


その他にも名古屋港のコンテナ管理システム、千葉県南房総市の小中学校の校務ネットワーク、沖縄県那覇市の図書館だとか、8施設ほどがやられているんですね。


日本の警察も攻撃に使われたサーバーの追跡だとか、世界的な捜査に加わっていたわけですが、2024年2月20日、欧州警察機構(ユーロポール)が「ロックビット」の主要メンバー2人を検挙したって発表しました。


ユーロポール。ほら、あれですよ。
ルパン三世の銭形警部、とっつあんが出向している警察機構。


サイバー犯罪には世界規模での協力がないと対応できませんからね、これからのニュースにはユーロポールっていう名前がたくさん出て来るかもです。


とっつあんは、ま、出てきませんでしょうけどね。


数多いランサムウェアの中でもロックビットは突出して攻撃件数が多かったそうで、ユーロポール、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、スウェーデン、スイス、カナダ、ドイツ、そして日本の警察が共同捜査を進めていたんですね。


その国際共同作戦名は「オペレーション・クロノス」


作戦名って、なんか軍事作戦っぽい感じもしますけど、サイバーテロに対しては、そういう態度じゃないと対応できないのかもですね。


今回ポーランドウクライナで逮捕された2人の国籍や、主要メンバーってされていますが、その役割はどういうものだったのかは発表されていません。

 

 

 


「オペレーション・クロノス」の詳細結果発表はこれからってことなのかもしれないですけど、今回の警察発表の中で、ほほうって思ったのは逮捕以外のもう1つの方のニュースでした。


それは「日本の警察庁がデータ復元技術開発」っていうもの。


ロックビットによる攻撃で使用不能になったデータの復元手法を世界で初めて開発したっていうことなんですよ。
日本の警察がですよ。


デジタル後進国っていうレッテルを貼られてしまって、特に中央省庁とか、ダメダメだよね、だったんですけど、やるじゃん警察庁! でありますよ。


サイバーテロ対策として警察庁は「サイバー特別捜査隊」を「サイバー特別捜査部」い格上げして、より一層のレベルアップを図っていくんだそうです。


格上げねえ。やっぱりお役所ですからねえ。


これまでのテイタラクからしますと、ホントかよっていう気持ちもどこかにあるんですけど、人材を得たってことなのかもです。


そういう人事の発表はね、なくたってイイんです。
実際には凄い人がおります、内緒ですけど。ってことで全然かまいません。


スーパーな実績をどんどんあげていっていただくことを祈念いたします。


データの復元方法っていってもですね、万能ではないでしょうし、ランサムウェアもたくさんの種類がありますから、ランサムウェア対策がそれで解決するっていう種類のことじゃないですね。


ただ、大きいって思うのは、コンピュータセキュリティのジャンルで、日本が欧米の技術にどうやら追いついたってことだと思います。


リバースエンジニアリング」ってやつでしょうね。
アセンブル、逆コンパイル


今回のツール開発を足掛かりとして、犯罪対策ってことだけじゃなくって、サイバー空間の中で国際的な役割をしっかり果たしていける日本になることが期待されますです。


尤もね、2人が逮捕されたからといってロックビットが壊滅したわけじゃなくって、「LockBit Supp(ロックビットサップ)」って名乗るハッカーが、逮捕発表の数日後に

「FBIにやられた。FBIはうそつきだ。米政府機関への攻撃を強化する」

とかいうことを再開させたロックビットのサイトで言っているそうですからね、戦いの端緒についたっていう段階なのかもです。


サイバーテロを仕掛けてくる集団、あるいは個人って、ロックビットだけじゃなくって、たくさんいるんですもんね。


デジタル庁。今回の逮捕劇、どの程度理解して、どう捉えているんでしょかねえ。
日本にリズベット・サランデル、居ない?

 

 

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【週休3日制】 そんな世の中がやって来るのか?

< 家計のことを考えるんだったら腰を入れて副業しなさいってことなんでしょうか >

吹く風は冷たく、春まだ遠い如月の頃のことでございます。


夕方から冷たい雨になった日の夜に、かじかむ手で傘さしてまで外に出て、呑み屋さんのノレンをくぐるのは常連さんぐらいのもんでしょねえ。


焼酎バーのカウンター、一番奥に、でっぷり体形の40代サラリーマン、マッツンがすでに眠そうに目を細めて座っています。そうなってからが長いタイプの酒呑み。


その隣には、この店に来る常連さんの中でおそらく一番の酒豪、アラフィフ、昔、いやいや今でも美人のセーコちゃんが座っていて、もう生ビールの段階は終わって焼酎ロックをやってますねえ。
いつでもチャンポン。そういうタイプの酒呑み。


夜の8時を回っていましたがテーブル席にはオバオジカップルが1組だけで、まあ、店内は静かな夜でした。


で、マッツンの大きな地声が目立っていたんでありましたけれども、アネサン格のセーコちゃんに何事か訴えかけているようでした。


「でも、あれっすよ、休みが増えた分、給料が減っちゃうっていうのって、なんか、働き方改革としてオカシクないっすか」


ほほう、働き方改革。珍しくマッツンが酔眼ながらも真剣な声を出しています。


「だから、週休1日システムのあたしには、そんなの実感できないんだってば。週に3日も休みがあるってどういうことなの?」


あらら、そでしたね、セーコちゃんは週休1日、日曜日だけがお休みだったですねえ。
前に聞いたことがあります。


そのセーコちゃんの隣に席を占めました。

 

 

 


おしぼりを持って来てくれた女将さんが早口に説明してくれたところによりますと、なんと、マッツンが今の会社を辞めようかどうしようか、セーコちゃんに相談しているらしいんですね。


相談しているって言いますか、ま、聞いて欲しいっていう感じなんでしょうけれどね。


「あ、どもお。お疲れっす! ぱうすさん、遅いっすよ」
「お疲れ~」


ってことで、はいはい、いつも通り自然に話の中に組み込まれます。


マッツンが会社を辞めようとする理由が、最近耳にした記憶のある「週休3日制」ってやつらしいんでした。


世の中に先駆けて休みが増えるっていうのに、なんで辞めようなんてことになっているんでしょうか。


会社を辞めようかっていうぐらいですから、マッツンは詳しく調べていたようでした。


週休3日制っていうのにも種類があるらしくって、けっこうややこしいみたいなんですよね。


1:週の労働時間はそのままにして、賃金も現状のままとする。


2:週の労働時間を1日分減らして、賃金を現状維持とすることで実質的賃上げとする。


3:週の労働時間を1日分減らして、賃金もそれに準じて1日分減らすこととする。


ざっとこんな感じみたいで、ふむう、なるほどなパターンがあるわけです。

 

連続とは限らない


「1」の場合、週5日分の労働を4日でこなしなさい、ってことですから、1日の労働時間が長くなる。


現状でも1日10時間ぐらい働いている人も少なくないですけど、さらに増やして12時間、13時間を会社に取られたら、通勤時間を含めると、なんだか思考停止の生活になっちゃいそうな気もします。


週に3日の自由な日があるってことが、誰にとっても等しくパラダイスってことじゃないんですねえ。


「2」のパターンが理想って言えば言えそうでしょうか。


で、マッツンの会社で持ち上がっている週休3日制の話っていうのが「3」のパターン。


「ね、ぱうすさんね、世の中がね、給料上げましょうなんてやってるのに、うちの会社、なんか理由見つけて給料下げようっていう魂胆なんですよ。考えられます? うちの社長、岸田さんより時流読めてないでしょ」


セーコちゃんがツッコミます。


「だからさあ、何も考えてなさそうな岸田さんのことなんか知らないけどさあ、まともな働き方改革とか、給料アップがテレビで言ってるようなことになってんのって、大きな会社だけなんだって。中小零細はお呼びじゃないのよ。ね、ぱうすさん、そうでしょ」


はあ、そうかもしれませんねえ……。


「あたしの会社なんて週休1日なのよ。イマドキ。今どきによ! 休みは日曜日だけ。どうなってんのよ」


ん~。そう言われましてもねえ、……。


世の中はワークライフバランスだとかなんとか言い始めてますけどねえ。

 

 

 


厚生労働省がコロナ対策の一環として、3密を避けるため、外を出歩く機会を減らすためってことで2020年に「週休3日制の導入」っていうのを言い出したのが最初だったように思います。

 

「1か月単位の変形労働時間制を採用し、1か月の法定労働時間の枠内で労働時間を調整することで月の休日数を増加することが可能となります」


とか言っちゃって、特に工夫された提案でもなかったんですよね。


法定労働時間っていうのは、厚生労働省「法定の労働時間、休憩、休日」によりますと、

 

・使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。


・使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。


・使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。


ってことになっているんですね。


この他に「時間外労働協定(36協定)」「変形労働時間制」「フレックスタイム制」だとかがあるんですけど、いろいろ工夫すれば週休3日制にもっていけるでしょ、ってことなんでしょね。
丸投げってやつです。


いろいろなアンケート調査では、賃金が減らないように週の労働時間を現状と一緒にする。つまり、1日の労働時間を長くして対応しようっていう「変形労働時間制」が週休3日制の現実解になっているみたいです。


「変形労働時間制」には、1週間単位、1ヶ月単位、1年単位、っていうのがあるんですよね。


そういえば、2019年に日本マイクロソフトが「週休3日制」を試験的に実施した結果、前年同月に比べて生産性が40%向上したなんていうニュースがありました。


それからコロナになって、週休3日制の話ってどうなったんでしょ。
とくにニュースにはなっていませんでしたよね。


マッツンの会社がパンデミック明けのタイミングに、どういう理由で週休3日制を導入しようとしているのか分かりませんけれど、会社側が給料を減らそうっていう手段として考えているんだったら、マッツンの悩みも深くなっちゃいますよねえ。

 

 

 


そもそも日本人って労働効率、ワルイねん!


っていう意見はかなり前からありますけれど、働き方改革って、今のところ労働効率を改善するような方向で推進されてはいないように感じます。


週休3日制ってことで、休みの日を増やそうっていうの、ひょっとすると、AIのせい?


資本側からすると、AIがたいていのこと出来ちゃうから、おまあら、もう要らんねん! っていう意思表示!?


マッツンの悩みは、もしかするとAI時代の働き方として、誰でも考えておくべき先見性を伴なっているのかもです。


さらに言えば、週に1日しか休みがないお勤めの人にとって、週休3日制が与えるインパクトって、大量な離職者を出しちゃうかもですよ。


日経平均、4万円時代とか言って浮足立っているようなオ歴々もおられますけど、マッツンもセーコちゃんも、ため息ばっかりです。


どうですか? 週休3日制の話、聞こえて来てますか? ため息ですか?

 

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【怠け者選手権】と【世界怠惰の日】っていうのがあるですねえ 地球人 がんばってるから?

< 中国では「寝そべり主義」っていうのが定着しているみたいだし 人類 お疲れなんですねえ >

いつも通り、あさっての方からの始まりになるんですけど、「100年戦争」って聞いたことありますよね。


歴史の授業で、机に突っ伏しながら睡魔と闘っているアタマの上をなんとなあくではあっても、「100年戦争」っていう単語が通り過ぎていった記憶、ありませんか。
中学の頃だったでしょうか、高校? 世界史の授業でしたね。


一般的に言う「100年戦争」っていうのは、イギリスとフランスが、1339年から1453年まで王位と領有地を争った、104年も続いた戦争のことですね。


しかしまあ、100年もずっとチャンチャンバラバラ、ドンパチやっていたはずもなくって、なんだか結論の見えないままずるずると続いていたっていうのがホントのところらしいです。


そりゃそうでしょねえ。昔の人がいくら根気強かったとしても、親子4代とか5代に亘って殺し合いなんてやってたら、民族としての存在も危うくなっちゃいそうです。


そんなアホなことすんのって、イギリスとフランスだからこそで、他の国では100年戦争なんてやらないでしょ。
っていう意見もあります。


イギリスとフランスってなにかっていうと戦争しているような印象あるもんね、ってな感じの、日本から遠いヨーロッパのハナシ、全くの他人事っていう声も聞きます。


でもね、なんとですね、実は、日本も100年戦争やってたですよ。

 

 

 


ちっともメディアには取り上げられていませんし、日本国として正式には認めていないみたいなんですけど、国際法上の100年戦争、やってた事実があるですよねえ。


ちょっとね、信じがたいことではあるんですが、日本と100年戦争をやっていた国は、アドリア海を挟んだイタリア半島の東側、バルカン半島にある「モンテネグロ


モンテネグロっていう国は、外務省の「モンテネグロ基礎データ」によりますと、福島県と同じぐらいの大きさ、人口60万人っていう小さな国なんですね。

 

日本ではモナコの「モンテカルロ」の方が名前として圧倒的に知られているかと思います。


名前は似ていてもイタリア半島を挟んで直線距離で950キロメートルぐらい離れています。特に関係の深い国ってわけでもなさそうです。


ムリヤリ共通項を探せばローマ文化圏、って感じになるんでしょうかね。


モンテネグロは1852年にモンテネグロ公国として世界史の中に登場してきます。


ヨーロッパ諸国の成立、合併、独立ってかなり複雑ですからね、モンテネグロ公国は、北にはオーストリア・ハンガリー帝国、南にはオスマン帝国があって、当時の強国に挟まれて誕生しています。


自国の存続のためには、地政学的にロシアと強い結びつきを持たざるを得なかったみたいなんですね。
敵の敵は味方っていう、例のあの計算でしょねえ。


狼と虎に挟まれた状態なんで白熊と仲良くして、それをアピールしておかないと、いつ襲われないとも限らない。


そういう事情があるからなんでしょうけれど、1904年に日露戦争が始まってしまった時、モンテネグロ公国はロシアに味方して日本に宣戦布告したわけです。


モンテネグロとロシアとは一心同体なんですよ、ってことでしょうね。


日本に宣戦布告したのは1905年のことなんですが、モンテネグロ公国中国東北部、当時の満州に兵を進めたものの戦闘状態に入ることはなかったそうです。


1回も戦闘することがないまま、1905年にポーツマス条約による講和が成って日露戦争終結したわけですが、この講和にモンテネグロ公国は参加を認められていないんです。


なぜならば一度も戦闘に参加していないからですね。


つまりモンテネグロ公国日露戦争に関係していない、っていう扱いなわけです。宣戦布告しているのにです。


その後1910年に「モンテネグロ王国」になって、1918年にはセルビアに併合されたりっていう歴史を経て、2006年に「モンテネグロ」として独立しています。


モンテネグロは21世紀に独立した国家なんですね。


独立、おめでとうございま~す。ってことではあるんですけど、日本がその挨拶の場面になってハタと困った事実が出てきます。


2006年、世界各国にならってモンテネグロの独立を承認するっていう件を国会で審議するにあたって、1つの質問が提出されました。


「1904年にモンテネグロは日本国に対して宣戦布告をしていますが、ポーツマス条約にモンテネグロは参加しておりません。よって、2006年現在、モンテネグロと日本は103年間の長きにわたって戦争状態にあることになりますが、そのような国に対して祝辞を述べるということは、果たして国会として認めるべきことであるのか」


2006年当時の国会は小泉純一郎政権です。
その質問への答えは、曖昧さの使い方として、とっても日本的なモノでありましたとさ。


「あ~、その件に関しましては、1904年にですね、モンテネグロ国が我が国に対して、宣戦を布告いたしたという事実をですね、示す根拠というものをですね、承知しておりません」


他の問題であればコンニャロ! な意見表明なようにも思えますが、ま、日本国の政府見解として、戦争のことですからね、「承知しておりません」ってことで、ま、イイ方向なんでしょかねえ。


とにもかくにも日本政府はモンテネグロの独立を承認して、山中燁子(やまなかあきこ)外務大臣政務官モンテネグロに派遣したんですね。


外務大臣政務官っていう役職に馴染みはないんですが、大臣を補佐する特別職の国家公務員だそうです。


山中さんは当時の外務大臣麻生太郎さんの代わりにギリシャモンテネグロおよび国連暫定統治下のコソボを訪問しています。


モンテネグロに行って独立を承認する旨を伝えるとともに、モンテネグロと日本の間の「100年戦争」の終わりを確認したっていうことになっているらしいです。

 

 

 


2006年ねえ。そんなニュースってあったかなあって、ちょっと自分の記憶にはない「日本の終戦


2024年現在、在モンテネグロ日本大使館は、在セルビア日本大使館が兼業しているみたいです。


モンテネグロの情報ってそんなに日本には入って来ていないですよね。
個人的には、国の名前として、かろうじて聞いたことがあるような気がするっていう程度です。


ところで、なんでなのかは分かりませんけれど、「モンテネグロ人は怠け者だ」って言われているらしいんですよ。


どゆこと?


個人に対する評価として怠け者っていう判断があることは理解できますし、正直言って、時々は怠けた方が能動的に生活できるようにも思います。


でもモンテネグロ人は怠け者だっていうような、国民性としての怠惰とか、そんなことってあるんですかね?


そんなことが言われるようになってしまった理由としてあげられているのが「モンテネグロ十戒」です。
観光資産として積極的に推している感じがしないでもないですけどね。


1:人間は生まれながらにして疲れており、休むために生きている。


2:汝を愛するように、汝のベッドを愛しなさい。


3:夜よく眠れるように、昼間は休息しなさい。


4:働くな。仕事は死を招く。


5:休んでいる人を見かけたら、助けてあげなさい。


6:できる限り働かず、できる仕事はすべてほかの人に回しなさい。


7:日陰には救済がある。休んで死んだ人はいない。


8:仕事は病気の原因となる。若くして死んではならない。


9:仕事をしたい衝動に駆られたら、座って待てば、その気持ちは収まる。


10:飲食をしている人を見たら、その人に近づきなさい。彼らが働いているのを見たら、離れて邪魔をしないようにしなさい。


このモンテネグロ十戒っていうのが、いつから言われ始めたものなのか、調べきれなかったんですが、なんだってこんな内容を並べ立てたんでしょうか。

 

 

 

「働くな。仕事は死を招く」
とか言ってもねえ、働かなかったら収入がなくって、食べて行けなくって、やっぱり「死を招く」ってことになりそうです。


シャレですよ、ってことなんでしょうけれど、モーセ十戒をなぞっているんでしょうね。


モーセ十戒っていうのも訳してある言語によって、けっこうニュアンスが違っているものなんだそうですけど、ヘブライ語の聖書ではこんな感じらしいです。


1:私は主、あなたの神、あなたを奴隷の家から導き出した者である。


2:あなたには、私をおいてほかに神々があってはならない。あなたは自分のために彫像を造ってはならない。


3:あなたは、あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。


4:安息日を覚えて、これを聖別しなさい。


5:あなたの父と母を敬いなさい。


6:殺してはならない。


7:姦淫してはならない。


8:盗んではならない。


9:隣人について偽りの証言をしてはならない。


10:隣人の財産を欲してはならない。


ん~。とくに内容的な対応はなさそうで、ただ雰囲気的に10個並べてみました、っていうモンテネグロ十戒なんでしょかねえ。


どういういきさつでモンテネグロ十戒が出来上がって、ヨーロッパに広まったのかは分かりませんが、モンテネグロ人は怠け者、っていうことが、ごく当たり前に言われるようになっていったっていう現象はあったみたいなんですよね。


で、そのことに、当のモンテネグロの人たちは真っ向反論するんじゃなくって、全く逆方向のアピールを始めたんです。


それが「怠け者選手権」


独立してから6年、参加者は指定されたマットレスに寝っ転がっているだけっていう2012年から始められた年に1度のコンテスト。
怠け度を競う選手権。


2023年からは8時間ごとに15分の休憩を取ることができるようになったそうですが、それまではまるで休憩とかなかったらしいです。


モンテネグロ人は怠け者だって言われることに対して、だったらホンキで怠惰なところを見せてやろうじゃないの、ってことなのかもしれませんけれど、マットレスに寝っ転がっているだけっていうルール。


マジメに寝っ転がってないとダメです。立ったり座ったりしたら失格です、っていうことですからね、8時間ごとに15分の休憩が必要なぐらいにキツイことですよね。


ただ寝っ転がっているんだけど、やっぱり休憩が必要。トイレ休憩とか。


修行かよ、っていうぐらい、かなりマジメに取り組まないといけない「怠け者選手権」ですねえ。


参加しているのはモンテネグロ人だけじゃなくって、ウクライナ人、ロシア人、セルビア人なんかも含めて、毎年数十人。
ウクライナ人とロシア人、ここでは一緒に寝っ転がってる。


優勝者には一応、日本円で約16万円の賞金が出るんだそうです。


優勝して「あなたはヨーロッパで一番の怠け者です」って評価されても、一攫千金ってわけでもないですし、あんまり嬉しくないような気もしますけれど、どうなんでしょうかね。

 

 

 


モンテネグロ人も変なイベントをやりだしたもんですねえ、って思ったら、中米のコロンビアには「世界怠惰の日」なんていうのがあるんでした。


こちらの方は何もルールだとかはなくって、ただただの~んびりするお祭りみたいな感じ。


街なかにベッドを出して寝そべったりする人が目立っている程度らしいです。


働き過ぎず、のんびり暮らしましょうよ、っていう労働者の資本者に対する態度表明、なんでしょうかね。


1985年から続いているっていうことですから、国民の休日、みたいな扱いなんでしょうね。


ま、世界中、だれでも、あ~、仕事とかほっぽり出して寝っ転がりたいなあ~、って気持ち、共通でしょねえ。


昔ね、しばらくバイク通勤をしていたんですが、風薫る5月のピーカンの朝なんか、このまま会社に行くんじゃなくって、どっかツーリング行きたいなあ、っていう欲求はなかなか強い感情だったことを思い出してしまいます。


5月病のトリガーになる気持ちの揺れ。かもです。


日本にはこんな歌もあります。


「世の中に 寝るほど楽はなかりけり 浮世の馬鹿は起きて働く」


江戸時代、蜀山人狂歌ですね。


人間、働きづめじゃロクなことないですよね。ちゃんと休憩して、ふっとため息ついて、だらあっとした時間を持っていれば戦争なんかにならずに済むような。。。


怠惰って、悪いことじゃない、ですよねえ。違う?

 

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【木製人工衛星】その2 木星軌道の人工衛星のことじゃなくって自然の木で作った人工衛星

< 木造人工衛星 21世紀は宇宙ビジネス時代 世界に先駆けて日本の木工技術が宇宙へ飛んでいく >

2019年に発表された時点での「アルテミス計画」は、2024年までに「最初の女性を、次の男性を月に着陸させる」ってことを目標にするって言っていたんでした。


地球人の女性で月に降り立った人はいませんし、アームストロングさんに続いて、次の地球人男性を、っていうのが「最初の女性を、次の男性を」っていうキャッチフレーズだったんですが、ちょとね、遅れているみたいですね。


ちなみにこの宣言からしますと、日本のかぐや姫は地球人じゃないってことになっているですね。
ま、月に帰って行ったわけですから「月人」ってことでしょかねえ。


アメリカ航空宇宙局NASA)が主導して実施されている「アルテミス計画」ですが、参加しているのはNASAが契約しているアメリカの民間宇宙飛行会社、欧州宇宙機関ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)、オーストラリア宇宙庁(ASA)、そして日本の宇宙航空研究開発機構JAXA)が主だったところだそうです。


JAXAはアルテミス計画の中で、月面に建設する予定のゲートウェイ居住棟に機器を提供して補給するっていう役割を負っているんだそうですから、今回のH3ロケット打ち上げの成功は欠かせないものだったんですね。


H3ロケットがうまくコントロールされなければ補給なんて出来ませんからね。


そしてですね、日本のH3ロケットにはアルテミス計画での活躍以外にも、日本独自の重要な役割を果たして欲しいっていう期待がかけられているんですよね。


日本なりの宇宙ビジネスへの参入。
それは日本独自の「衛星コンステレーション」の確立です。


「衛星コンステレーション」っていうのは宇宙領域における通信・観測・測位を担うもので、防衛、防災、環境だとか、日本の安全保障、経済社会にとって必要不可欠なインフラって位置づけているものなんですね。


内閣府「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」によりますと、

 

「低軌道での衛星コンステレーションの構築は、これまでにないコスト低減、新技術の実証機会の拡大、技術更新期間の短縮等のイノベーションの機会をもたらし、これからの宇宙政策は、安全保障等の観点も含め、このような大きなゲームチェンジを前提に検討していく必要がある」


だそうです。


「衛星コンステレーション」自体の説明にはなっていないんですけど、まあ、なんと言いますか、言葉的には人工衛星で作った星座っていう意味だそうです。


数多くの人工衛星を宇宙空間に浮かべて、それらを一元管理されたシステムに則って機能させること、っていう理解でイイんじゃないでしょうか。

 

 

 


これからの宇宙時代に満足な役割を果たすには、現状の人工衛星の数では全然足りない、ってことみたいです。


日本の人工衛星は、宇宙競争をしている各国に対して決定的に少ない。
日本もこれからH3ロケットによってどんどん人工衛星を打ち上げる必要がある。


それが宇宙利用のゲームチェンジ、パラダイムシフトの第一歩ってことなんでしょうね。


ただですね、旧ソビエトによって世界初の人工衛星スプートニク1号」が打ち上げられたのは1957年のことですけれど、半世紀以上が過ぎて、地球周りの宇宙空間にどれだけの人工衛星が浮かんでいるのか、実ははっきりしたことは把握できていないみたいです。そういう現状があるんですね。


これまでに1万3千基「ぐらい」が打ち上げられていて、現在、8千基ぐらいが浮かんでいるんじゃないだろうか。


ってな感じの記事しか見つかりませんでした。


例えば北朝鮮が打ち上げに成功したっていう人工衛星「らしきもの」だとかもありますし、人工衛星の数を正確に把握する地球全体としての体制っていうのがなかったし、今でも怪しい。


だって、宇宙って見えないし。


ってことで、今現在、スペースデブリっていう宇宙ゴミがどれぐらいあるのかについては実に様々な説があって、もう宇宙スペースに余裕がないっていうものから、まだまだ大丈夫だけれど対策は考えないといけませんっていうものまで、実態の把握なんて全然出来ていないんだろうと思われます。


主な人工衛星打ち上げ国はアメリカ、ロシア、ヨーロッパ、日本、中国、インド、カナダの7つにしぼられます。


日本がこれまでに打ち上げた人工衛星は2021年時点で301基になるらしいんですけど、世界の2.3%にしかならないそうで、宇宙ビジネスの時代を迎えて、今、本腰を入れようかっていう空気は産学官ともにあるみたいですね。


ただですね、世界中が新たに打ち上げる人工衛星の数の問題と、数が一気に増えて、やがて稼働終了した人工衛星の後始末をどうするかっていうのも大きな問題として捉えられています。


ま、当然のことではありますけどね。


本格的「衛星コンステレーション」時代を迎えて、当然ながら一気に数が増えるであろう役割を終えた人工衛星の処理について、地球レベルでのルール策定が進められてはいるらしいです。


原子力発電についての後処理問題って、何も正解が見つけ出せないままスタートしてしまっていて、今現在どうすんの? ってことになっていることを考えますと、人工衛星の後処理問題も今のうちに考えておかないと、地球人、ダメじゃん! って宇宙の大魔王から怒られることになっちゃいますよね。


そもそも宇宙に関することって、まだまだ決まっていないことが多いみたいで、地球の上空、どれくらい離れたら宇宙エリアなのかっていうことも、実は決まっていないんだそうです。
そういう国際法がない。


でもまあ上空100キロメートルも上ったあたりからが宇宙でしょ、ってことにはなっているらしいです。


なんとなあくそういうことになっている。
ふううん、でっす。日本人だけじゃなくって、地球人、けっこうアバウトなのかもです。


今の時点でいろいろ決めておかないといろいろ不都合なことが起きて来るんじゃないの、っていうことの切迫感が持てない。各国の代表。


実際に困った問題が起きちゃう頃って、たぶん自分はこの世にいないからあ~。とかそんな感じなんでしょか。


でもねえ、このデジタル社会、想定しているようなスピードじゃなくって、あっという間に困った状況になっちゃって、あ、想定外、とかね。


そういう状態から脱却しないとねえ。って思います。想定外って免罪符にはなりませんでしょ。日本だけじゃなくって。


宇宙環境について地球全体レベルでリーダーシップとれる人って、まだデビューしていないのかもですねえ。


国際宇宙ステーションISS)」は上空400キロメートル付近を飛んでいる。


気象衛星通信衛星放送衛星なんかは上空3万6千キロメートル付近を地球の自転速度に合わせて飛んでいて、結果として静止衛星ってことになっているんですね。


こうして改めて数字を見てみますと国際宇宙ステーションって意外と低い位置を飛んでいます。


宇宙エレベーター構想っていうの、どうなっちゃっているんでしょ。400キロメートルねえ。


そこからさらにずっと上空、3万6千キロメートル付近を飛ぶことになる人工衛星が、これからたくさん打ち上げられて活躍して、やがてその役割を終えたとき、寿命が来たとき、どう処理するのか。

 

 

 


ゆるくはあっても、今の時点で一応の決め事はあるんだそうですね。


役割りを終えた人工衛星は墓場を目指して落とせ!


はあ? ってなことなんですけど、スペースクラフト・セメタリー(宇宙機の墓場)っていうエリアがニュージーランド南アメリカの中間付近の海域に決められていて、そこをめがけて落下させることによって大気圏内で燃え尽きさせるって方法ですね。


ところがですね、この地球へ落下させる、つまり大気圏に再突入させるにはかなり大きなエネルギーが必要で、役割を終えた人工衛星がそれだけのエネルギーを残していることは稀だっていうのが現実なんだそうです。


つまり、打ち上げる際に後処理までを考えた造りになっていない。ってことでしょねえ。


再突入できない場合は、っていう決まり事も一応あるんです。


大気圏に再突入するようなエネルギーが残っていない場合は、他の現役人工衛星との衝突を避けるために、さらに200キロメートルから300キロメートル高い軌道へ移動させること。


その高さの軌道を「墓場軌道(graveyard orbit)」っていうんだそうです。


墓場軌道に移動させる場合のエネルギーは、大気圏に再突入させる場合の100分の1程度で済むんで、これなら無理なく出来るでしょっていうことなんでしょうね。


でもねえ、墓場軌道へ移動ってねえ、なんかちゃんとした処理をしているって言えないような気がするんですけど、地球に向けて落とせないんだったら墓場軌道へ移動しなさいって、国際機関間スペースデブリ調整委員会(IADC)が義務付けているらしいです。


そういう団体があることはある、んですね。一応ね。


宇宙ゴミスペースデブリ問題は何も解決しないけれども、少なくとも現役の人工衛星のジャマはしないでね、っていう運用義務。


役割りを終えた歴代の日本の気象衛星「ひまわり」は。この墓場軌道にいるんだそうです。


でもねえ、2020年時点でのことなんですが、義務に従って墓場軌道に移動された人工衛星は283基しか確認できていない。


そして本来なら墓場軌道に移動させるか、大気圏に再突入させるべき人工衛星は、上空3万6千キロメートル付近の軌道上に少なくとも365基確認されているのが現実なんだそうです。


なんでスペースデブリを回避しないのか。


人工衛星の機能不全。そもそも計画されていない。さらには移動させる気がない、なんていう理由もあるみたいですねえ。


やる気がない!? そんなん、アリなんですかあ?
コンプライアンスレベルが低すぎる、なんていう意見も委員会では出ているみたいです。


なんかね、こうした現実を知ると、なんだかなあって思っちゃいます。
コンプライアンスなんていうレベルの問題なんでしょうかね。


客観的にみて、地球人は宇宙環境を汚染し続けている、ってことになるですよねえ。


人工衛星を打ち上げている各国間では、ちゃんと専用の機能を設けて、再突入するに充分なエネルギーを持たせるっていう取り決めはあるみたいなんですけどね。
守られていないんじゃ意味ないです。


ただですね、スペースデブリの解決策としての大気圏再突入には、まだ重要な問題が残されているんですね。


人工衛星っていうのは宇宙空間をおおよそ15年ぐらいは飛んでいるわけですから、その素材は軽くて耐久性に優れていなければなりません。


で、今の人工衛星はほとんどがアルミニウム合金で出来ているんだそうです。


このアルミニウム合金が大気圏に再突入して燃えると、酸化アルミニウムっていう小さな粒子が作り出されてしまう。
この小さな酸化アルミニウムの粒子は40年ぐらい大気の中に滞留するっていうんですね。


どんどん大気圏に再突入させるのはスペースデブリ問題の解決にはイイんだけれども、大気がアルミニウムで囲まれしまうと、地球が極端に冷却されてしまう可能性が出てきちゃう。


スノーボール? ま、そこまでじゃないのかもしれませんが、大気中にアルミニウムが滞留しちゃうっていうことは大きな地球環境変化に繋がってしまうんですね。


じゃあやっぱり、宇宙を汚しちゃう墓場軌道へ移動っていう方法しかないんでしょうか?


ってことに待ったをかけようとしているのが日本なんでありますよ。


なんかね、あんまり大きくは取り上げられませんけれども、京都大学住友林業株式会社の共同研究チームが2024年に人工衛星軌道に乗せようとしているのが「LignoSat(りぐのさっと)1号機」


これ、木製の人工衛星なんです。

 

木製どろ~ん

共同研究チームは2022年3月から12月までの10か月間、「国際宇宙ステーションISS)」で木材が宇宙空間にどの程度耐えられるのかを実験していたんですね。


日本実験棟「きぼう」の船外プラットフォームに、地上の実験結果から選んだ3種類の木材を固定して晒したわけです。


宇宙空間にも耐えられそうな3種類の木材とは「やまざくら」「ほおのき」「だけかんば」


10か月の実験結果として3種類とも、割れたり反ったりしなかったし、表面の摩耗も確認されなかった。さらには重量の変化もなくって、様々な宇宙線を浴びたにも関わらず科学的な変化もしていなかった。


地球の生命体。自然の樹。凄いぞっていうことが確認されたんですね。


宇宙の温度環境ってかなり過酷なんですよね。


宇宙の温度っていうのは約マイナス270度なんだそうです。


その温度の空間に物体が浮かんでいれば太陽光線が当たります。
そうすると表面温度は120度ぐらいになっちゃうんだそうです。


え!? って思っちゃいますけど、もっとビックリするのは日が当たらない物陰の温度はマイナス150度。
物体の表と裏の温度差って270度ぐらいになっちゃう。


そんな温度差でも反らない人工衛星のアルミニウム合金っていうのも、なかなかのモノなんだなって思いますけど、木材もちゃんと耐えられたってことです。ノーダメージ!
で、共同研究チームは加工のし易さだとかを考慮して「ほおのき」を選定したんだそうです。

 

 

 


何に選定したかって、そりゃ、人工衛星のボディに使う素材です。


そうなんです。「ほおのき」を使ったキューブ型の人工衛星「LignoSat1号機」を作って、2024年上半期に衛星軌道に乗せようっていう計画があるんですね。


アルミニウム合金の丈夫さに負けない木製の人工衛星の特徴としては、木材は電波を通すのでアンテナを機体の外に出す必要がなくって、コンパクトな人工衛星本体を作れる。


これは小型化、軽量化が求められる宇宙技術にとってはかなり重要なことですね。


そして、大気圏への再突入の際、木製の人工衛星はキレイに燃えて、水蒸気と二酸化炭素しか出ないんですね。


大気の中に何物も溜まらない。


世界初の木製人工衛星。日本のLignoSat1号機、打ち上げを見守っていきたいと思います。

 

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